富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、圧力測定フィルム「プレスケール」*1専用の圧力画像解析装置「プレスケールステーション」を、2025年10月29日に発売いたします。「プレスケールステーション」は、圧力により発色した「プレスケール」の画像を高解像度FAカメラ(Factory Automation Camera)*2で読み取ることで、圧力の定量化を実現する装置です。これにより、誰でも簡便かつ高精度にデータを解析・保存できるようになり、圧力測定の標準化と検査効率の大幅な向上に貢献します。
昨今、製造プロセスが高度化し、品質保証・トレーサビリティへの要求も高まる中、特に、半導体や電池などの電子部品業界では、製造工程における圧力検査の件数が増加しています。それに伴い、圧力測定を効率的かつ高精度に行いたいというニーズが高まっています。
「プレスケール」は、接触した物同士の圧力や面圧のバランス・分布を可視化できるフィルムで、当社がグローバル市場でトップシェアを維持しています。圧力が加わると赤く発色し、その濃淡により圧力の大小を視覚的に確認できます。当社は、「プレスケール」の圧力を可視化できる特性を生かし、圧力情報を数値として定量化できる「プレスケールステーション」を開発しました。「プレスケールステーション」は、圧力で発色した「プレスケール」の画像を高解像度FAカメラとLEDを内蔵した装置で読み取り、当社が培ってきた高度な画像処理技術と光学技術を融合したシステム設計により、圧力データを効率的に解析・保存できる装置*3です。本製品は、日々、多数の圧力検査を行う現場で、作業負荷や判定精度に課題を抱えるユーザーのニーズにこたえるために開発しました。測定したい箇所を検査枠*4で指定するだけで、本装置が最大・最小圧力や平均圧力、加圧面積など 10項目*5の解析結果を表示します。最大35か所までの検査枠で指定された領域を一括解析できるため、大量の圧力測定にも対応可能です。また、「プレスケールステーション」は内部にLED照明を搭載することで、照明環境を一定に保つ設計となっておりイエローライト環境下でも安定した測定性能を発揮します。これらにより、検査効率の向上に寄与します。
当社は、これまで培ってきた技術を生かし、これからも製造現場における高精度・効率的な検査ワークフローの構築を支援、業務のデジタル化を推進することで、お客さまの製造現場の検査効率向上や品質管理強化に貢献していきます。
- *1 当社の精密塗布技術とマイクロカプセル技術を活用して、圧力や面圧のバランス、分布を簡単に可視化できるフィルム。
ディスプレイや電子部品、自動車、電池、包装業界など幅広い分野の開発・製造工程で活用されています。 - *2 製造工程において画像処理や監視を行うために使用される産業用カメラ。寸法測定、欠陥検出、バーコードの読み取りなど、さまざまな用途に対応。
- *3 対応OS:Windows。
- *4 読み取った「プレスケール」画像に対し、解析したい範囲を枠で囲って指定できる。最大35か所まで設定可能。
- *5 測定面積、加圧面積、加圧面積率、圧力有効率、平均圧力、最大圧力、最小圧力、荷重、標準偏差、均一性(圧力値)。
記
| 製品名 | 発売日 | 標準ユーザーお渡し価格 |
|---|---|---|
| 「プレスケールステーション」 | 2025年10月29日 | 5,500,000円 (税込価格 6,050,000円) |
「プレスケールステーション」は、圧力測定フィルム「プレスケール」の発色を高解像度FAカメラで読み取り、パソコンで圧力データを解析・保存できる装置です。解像度0.12mm角の高精度な読取により、微細な圧力分布まで詳細に可視化。目視検査では見逃されがちな圧力ムラも、数値と画像で明確にとらえられます。
「プレスケールステーション」は、装置の遮光構造と光学設計により、照明条件に左右されない安定した読取環境を実現。外部光の影響を排除することで、毎回同じ条件での圧力測定が可能になります。また、あらかじめ任意のしきい値を設定することで、設定した基準に基づいて圧力検査(合否判定)を自動で実施。読み取った「プレスケール」の画像に最大35か所まで検査枠を自動、または任意で付与でき、一度に複数領域の解析が可能です。人による判断のばらつきを防ぎ、検査工程の効率化と標準化を実現するとともに、製造現場のDXを支援します。
複数の「プレスケール」画像に対して、解析したい範囲を検査枠(青枠)で囲っている様子(イメージ)
「プレスケール」の読取画像・解析画像・圧力マップ・計測結果などをパソコンに保存でき、検査履歴の管理や品質保証資料の作成に活用可能です。保存されたデータは、社内システムやクラウドとの連携にも対応しており、製造現場の品質管理体制をより強固なものにします。
- 製品名
「プレスケールステーション」
- 適用製品(「プレスケール」)
超微圧用(5LW)~低圧用(LW)、高温用プレスケール200超低圧用(LLW)*6
- 主な機能
各種圧力測定、自動判定機能、データ出力機能
- 読み取りサイズ
A4*7
- 消費電力
約28W
- サイズ
読取A4サイズ : 幅50cm、高さ52cm、奥行50cm
- 重量
読取A4サイズ : 約27kg
- *6 その他の圧力範囲に適した「プレスケール」および「高温用プレスケール」(200LLW以外)は順次対応予定。
- *7 A3サイズの対応は2026年2月以降を予定。
「プレスケール」の総合カタログや活用事例に関しては、以下よりご覧いただけます。
「プレスケールステーション」は、2025年度グッドデザイン賞(主催:公益財団法人 日本デザイン振興会)を受賞しました。高解像度FAカメラとLED照明を内蔵し、当社の画像処理技術と光学技術を融合したシステム設計により、誰でも簡単に大量の圧力測定を高精度で行える仕組みをデザインした点が評価されました。
圧力測定フィルム「プレスケール」・圧力画像解析装置「プレスケールステーション」は、富士フイルム株式会社アドバンストファンクショナルマテリアルズ事業部の製品です。同事業部は、ディスプレイ材料、データテープ、産業機材、ファインケミカルなどの高機能材料を展開しており、写真フィルム技術で培った高精度な製膜技術や塗布技術、機能性分子技術を生かして、5G通信、自動運転、スマートデバイスなど先進技術を支える素材の開発・応用に取り組んでいます。技術革新や市場ニーズの多様化が進む中で、お客さまの製造現場の効率化と製品の高付加価値化を支え、安心・安全な社会の構築に貢献しています。
富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
富士フイルム株式会社
アドバンストファンクショナルマテリアルズ事業部 計測ソリューション
E-mail:prescale-info@fujifilm.com
- *「プレスケールステーション」ソフトウェア単体でのご購入をご希望の方も、上記までお問い合わせください。
- * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。













