富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤禎一)の子会社で、バイオ医薬品の開発・製造受託会社(CDMO*1)であるFUJIFILM Biotechnologies(フジフイルム バイオテクノロジーズ)は、英国拠点において総額約4億ポンドを投資し建設を進めていた抗体医薬品の原薬製造棟およびプロセス開発ラボの開所式を、現地時間2月11日に実施しました。今回、製造棟とプロセス開発ラボを増設することで、同拠点で生産プロセス開発から、治験薬製造、商業生産まで一貫して担い、顧客を包括的に支援できる体制を強化します。
今回の増設により、FUJIFILM Biotechnologies英国拠点は、英国最大のバイオ医薬品のCDMO拠点*2となります。
今回英国の既存拠点に増設した原薬製造棟は、2026年前半の稼働開始を予定しています。世界最大級のシングルユース*3仕様の5,000リットルや2,000リットルの動物細胞培養タンクを含む、総容量19,000リットルの設備を有しています。広いスペースを確保しているため、顧客の要望に応じてタンクを増設し、迅速かつ柔軟に生産能力を拡張できます。また、GMP*4基準に基づいた、原薬の培養から精製までの連続生産*5が可能な設計になっています。今回導入した当社独自開発の精製装置「SymphonX(シンフォンエックス)™」*6は、連続製造およびバッチ製造の双方に対応できる設計で、顧客ニーズに応じて柔軟に生産方法を切り替えての製造が可能です。
なお、本製造棟では、従来燃料としてガスを使用していた製造プロセスをすべて電化し、今後再生可能エネルギー電力を最大限に活用していきます。
あわせて増設した「Bioprocess Innovation Centre UK(バイオプロセス イノベーション センター ユーケー)(BIC UK)」は、様々な条件を設定した実験を迅速に検証できる設備を備え、迅速で効率的なプロセス開発を進めることが可能。連続生産にも対応した最先端のプロセス開発ラボです。GMPに基づく品質管理機能を強化し、当社のプロセス開発分野における技術や最先端の設備を集約したグローバルの中核拠点です。
また、今回の英国投資では、設備や品質管理システムを共通化する「kojoX(コ―ジョーエックス)™」アプローチを中小規模製造拠点で初めて採用。27年中の稼働を予定している富士フイルム富山化学のバイオ医薬品のCDMO工場(日本・富山)と同様の設備や品質管理システムを導入することにより、両拠点間での迅速な技術移管や建設のリードタイムの短縮を実現します。
富士フイルムは、英国拠点の設備増強を通じて、プロセス開発から治験薬製造・商業生産への移行を円滑かつ迅速に行える体制を整え、国際的なバイオ医薬品の需要増に応える安定供給に貢献します。

増設した原薬製造棟

オフィス棟(左)と増設したプロセス開発ラボ(右)
- *1 Contract Development & Manufacturing Organizationの略。生産プロセス開発や安定性試験、治験薬の開発・製造、市販薬の製造まで幅広いサービスを製薬企業などに提供する。
- *2 2026年2月12日現在、当社調べ。
- *3 当社調べ。バイオ医薬品の製造工程で使用される単回使用の部材を用いた培養タンクの種類。従来のステンレス製設備に比べ、洗浄や滅菌工程が不要で、製造の柔軟性や効率性を高めることから、近年のバイオ医薬品製造で普及している。
- *4 Good Manufacturing Practiceの略。医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理規則のこと。
- *5 バイオ医薬品の原薬の製造工程である、培養から精製までをシームレスに繋ぎ一貫生産を可能とする、当社が業界で初めて開発した生産方式。
- *6 さまざまな精製工程にマルチに対応可能なバッチ生産と連続生産、両方に対応するシングルユース型自動精製システム。
- 拠点名
FUJIFILM Biotechnologies UK Limited(英国ビリンガム市)
- 導入機器
原薬製造棟
- シングルユース5,000リットル動物細胞培養タンク3基
- シングルユース2,000リットル動物細胞培養タンク2基
総容量19,000リットル
- 当社独自開発の精製装置SymphonX
プロセス開発ラボ
細胞培養・精製のプロセス条件の実験・分析機器など- 稼働時期
2026年前半
- フロア面積
原薬製造棟(床面積)10,219平方メートル
プロセス開発ラボ(床面積)9,500平方メートル
FUJIFILM Biotechnologiesは、抗体医薬品や遺伝子組換えタンパク医薬品、遺伝子治療薬、細胞治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行っています。30年以上にわたる実績・経験を持ち、業界をリードする独自の高生産性技術を活用した細胞株開発からプロセス開発、治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスを提供しています。英国・米国・デンマークに拠点を有しkojoX™によるグローバルネットワークの構築を推進しています。モジュール化された施設と標準化されたプロセスは、技術移転を迅速化し、顧客のサプライチェーンにおける柔軟かつ機敏な対応を支えます。現在、抗体医薬品の旺盛な製造委託ニーズを受け、原薬製造設備の大幅増強を進めています。米国ノースカロライナ新拠点とデンマーク拠点それぞれにおける今後の増設を含めて、大型の2万リットルの動物細胞培養タンクが2028年までに36基となる予定です。これら拠点は米国・欧州それぞれにおいて最大級の規模を誇るCDMO拠点となります(2026年2月12日現在、当社調べ)。また、グループ会社の富士フイルム富山化学でも富山県に新たなバイオCDMO拠点を建設し、2027年に稼働させる計画です。
富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
富士フイルム株式会社
バイオCDMO事業部
- * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。













