富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、半導体材料事業の中核会社である富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役社長:小林 茂樹、以下FFEM)の大分工場内に建設していたポストCMPクリーナー製造用の新棟が完成し、8月より稼働を開始したことをお知らせします。
ポストCMPクリーナーは、半導体の高性能化に欠かせない半導体表面を均一に平坦化する研磨工程で使用されます。本投資により、急速に需要が拡大しているAI半導体などの先端半導体向けポストCMPクリーナーの製造能力を大幅に増強。AIデータセンター向け半導体をはじめとする高度情報化社会を支える半導体の需要増に対応し、半導体材料事業の成長をさらに加速させます。
大分新棟外観
近年、AIや5G、IoTの普及に伴い半導体市場は急速に拡大しており、特にAI半導体などの先端半導体の需要が急増しています。富士フイルムの半導体材料事業は、2021年度から2025年度にかけて売上が年平均約20%で成長し、富士フイルムグループの成長を牽引する中核事業の一つとなっています。この成長を支えるため、2021年度から2024年度にかけて1,000億円以上の成長投資を実施。例えば、日本・米国と、台湾でCMPスラリー*2の生産能力を拡大し、CMPスラリーは半導体材料事業の主力製品の一つとして成長を牽引しています。日本・ベルギーではポリイミド*3の生産能力も増強し、ポリイミドをはじめとする先端パッケージ向け感光性絶縁膜材料「ZEMATES™*4」についても急成長しています。2025年度と2026年度でも継続的に日米欧アジア全域で成長投資を実施しており、今後も豊富なラインアップの製品を提供することで半導体市場の成長を支えていきます。
大分工場で製造するポストCMPクリーナーは、研磨工程でCMPスラリーによる研磨後に、金属表面を保護しながら粒子、微量金属および有機残留物を洗浄する材料です。半導体の高性能化に欠かせない研磨工程で使われるCMPスラリーだけでなく、その後の洗浄で使われるポストCMPクリーナーも需要が急増しており、当社はCMPスラリーと組み合わせて提案できる強みを生かし、先端半導体市場における需要の伸びが旺盛な欧米・アジアをはじめとするグローバルの顧客を中心に販売を拡大しています。
AI半導体の性能向上に必要な半導体の微細化と積層化の進展で、半導体製造の歩留まりを左右する重要な要素となる当社のポストCMPクリーナーは、2030年度に対2024年度比2倍以上の売上に成長すると見込んでいます。今回の新棟では極めて高い純度が求められる最先端半導体材料に対応した自動生産設備と品質評価機器を導入し、大分工場の製造能力を従来の3倍に拡大することで、さらなるビジネス拡大を図っていきます。
なお、新棟の屋根には太陽光発電パネルを設置しており、大分工場での使用電力の再生可能エネルギーへの切り替えを進め、工場から排出される温室効果ガスを削減します。
当社は、フォトレジスト*5やフォトリソグラフィー周辺材料*6、CMPスラリー、ポストCMPクリーナー、薄膜形成材*7、ポリイミドをはじめとした感光性絶縁膜材料「ZEMATES(ゼマテス)™」、高純度プロセスケミカル*8など半導体製造の前工程から後工程までのプロセス材料や、イメージセンサー用カラーフィルター材料をはじめとした「Wave Control Mosaic(ウエイブ コントロール モザイク)™*9」などをグローバルに展開しています。
当社は今後も、最先端からレガシーノードまで半導体製造プロセスのほぼ全域に豊富なラインアップの製品を提供し、日米欧アジアに製造拠点を有するグローバルな安定供給体制や高い研究開発力を生かしたワンストップソリューションを提案することで、顧客の課題解決に取り組み、半導体産業の発展に貢献していきます。
- *1 CMPスラリーによる研磨後に、金属表面を保護しながら、粒子、微量金属および有機残留物を洗浄するクリーナー。
- *2 硬さの異なる配線や絶縁膜が混在する半導体表面を均一に平坦化する研磨剤。CMPは、Chemical Mechanical Polishing(化学的機械研磨)の略。
- *3 高い耐熱性や絶縁性を持つ材料。半導体の保護膜や再配線層の形成に使用される。
- *4 ZEMATESは、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
- *5 半導体製造の工程で、光による化学反応を利用して回路パターンの描画を行う際にウエハー上に塗布する感光性材料。
- *6 半導体製造のフォトリソグラフィー工程で使用する現像液やクリーナーなど。
- *7 低誘電率の絶縁膜を形成するための材料。
- *8 洗浄・乾燥工程に使われる高純度薬品。半導体製造の洗浄・乾燥工程で異物を除去したり、エッチング工程にて金属や油脂などを取り除くために使用する化学薬品。
- *9 広範囲な波長の電磁波(光)をコントロールする機能性材料群の総称。デジタルカメラやスマートフォンに用いられるCMOS センサーなどのイメージセンサーのカラーフィルターを製造するための着色感光材料を含む。Wave Control Mosaicは、富士フイルム株式会社の登録商標または商標です。
- 場所
大分県大分市大字下郡字中新地3410-2(FFEM大分工場内)
- 延床面積
約3,600㎡
- 構造
鉄骨造
- 階数
地上4階
- 稼働開始時期
2026年8月
- 投資金額
約70億円(建屋、装置など)
- 用途
ポストCMPクリーナーの製造・品質検査、オフィス
富士フイルムホールディングス株式会社 コーポレートコミュニケーション部 広報グループ
富士フイルム株式会社 エレクトロニクスマテリアルズ事業部
- * 記事の内容は発表時のものです。最新情報と異なる場合(生産・販売の終了、仕様・価格の変更、組織・連絡先変更等)がありますのでご了承ください。













