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従来のマイクロコンベックスプローブは小さな形状による取り回しの良さから、超音波ガイド下のRFA(Radiofrequency Ablation)穿刺時などにおいて今日の臨床現場になくてはならない重要な役割を担っている。しかしながら、小さな形状による制約があり、標準コンベックスプローブに対して画質が劣るという課題があった。そこで、今回は、使いやすさを追求した形状、フュージョン(RVS:Real-time Virtual Sonography *1,1))や穿刺などのアプリケーションに対応したうえで、日常診療にも広く使って頂けるよう画質の改善に取り組んだので、これらの詳細について紹介する。
Micro convex probe, Single crystal, RVS, RFA, Puncture
C型肝炎、肝硬変を背景とした肝がんは依然として存在しているが、近年はC型肝炎ウイルスに関連した肝がん患者は減少傾向にあり、肝炎ウイルス感染のない、いわゆる非B非C型肝がんが増加傾向となっている 2)。また、高齢者や生活習慣病が増加しており、検診・外来での診断から治療、フォローアップまで幅広い場面で非侵襲な超音波検査の重要性が増しており、医療資源の観点からも汎用性の高さが超音波診断装置にも求められている。
マイクロコンベックスプローブは小さな形状による取り回しの良さが特長であり、超音波ガイド下における経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA:Radiofrequency Ablation)や生検を施行する際に用いられている。しかしながら、マイクロコンベックスプローブは小さな形状による制約により、標準コンベックスプローブに対して画質が劣るという課題があった。そのため、標準コンベックスプローブからマイクロコンベックスプローブへ持ち替えた際に画質の差異が生じていた。
本稿では、使いやすさを追求した形状、フュージョン(RVS:Real-time Virtual Sonography*1)や穿刺などのアプリケーションに対応したうえで、日常診療にも広く使って頂けるよう画質の改善に取り組んだ、新型マイクロコンベックスプローブC23RV/C23について紹介する。
- *1 Real-time Virtual Sonographyは富士フイルムヘルスケア株式会社の登録商標です。
C23RV/C23について以下に示す。なお、C23RVは磁気位置センサを内蔵し、C23は内蔵しない。
マイクロコンベックスプローブは標準コンベックスプローブと比較して音響放射面積が3分の1程度と小さく、一般的に深部の感度、空間分解能が劣る。深部の感度と空間分解能は音響放射面積、音響エネルギーに依存するが、マイクロコンベックスプローブでは小型の形状を維持するため、音響放射面積には制限がある。また、音響エネルギーも音響放射面の発熱制限により、出力が制限される。今回、圧電単結晶の採用による広帯域化と放熱構造の見直しによる音響エネルギーの向上を図ることで、深部の感度と空間分解能を改善した(図1)。
図1 C23RV/C23と標準コンベックスのUS画像
圧電単結晶採用により従来のマイクロコンベックスプローブと比較し約35%の広帯域化を実現した(図2)。
音響エネルギーを向上させるには、プローブに高い電気エネルギーを印加する必要があるが、エネルギーの一部は熱になりプローブ表面温度が上昇してしまう。特にマイクロコンベックスプローブは形状が小さく、放熱能力が標準コンベックスプローブに劣り、プローブ表面温度が上昇しやすいため、表面温度規制により高い音響エネルギーを出力できなかった。そこで、C23RV/C23では放熱性に優れた新材料を採用し、放熱効率の良い構造にした。これにより、熱の拡散を図り(図3-b)、表面温度の上昇を抑制し(図3-c)、高い音響エネルギーの出力が可能となった。
従来のマイクロコンベックスプローブは曲率半径が20mm前後であるが、音響放射面の端部が体表から浮きやすく、画質の低下を招き、押し込み時の安定性を欠くことがあった。この点については曲率半径を大きくすることで改善が見込まれるが、視野角が犠牲になる。C23RV/C23は独自の曲率半径25mmを採用することで、診断に必要な視野角を有したまま、音響放射面端部の浮き、押し込み時の安定性を改善した。さらに、Wide Scanning機能(2.2.2項にて後述)により、広い視野を実現した。
仮想的に視野角を広げたコンベックススキャンを行うことで、広い視野を得られる機能である。C23RV/C23は通常視野角70°の画質とフレームレートを維持したまま視野角110°を可能とした。これにより、マイクロコンベックスプローブ形状で標準コンベックスプローブに近い視野を実現した(図4)。
治療・診断支援から日常診療までの幅広い用途に適した機能的なデザインをめざした。C23RV/C23は、前述した曲率半径の改善と合わせて、下記改善を図ることで操作性の良さと保持のしやすさを実現した。
肋間アプローチと深部感度を両立したプローブ先端の短軸幅(図5-a)
ケーブルの柔軟性と軽量化(図5-b)
ケーブルとの重心バランスを考慮したグリップ長(図5-c)
押し込みやすい括れの形状(図5-d)
先端を保持しやすい凹み形状(図5-e)
フュージョン技術を用いたRVS(Real-time Virtual Sonography)機能の登場により、超音波ガイド下での経皮的ラジオ波焼灼療法(RFA)や生検がより安全に施行できるようになった。しかしながら、従来のマイクロコンベックスプローブではプローブ本体にセンサ(RVS用磁気位置センサ)とアタッチメント(位置検出用)を装着(図6-a)する必要があり、消毒滅菌においても煩雑であった。また、センサのケーブルにより操作性を阻害していた。C23RVではセンサをプローブ本体へ内蔵する(図6-b)ことで、RVSを簡便かつ快適に使用できる。
図6 従来マイクロコンベックスプローブとC23RVの違い
C23RV/C23では、多数の穿刺角度に対応したVerza*2と、プローブカバーによる画質劣化が少ないBX2*3の2種の穿刺アタッチメントに対応した。
被検者に当てたプローブの位置を変更せずに、穿刺経路の変更が可能である(図7)。ディスポーザブルで5つの穿刺角度(6°/12°/21°/31°/43°)に対応している。
プローブカバーの上から音響放射面を囲う構造(図8)としたことで、シワによる画質の劣化を抑制した。また、複数のパーツで構成されていたアタッチメントを一体化することで、スリム化、穿刺経路のがたつきと死角の軽減を図った。なお、ディスポーザブルで2つの穿刺角度(5°/25°)に対応している。
- *2 シブコVerzaニードルガイド(品番610-1502)、シブコVerzaブラケット(品番644-096)の 製造販売業者はセンチュリーメディカル株式会社です。
- *3 シブコBX2ニードルガイド(品番644-094)の 製造販売業者はセンチュリーメディカル株式会社です。
本稿ではマイクロコンベックスプローブの特長を生かしつつ、標準コンベックスプローブに近い画質をめざした新型マイクロコンベックスプローブC23RV/C23について紹介した。使いやすさを追求した形状、アプリケーションの対応、画質の改善により、超音波ガイド下の治療・診断支援のみならず、日常診療にも広く貢献できることを期待する。
販売名:C23RV プローブ/C23 プローブ
医療機器認証番号:301ABBZX00055000
販売名:C22P プローブ
医療機器認証番号:225ABBZX00099000
販売名:C252 プローブ
医療機器認証番号:228ABBZX00133000
販売名: シブコVerza ニードルガイド
医療機器認証番号:228AFBZX00071000
販売名:シブコVerza ブラケット
医療機器届出番号:13B1X00089040230
販売名:シブコBX2 ニードルガイド
医療機器認証番号:223AFBZX00060000
- 1) 香西和久, Real-time Virtual Sonography(RVS)によるMulti Modalityの融合技術, 超音波検査技術, 35(3):311-314, 2010.
- 2) 肝がん白書(平成27年度) 一般社団法人 日本肝臓学会













