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ニュースリリース

2025年12月23日

国内最大級のバイオ医薬品CDMO工場を富山県に開設

抗体医薬品の原薬製造から製剤化・包装まで一貫製造体制を構築

富士フイルム株式会社(本社: 東京都港区、代表取締役社長・CEO: 後藤 禎一)は、富士フイルム富山化学 富山第二工場内に建設を進めてきた国内最大級のバイオ医薬品CDMO*1工場(以下、新工場)を開設し、本日、竣工式を行いました。新工場は、当社グループ国内初の抗体医薬品の製造工場で、2027年の稼働開始を予定しています。隣接して建設中の工場とあわせて、原薬製造から製剤化・包装までを一貫して担う製造体制を構築し、当社バイオCDMO事業におけるアジアの製造拠点としての役割を担います。

日本国内ではバイオ医薬品の需要が拡大する一方で、製造は海外で行われるケースが多く*2、製造プロセス開発や製造における技術移管のスピードが課題となっています。こうした背景から、国際的に求められる厳格な品質基準を満たすグローバル水準の製造基盤を国内に整備し、言語や立地の隔たりなどによる技術移管の負担を軽減することが、バイオ医薬品をより迅速に上市し、安定的な医薬品の供給に寄与すると期待されています。

当社は、富士フイルム富山化学の注射用抗菌剤製造で培った無菌製造技術と、欧米でバイオCDMO事業を展開するFUJIFILM Biotechnologies(フジフイルムバイオテクノロジーズ)の知見を融合させ、抗体医薬品や抗体薬物複合体(ADC*3)などのバイオ医薬品製造を、日本国内で迅速かつ効率的に委託できるグローバル水準のバイオCDMO拠点を整備します。

新工場では、世界最大級のシングルユース*45,000リットル動物細胞培養タンク2基に加え、2,000リットルタンク2基を導入し、隣接地に建設中の工場とあわせて原薬製造から製剤・包装までをワンストップで提供します。さらに、高い品質を確保するとともに、拠点間での迅速な技術移管や建設のリードタイムの短縮を実現するため、FUJIFILM Biotechnologiesの英国拠点と設備や品質管理システムを共通化する「kojoX(コ―ジョーエックス)」のアプローチを採用しています。

また、新工場は、隣接地に建設中でmRNA医薬品、およびワクチンを製造する工場とあわせて、経済産業省が推進する「ワクチン生産体制強化のためのバイオ医薬品製造拠点等整備事業」に採択されており、平時は顧客ニーズに応じたバイオ医薬品を製造し、有時はワクチン製造へ切り替え可能なデュアルユース体制を構築します。

竣工した富士フイルム富山化学 富山第二工場内の新工場(写真建物の左側)

当社グループは、培地や試薬、iPS細胞などを提供する創薬支援ソリューションと開発・製造受託(CDMO)のビジネスを展開しています。製薬企業、バイオベンチャー、アカデミアなど幅広い顧客を医薬品の開発初期段階から商業生産まで一貫して支援し、信頼されるパートナーとなることを目指します。

  • *1 開発製造受託。Contract Development & Manufacturing Organizationの略。生産プロセス開発や安定性試験、治験薬の開発・製造、市販薬の製造まで幅広いサービスを製薬企業などに提供する。
  • *2 財務省の貿易統計(輸出統計品目分類 第30.02項)によると、日本のバイオ医薬品の貿易収支は2024年に1.7兆円の赤字となっている。
  • *3 Antibody-drug conjugate の略。抗がん剤などの薬物と抗体を組み合わせたもの。がん細胞などの細胞表面に存在する抗原とADCの抗体が結合することで薬物を直接届けられるため、少ない副作用で高い治療効果を得られると期待されている。
  • *4 バイオ医薬品の製造工程で使用される単回使用の部材を指す。従来のステンレス製設備に比べ、洗浄や滅菌工程が不要で、製造の柔軟性や効率性を高めることから、近年のバイオ医薬品製造で普及している。
新工場の概要
場所

富士フイルム富山化学 富山第二工場(蓮町サイト)

建物名

704工場

建物概要

地上6階建て、高さ41.2m、延床面積 約16,000平方メートル

導入設備
  • 5,000リットル動物細胞培養タンク×2基
  • 2,000リットル動物細胞培養タンク×2基
  • その他、拡大培養・精製工程などの機器
稼働開始

2027年

(参考)富士フイルムグループのCDMO事業の概要

富士フイルムグループは、2011年以降、バイオCDMO事業に累計1兆円以上を投資し、抗体医薬品、細胞治療薬、遺伝子治療薬、ワクチンなど幅広いバイオ医薬品を対象に、プロセス開発から治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスをグローバルで提供しています。グループの中核企業であるFUJIFILM Biotechnologiesは、30年以上の実績と独自の高生産性技術を活用し、英国・米国・デンマークに拠点を展開。モジュール化された施設と標準化されたプロセスにより、迅速な技術移転と柔軟なサプライチェーン対応を実現しています。抗体医薬品の需要増に対応するため、米国ノースカロライナ新拠点やデンマーク拠点などの増強を進めており、2028年までに総生産能力75万リットル強を整備する計画です。

お問い合わせ
報道関係

富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ

その他

富士フイルム富山化学式会社

E-mail:fftc-info-toyama@fujifilm.com

  • * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。