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2026年9月30日

大阪大学産業科学研究所らとの共同研究成果が論文掲載

富士フイルムのAI創薬支援サービス「drug2drugs®」基盤技術AI-AAM®の有用性を実証

既知の活性化合物をもとに高い阻害活性を示す新規阻害剤を発見

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、大阪大学、岡山大学、近畿大学、微生物化学研究会、九州大学の研究グループとの共同研究において、当社独自のAI創薬支援サービス「drug2drugs®」の基盤技術であるAI-AAM®を活用することで、既知の活性化合物*1をもととした新たな活性化合物の探索・設計に有用であることを実証しました。本研究では、AI-AAM®により、病原細菌の病原性や薬剤耐性に関わるタンパク質を標的とした新規阻害剤を発見しました。なお、本研究成果は、抗菌薬研究分野の国際学術誌「The Journal of Antibiotics」に2026年9月30日(日本時間)に掲載されました。

AI-AAM®は、標的タンパク質を構成するアミノ酸と化合物の結合力を数値化し、タンパク質と化合物の結合力を予測する独自の「アミノ酸マッピング(Amino-Acid Mapping, AAM)記述子」と、安定した構造を持つ化合物を新たに設計する独自AI技術*2を組み合わせた富士フイルム独自の計算科学技術です。従来は必要だった標的タンパク質の詳細な構造解析を行わなくても、既知の活性化合物の構造式だけをもとに、新たな化合物を探索・設計できます。

近年、薬剤耐性菌の拡大が世界的な課題となる中、病原細菌の病原性や薬剤耐性の発現に関わる仕組みを標的とした、新たな作用機序の感染症治療薬の開発が期待されています。今回の共同研究では、AI-AAM®を活用し、病原性や薬剤耐性に関わる情報伝達の中心的な役割を担うヒスチジンキナーゼに対して阻害活性を有する天然有機化合物をもとに、約1,200万種類の化合物を含むバーチャルライブラリーから候補化合物を探索しました。その結果、複雑な骨格*3・細胞毒性を持つ天然有機化合物とは異なる骨格を有し、人工合成が容易な阻害剤候補として714種類の化合物を見出しました。さらに、その中から新規性の高い骨格を選出。それを合成展開*4した、わずか十数種の誘導体*5の中から、高活性なヒスチジンキナーゼ阻害剤を得ることに成功しました(図1)。このように、AI-AAM®を用いて大規模な化合物ライブラリーから合成展開の候補を効率的に絞り込むことで、その後の誘導体合成を限られた数に抑えながら、高活性化合物の取得を実現しました。
本研究成果は、標的タンパク質の詳細な立体構造情報が得られていない場合でも、既知の活性化合物を手掛かりに新たな候補化合物を探索・設計できることを実証し、AI-AAM®の創薬研究における有用性を示すものです。

図1 天然の活性化合物(左)と、AI-AAM®を活用して発見された新規阻害剤候補の化学構造(右)およびそれぞれの阻害活性の実験値IC50(μM)。天然の活性化合物は複雑な骨格を持つのに対し、新規阻害剤候補は人工合成が容易な骨格を持つ。

富士フイルムは、AI-AAM®を中核技術として活用し、既知の活性化合物をもとに新たに骨格変換された化合物の探索・設計を支援するAI創薬支援サービス「drug2drugs®」を提供しています。今後も、AI-AAM®をはじめとする独自技術を活用し、創薬研究の効率化と新たな医薬品の創出に貢献していきます。

  • *1 疾患の原因となるタンパク質(標的タンパク質)に結合し作用する化合物。
  • *2 化合物データベースに登録されている膨大な数の化合物構造から、安定な構造であるための要件を抽出し、得られた要件に従って全く新たな化合物を設計する独自AI技術。
  • *3 分子を形作る原子の繋がりの基本構造。
  • *4 ある化合物を基点にして、その多様な誘導体を設計し化学合成すること。
  • *5 特定の化合物の一部の構造を化学修飾した化合物。

研究の詳細については、以下をご覧ください。

論文情報
掲載誌

The Journal of Antibiotics(Springer Nature)

論文タイトル

“Amino acid mapping–guided scaffold selection and hit identification of histidine kinase inhibitors from a virtual library of over 12 million compounds”

公開日

2026年9月30日(日本時間9時00分)

お問い合わせ

富士フイルム株式会社 CRO事業推進室

Email:dge-CRO-inq@fujifilm.com

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