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富士ドライケムの特長

ドライケムシリーズの特長と技術的な解説をご紹介しています。

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

ドライケミストリーとは

ドライケミストリーとは、特定の化学反応を起こす試薬が乾燥状態で用意されていて、そこに液体状の検体が添加されると、検体中の水分を溶媒として、試薬が含まれているマトリックスの中で反応が進行するもの。
(亀井 幸子:ドライケミストリーとその展望 化学と生物 vol.25 NO.6 P379-387)

血液中の化学成分を正確に定量するために完全ドライな多層分析フィルムを用いる新しい方法がEK社によって開発され、1978年に第10回世界臨床化学会(ICCC)で発表された。日本では1980年に富士フイルムが同じくドライ比色法に関して日本臨床病理学会で発表している。

この多層分析フィルムは、血液試料の一滴をフィルム上に点着するだけの簡単な操作で血液中の化学成分が正確かつ高精度で定量できるもので、ブドウ糖定量用・尿素窒素定量用・カリウム定量用など、分析の対象としている成分(アナライト)別に分かれている。EK社の方法は血漿・血清中のアナライトを定量するものだが、富士フイルム法は血漿・血清のほかに全血も試料としてアナライトを定量できることが利点になっている。この多層フィルム法は、血液化学成分の分析に必要な従来の試薬・操作を多層の形で一枚のドライフィルム中に収納した使い捨て型のものが、ドライケミストリー技術である。

システムの構成・特長

富士ドライケムは、試薬(スライド)を機器(アナライザー)にセットし検体を点着するだけで測定を行える、迅速・簡便なシステムです。

富士ドライケムシステム構成

富士ドライケムシステムの特長

富士ドライケムシステムは、ドライケミストリーによる生化学検査システムです。ドライ試薬を組み込んだスライドをアナライザーにセットし、検体を点着するだけで測定を行える、迅速・簡便なシステムでありながら、測定データの信頼性は、現在多くの医療施設が採用し、最も信頼性の高いとされる液体法と同等です。検査に即時性を求める医療現場の声に応える、そのシステムの優れた特徴を説明します。

シンプルな操作

基本的な操作は試薬(スライド)をセットして検体を点着、スタートボタンを押すだけ。

セット検査、ランダムアクセスが簡単

必要な項目のスライドをカートリッジにセットするだけです。

電解質は3項目同時測定/1分
事前の試薬調整や操作、後片づけが不要
高信頼性
  • 日常のキャリブレーションが不要(CRP除く)
  • 精度・正確度ともに良好
付帯設備

給排水設備は一切不要 もちろん液体廃棄物は一切出しません。

比色法スライドと電極法スライド

ドライケミストリーである富士ドライケムシステムでは、面倒な準備や調整が必要な液体試薬の代わりに、スライドを用います。このスライドには、比色法スライドと電極法スライドの2種類があります。

比色法スライド

検体中の「酵素類」「一般化学成分」「免疫成分」を比色法で定量するためのスライドです。検体を点着すると、検査対象成分が試薬と反応して色素を形成、検体中の検査対象成分の量に比例するその発色濃度を測定。1回の測定に必要なドライ状態の分析試薬など組み込んだ多層フィルム式スライドです。

電極法スライド

検体中の「電解質Na-K-Cl」を、参照液との電位差によって測定するスライドです。1枚の電極法スライドの中に、ナトリウム測定用フィルム電極、カリウム測定用フィルム電極、クロール測定用フィルム電極の3種の多層フィルム電極が並べられ、さらにその上に糸ブリッジ、検体配分などが組み込まれています。