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ニュースリリース

2026年4月23日

先端半導体製造プロセスに用いられる環境配慮型の材料

世界初 フッ素フリー*1ネガ型ArF液浸レジスト新開発

AI半導体製造に使われる先端ノードに対応

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、先端半導体の製造プロセスに用いられる環境配慮型の材料として、フッ素を含む原材料を使用しないネガ型のArF液浸レジストを世界で初めて開発しました。今回開発したフッ素フリーのArF液浸レジストは、ネガ型のArF液浸露光*2向けのフォトレジスト*3で、需要が拡大しているAI半導体の製造に使われる先端ノードに対応しています。当社は現在、本フォトレジストの顧客へのサンプル提供を開始しており、今後、顧客先での評価を経て、早期の販売を目指します。

現在広く普及しているArF液浸露光向けのフォトレジストには、微細な回路パターンの描画に必要な酸を効率よく反応させたり、ウエハー上の水残り*4による欠陥を抑制するためにレジスト表面の撥水性を持たせる目的でPFAS*5が用いられています。これに対し、環境や生態系への影響懸念からPFASの使用規制の動きが進んでいます。

当社はこれまでも、人体や環境への悪影響のリスクが懸念される物質の自主的な削減と代替に取り組んでおり、安全性の高い高純度有機溶剤を用いたNTI現像液*6を世界で初めて開発しました。また、半導体製造技術「ナノインプリントリソグラフィ」に適合する半導体材料として、PFASを含まないナノインプリントレジストも24年4月に発売。昨年7月には、PFASフリーのネガ型ArF液浸レジストを開発しました。

近年は、PFASに限らず、自然環境で分解されにくいフッ素結合を持つ有機化合物全般について、フッ素を含む原材料を使用しない新規材料への関心が高まってきています。
また、半導体メーカーの製造工程では、フッ素を含む廃液とそれ以外の廃液を分けて管理する必要があります。フッ素を含む廃液は高温での処理が必要となり、その分エネルギー消費量が大きくなるため、フォトレジストの原材料にフッ素を含む化合物を使用しないことで、廃液管理の効率化や廃液処理で使用するエネルギーの低減が期待できます。

今回、当社は、このフッ素フリーの新規材料のニーズの高まりをとらえ、PFASに限らずフッ素を含む原材料を使用しないネガ型ArF液浸レジストを開発しました。本レジストは、当社が銀塩写真の研究開発で培った機能性分子の設計技術に加え、フォトレジストなどの半導体材料開発で培った分子設計技術や有機合成技術、処方技術、解析技術を活用し開発したものです。通常はフッ素を含む原材料を導入することが不可欠とされるフォトレジスト処方において、フッ素を含む原材料を導入することなく回路パターンの形成における優れた酸反応効率や、先端のArF液浸露光時の水残りを低減する高い撥水性を実現し、バラつきの少ない微細な回路パターンの形成を実現します。
今後も、レジストのフッ素フリー化の技術やノウハウを、EUV向けをはじめとしたほかの先端レジストにも適用することで、先端レジストのフッ素フリー化を進めていきます。

富士フイルムの半導体材料事業について

当社は、フォトレジストやフォトリソグラフィー周辺材料*7、CMPスラリー*8、ポストCMPクリーナー*9、薄膜形成材*10、ポリイミド*11をはじめとした感光性絶縁膜材料「ZEMATES(ゼマテス)™*12」、高純度プロセスケミカル*13など半導体製造の前工程から後工程までのプロセス材料や、イメージセンサー用カラーフィルター材料をはじめとした「Wave Control Mosaic(ウエイブ コントロール モザイク)*14」をグローバルに展開。最先端からレガシーノードまで半導体製造プロセスのほぼ全域に豊富な製品ラインアップを提供し、日米欧アジアに製造拠点を有するグローバルな安定供給体制や高い研究開発力を活かしたワンストップソリューションを提案することで、顧客の課題解決に取り組み、半導体産業の発展に貢献していきます。

  • *1 ペルフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物を含む、炭素―フッ素結合を持つ有機化合物全般を原材料として用いていないことを意味する。
  • *2 ArF(フッ化アルゴン)エキシマレーザー光(波長193nm)を用いる露光手法で、現在最も普及している先端リソグラフィー技術。
  • *3 半導体製造の工程で、光による化学反応を利用して回路パターンの描画を行う際にウエハー上に塗布する感光性材料。
  • *4 ウエハー上に水滴が残ること。レジスト膜への浸透やレジスト素材の溶出を誘発して欠陥の原因となりうる。
  • *5 PFASとは、ペルフルオロアルキル化合物、ポリフルオロアルキル化合物およびこれらの塩類の総称。具体的には、OECD(The Organization for Economic Co-operation and Development)が2021年に公表した”Reconciling Terminology of the Universe of Per- and Polyfluoroalkyl Substances: Recommendations and Practical Guidance”で示す化合物のことを指す。
  • *6 Negative Tone Imaging 現像液。露光後に感光しなかった部分を現像液で除去して回路を作るネガ型の現像工程で使用される。
  • *7 半導体製造のフォトリソグラフィー工程で使用する現像液やクリーナーなど。
  • *8 硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平坦化する研磨剤。CMPは、Chemical Mechanical Polishing(化学的機械研磨)の略。
  • *9 CMPスラリーによる研磨後に、金属表面を保護しながら、粒子、微量金属および有機残留物を洗浄するクリーナー。
  • *10 低誘電率の絶縁膜を形成するための材料。
  • *11 高い耐熱性や絶縁性を持つ材料。半導体の保護膜や再配線層の形成に使用される。
  • *12 ZEMATESは、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
  • *13 洗浄・乾燥工程に使われる高純度薬品。半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物を除去したり、エッチング工程にて金属や油脂などを取り除くために使用する化学薬品。
  • *14 広範囲な波長の電磁波(光)をコントロールする機能性材料群の総称。デジタルカメラやスマートフォンに用いられるCMOSセンサーなどのイメージセンサーのカラーフィルターを製造するための着色感光材料を含む。Wave Control Mosaicは、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
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