富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤禎一)は、次世代バイオ医薬品の一つである抗体薬物複合体(Antibody-Drug Conjugate:ADC)の技術基盤を有するオーストリアのバイオテクノロジー企業VALANX Biotech GmbH(ヴァランクス バイオテック、以下VALANX社)に出資しました。本出資を通じて、当社が注力するADC領域の開発・製造受託(CDMO)事業の基盤強化を目指します。なお本出資は、ライフサイエンス領域のコーポレートベンチャーキャピタルを通じて実施するものです。
近年、抗体と抗がん剤などの薬物を結合したADCは、高い治療効果と副作用の軽減が期待される次世代バイオ医薬品として、世界的に研究開発が加速しています*1。一方で、抗体と薬物を結合する位置や結合数の均一性などは、治療効果や安全性を左右する重要な要素であり、その最適化のためには高度な技術が求められます。
VALANX社は、薬物が選択的に結合する反応ポイントとなるように独自開発した合成アミノ酸を、抗体上の狙った位置に高精度に導入できる「Golden Site 技術™」を保有しています。この技術は、ADCにおける薬物の結合位置や結合数を適切に設計し、ADCの均一性や安定性の向上につながる最先端の技術です。また、同社はこの技術を活用した独自の医薬品パイプラインの開発も進めています。
当社は、ADCを今後注力するモダリティの一つとして位置づけ、グループ各社の強みを生かして、抗体、リンカー/ペイロード、コンジュゲーション、製剤といった各工程を一貫して提供できる技術基盤の構築を進めています。富士フイルム富山化学は、国内で初めてとなるADCの一貫製造サービスを2027年から提供する予定であり、将来的にADC製造受託のグローバル展開における中核拠点としての役割を担っていきます。また、富士フイルム和光純薬では、高薬理活性物質を取り扱ってきたこれまでの実績をもとに、ADC製造において重要となるリンカー/ペイロードの製造体制構築を進めています。
今後も当社は自社での技術開発に加え、最先端技術を有する企業への戦略的な投資を通じて、ADCをはじめとする次世代バイオ医薬品分野など革新的な医薬品の創出と安定供給を支援し、バイオベンチャーや製薬企業などの多様なニーズにこたえることで医薬品産業の発展に貢献していきます。
- *1 ADC市場は、2023年から2032年にかけて年平均成長率(CAGR)約21%で成長し、市場規模は2023年の約110億米ドルから2032年には約600億米ドルへと、約5倍に拡大すると見込まれている(Evaluate Pharma社データをもとに当社推定)。
- 会社名
VALANX Biotech GmbH
- 代表者
Michael Lukesch
- 所在地
オーストリア ウィーン
- 設立
2017年3月
- 事業内容
遺伝子組み換え合成タンパク技術をもとにした創薬プラットフォームの開発
富士フイルムホールディングス株式会社
コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
富士フイルム株式会社
ライフサイエンス戦略本部
- * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。













