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一包化監査支援システムPROOFIT 1D Ⅱ病院仕様(本文中は1D Ⅱと記載)を、2023年5月からご利用いただいている総合相模更生病院(神奈川県相模原市)。一包化薬の読込速度や検出精度を向上させた最新機種について、導入の目的や使用感、これからの運用方法などを、総合相模更生病院 薬剤部長 稲葉 健二郎さんに伺いました。

神奈川県相模原市中央区小山3429
JR横浜線・相模原駅北口に隣接。1945年の開設以来、地域医療に貢献している。「信頼と調和」を基本理念に、225床の急性期病床を有する。薬剤部には22名の薬剤師が在籍。2023年5月に1D Ⅱを導入し、院内処方の一包化薬の監査に利用している。
薬剤の一覧表示や刻印強調など、視認性を追求した機能が薬剤師をサポート
総合相模更生病院は、JR相模原駅に隣接する一般急性期病院として、地元の方々を中心に、信頼される医療を提供しています。私が部長を務める薬剤部も、医師と患者さんの間に立って地域に貢献することを目指し、薬剤師の質を高める努力を続けています。
日々の業務の中で、改善の必要性を認識していたのが、薬剤師の目視だけで行う一包化薬の監査業務です。薬剤をチェックするスピードを上げることが薬剤師の重要スキルとされるような作業内容に違和感を覚えていました。
1D Ⅱが優れているのは、一包化した薬剤を一錠ずつ判定し、モニターに一覧表示してくれる点です。例えば、貯金箱からコインを出して数えるとき、コインの種類ごとに表裏もそろえて選り分けると、確認が楽になります。1D Ⅱも同じように、薬剤の種類や数を整列して見せてくれるため、一目瞭然で監査ができます。薬剤の過不足や間違いがあれば瞬時に確認でき、修正も簡単です。
一つは、作業効率の向上です。病床数225床を有する当院では、院内処方の一包化薬の監査に1D Ⅱを使用しています。1日に約80枚の処方箋、月に約4,400品の一包化薬を扱う中で、従来は約1.5人分の薬剤師を監査業務に割り当てていました。1D Ⅱの導入で監査の速度や精度が高まり、薬剤師1人分を病棟業務へ割り当てることができました。
もう一つは、ストレスの軽減です。1D Ⅱの使い勝手について薬剤部でアンケートを取ったところ、「監査が早くなった」の次に多かったのが「監査業務に安心感が生まれた」という感想でした。それぞれの薬剤師が自信を持って業務に臨んでおり、これまでに大きなトラブルはなかったものの、目視のみの監査では「本当に間違いはなかったか」と後から不安が生じることもあります。1D Ⅱを監査業務のプロセスに組み込むことで、機械にサポートされているという安心感が得られ、精神的な負担が軽減されているのだと思います。
薬剤の刻印を強調してモニターに表示してくれる点が素晴らしいです。最近はレーザー印字などにより、視認性の高い錠剤が増えてきました。しかし、まだまだ見にくい刻印の錠剤が多いです。刻印された小さな文字を判別するために、虫眼鏡を使ったり薬包をひっくり返したりしていた、目視だけの監査業務にはもう戻れません……。
ラベルのレイアウトが変更できる点も魅力的です。お名前を印字したくないという患者さんの要望に応えたり、ハイリスク薬にマークをして与薬に関わる看護師に知らせたりなど、さまざまな場面で服用支援や医療安全に応用できると感じています。
持参薬の監査業務にも活用して、地域に安心と安全を届ける薬剤部に
地域医療に力を入れていく中で、入院患者さんが持参する一包化薬を、1D Ⅱでチェックする仕組みをつくりたいと考えています。当院では、持参薬の情報を処方箋として入力しているので、そのデータを読み込めば、1D Ⅱを使って改めて監査することができます。加えて、持参された一包化薬は薬袋の大きさやラベルの表記がさまざまなので、分包し直して体裁を整えることで、患者さんに与薬する看護師の作業をスムーズにできるとも考えています。
薬剤師が自身の能力を磨くために近道はなく、日々の地道な努力が不可欠です。ただし、「薬剤に間違いがないか確認する」「見にくい刻印を判読する」などの単純作業は、可能な限り機械に任せるべきであり、そうすることで、知識や技術を深めるための余裕が生まれるのではないでしょうか。1D Ⅱの運用を続けていくことで、服薬指導や安全管理など、薬剤師が患者さんのために使える時間がさらに増えることを期待しています。
- 「一包化監査支援システム PROOFIT 1D Ⅱ」のカタログ
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