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ニュースリリース

2025年7月10日

AI技術で“外来患者の転倒事故防止”や“医療従事者の業務負荷軽減”に貢献

統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」の新機能を提供開始

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、院内の各部門システムのデータを一元的に管理する統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder(シータ クリニカル ファインダー)」の新機能として、2つのAI機能の提供*1を開始することをお知らせします。外来患者の転倒リスクを予測する「外来患者向け転倒リスク予測AI機能」と、日常の診療業務時に医療従事者が参照する確率の高い診療データを予測して提示する「参照支援サジェストAI機能」を、富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川原 芳博)を通じて7月15日より発売します*1
なお、富士フイルムメディカルは「CITA Clinical Finder」および本AI機能を2025年7月16日~18日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「国際モダンホスピタルショウ2025」にて展示いたします。

  • *1 統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」の有償オプションとして提供。
統合診療支援プラットフォーム「CITA Clinical Finder」について

電子カルテ上の各種情報や、放射線・内視鏡・生理検査・病理検査などの各部門システムに保存されている画像やレポート、診療文書など、院内の多様な情報を統合管理できる診療支援システム。患者ごとに情報を統合し、診療シーンに応じて必要な情報を閲覧できる機能や、複数患者の診療情報を一覧表示して、入院患者の状況などを一度に視認できる機能、各種検査レポートの見落としを防ぐ既読管理機能などを搭載し、診療業務の効率化や医療安全の向上を支援。地域の中核病院を中心に約500の医療施設に導入されています。

今回発売するAI機能の特長について
(1)外来患者向け転倒リスク予測AI機能

医療現場における患者の転倒事故は高い頻度で発生しています*2。転倒は骨折や頭部外傷などの大けがにつながり、患者の生命予後やQOLに対して深刻な影響を及ぼす可能性があります。そのため、多くの医療機関では転倒リスクの低減を医療安全における重要課題の一つととらえ、入院患者を対象として、転倒リスクアセスメントシートを用いた転倒予防策を講じています。一方で、外来患者においては、患者数が多いことや限られた滞在時間では患者の状態を把握することが難しいことなどから、同様の取り組みや転倒予防策を講じることは困難とされていました。
今回提供を開始する「外来患者向け転倒リスク予測AI機能」は、「CITA Clinical Finder」に蓄積された疾患情報や処方情報などの患者の診療情報とAI技術*3を用いて、外来患者一人ひとりの転倒リスクをスコア化する機能です*4。転倒リスクの高い患者を上から順番にリスト表示するほか、スコアの算出に影響を与えた転倒リスク要因(年齢や既往歴など)も併記。転倒リスクのスコアと要因に応じて、医療従事者が付き添いや車いす送迎といった対応の要否やコメントを患者ごとに記入し、院内で情報共有することが可能で、高リスク患者の効率的な把握と転倒防止策の展開をサポートします。

  • *2 公益財団法人日本医療機能評価機構「医療事故情報収集等事業」より。
  • *3 疾患情報や処方情報などの診療情報をもとに、外来患者の転倒リスクを予測するAI技術。導入後、自動的に性能や精度が変化することはありません。
  • *4 当日予約や予約なしで受け付けされた患者は対象外です。

「外来患者向け転倒リスク予測AI機能」のユーザーインターフェース(上)と転倒リスクおよび転倒リスク要因欄の拡大図(下)。外来患者を転倒リスクの高い順にリスト表示し、転倒リスクスコアが高い患者を赤く強調することが可能。3つまで併記される転倒リスク要因に応じて、医療従事者が対応要否を判断できる。

(2)参照支援サジェストAI機能

医療従事者は、患者の属性情報や既往歴、検査画像など、さまざまな情報を参照して手術の準備や治療計画の立案を行っています。診察や治療の前後など、場面や目的によって参照すべき情報が異なるため、医療従事者は膨大な情報の中から必要な情報を探すために時間と手間をかけています。
今回提供を開始する「参照支援サジェストAI機能」は、医療従事者が「CITA Clinical Finder」を起動・閲覧・操作している際に、その医療従事者の職種や所属診療科、直前に参照していたデータ、患者の診療状況(入院日や外来日など)に応じて、参照する可能性の高いデータを、AI技術*5により予測して提示する機能です。これにより、データ検索・参照までに要する時間や労力などの負荷を軽減することが期待できます。
また、「参照支援サジェストAI機能」に搭載されているAI技術は、実際にどのデータが参照されたかを継続的に学習し、より高い精度で参照データを予測できるようになります。

  • *5 ユーザー・患者・診療データの属性や状況を解析し、診療データの参照確率を予測するAI技術。

「参照支援サジェストAI機能」のユーザーインターフェース(左)。検査画像や文書など、医療従事者が参照する可能性の高いデータ(右)をリスト表示します。

富士フイルムは、今後もグループ内の技術を集結させ、AI技術ブランド「REiLI」のもと、医療におけるAI技術の活用の幅を広げることで、医療の質・安全性の向上と診療業務効率化の両立に向けた、さまざまな分野でのワークフロー支援に取り組んでいきます。

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