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ニュースリリース

2025年12月9日

世界トップシェアのイメージセンサー用カラーフィルター材料を進化!

世界初、KrF露光に対応した「Wave Control Mosaic(ウエイブ コントロール モザイク)」新発売

環境に配慮したPFASフリーも実現し、スマートフォンカメラの高画質化に貢献

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、「Wave Control Mosaic(ウエイブ コントロール モザイク)™*1」の新製品として、KrF*2露光に対応したイメージセンサー用カラーフィルター材料をこのたび発売しました。本製品は、環境や生態系への影響が懸念される有機フッ素化合物PFASを一切使わない環境配慮型の材料です。超微細化と高感度化が求められる最先端のイメージセンサーに使用され、スマートフォンカメラの高画質化に貢献します。

イメージセンサーは、光を電気信号に変えて映像化する半導体で、スマートフォンやデジタルカメラなどに搭載されています。近年、自動車や、監視カメラをはじめとするセキュリティ機器、AR/VR機器などへの用途拡大が進む中、イメージセンサー市場は年率約6%*3で成長することが見込まれています。また、スマートフォンでの写真撮影や動画配信など撮影機会の増加に伴い、あらゆるシーンで明るくなめらかな画像・映像を撮影したり、撮影後に切り抜いて編集するなどのニーズが高まっており、イメージセンサーにはさらなる高画質化が求められています。イメージセンサーの高画質化には、より細かい画素で高精細なイメージをつくりだすためにセンサー画素の微細化が必要ですが、画素を微細化すると、取り込める光の量が減少し、感度が低下するという課題がありました。

このたび当社が提供を開始する「Wave Control Mosaic」の新製品は、従来のi線*4露光では実現できなかった、より微細な画素の形成を可能にするKrF露光に対応した世界初のカラーフィルター材料です。当社は、銀塩写真の研究開発で培った機能性分子の設計技術や有機合成技術を活用して、KrF露光に最適化した新たな添加剤と、耐熱性と耐光性に優れた独自の染料を開発。また、独自の処方技術により、従来の顔料に加えて、新開発の染料を原材料に用いることで光透過率を増加させ、微細化による光量低下を補うカラーフィルター材料を完成させました。本製品の提供を通じ、イメージセンサーの微細化と高感度化の両立を実現。ユーザーは、あらゆるシーンで明るくなめらかな画像・映像を撮影できます。
さらに、本製品は、環境や生態系への影響が懸念される有機フッ素化合物PFASを一切使わないPFASフリー*5製品です。当社はこれまでも、PFASフリーのネガ型ArF液浸レジストやナノインプリントレジストを開発し、人体や環境への悪影響のリスクが懸念される物質の自主的な削減と代替化に取り組んできました。本製品の開発で培ったPFASフリー化の技術を、すべての「Wave Control Mosaic」やフォトレジスト*6などにも適用することで、当社半導体材料のPFASフリー化を進めていきます。

当社は今後も、イメージセンサー用カラーフィルター材料のトップメーカーとして、イメージセンサーの高画質化に加え、人間の目には見えない赤外光を活用した暗所撮影などに適した材料開発を進め、「見えない世界を見える世界に変え、社会に新しい視覚と価値を届ける」というコンセプトのもと、イメージセンサー市場の拡大に貢献していきます。

富士フイルムの半導体材料事業について

当社は、フォトレジストやフォトリソグラフィー周辺材料*7、CMPスラリー*8、ポストCMPクリーナー*9、薄膜形成材*10、ポリイミド*11、高純度プロセスケミカル*12など半導体製造の前工程から後工程までのプロセス材料や、イメージセンサー用カラーフィルター材料をはじめとした「Wave Control Mosaic」をグローバルに展開しています。
今後も当社は、最先端からレガシーノードまで半導体製造プロセスのほぼ全域をカバーする豊富な製品ラインアップに加え、日米欧アジアに製造拠点を有する安定供給体制や高い研究開発力を生かしたワンストップソリューションの提供により、顧客の課題解決に取り組み、半導体産業の発展に貢献していきます。

  • *1 広範囲な波長の電磁波(光)をコントロールする当社の機能性材料群の総称。デジタルカメラやスマートフォンに用いられるCMOSセンサーなどのイメージセンサーのカラーフィルターを製造するための着色感光材料を含む。Wave Control Mosaicは、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
  • *2 KrF(フッ化クリプトン):半導体製造の「フォトリソグラフィー工程」の露光で使われる、波長248nmのレーザー光源。この光を使って、半導体ウエハー上に微細な回路パターンを焼き付ける。
  • *3 市場調査会社「テクノシステムリサーチ」の「2025年上期版CCD&CMOS市場のマーケティング分析」より。
  • *4 波長が365nmの水銀のスペクトル線。KrF同様、フォトリソグラフィー工程の露光で使われる光源の一つ。
  • *5 PFASとは、ペルフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物およびこれらの塩類の総称。具体的には、OECD(The Organization for Economic Co-operation and Development)が2021年に公表した“Reconciling Terminology of the Universe of Per- and Polyfluoroalkyl Substances: Recommendations and Practical Guidance”で示す化合物のことを指す。PFASフリーは、この定義されたグループに該当する物質が含まれていないことを意味する。
  • *6 半導体製造の工程で、回路パターンの描画を行う際にウエハー上に塗布する材料。
  • *7 半導体製造のフォトリソグラフィー工程で使用する現像液やクリーナーなど。
  • *8 硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平坦化する研磨剤。CMPは、Chemical Mechanical Polishing(化学的機械研磨)の略。
  • *9 CMPスラリーによる研磨後に、金属表面を保護しながら、粒子、微量金属および有機残留物を洗浄するクリーナー。
  • *10 低誘電率の絶縁膜を形成するための材料。
  • *11 高い耐熱性や絶縁性を持つ材料。半導体の保護膜や再配線層の形成に使用される。
  • *12 洗浄・乾燥工程に使われる高純度薬品。半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物を除去したり、エッチング工程にて金属や油脂などを取り除くために使用する化学薬品。
お問い合わせ
報道関係

富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ

その他

富士フイルム株式会社
エレクトロニクスマテリアルズ事業部

E-mail:shm-ff-em_inquiries@fujifilm.com

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