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富士フイルムの携帯型X線撮影装置とカセッテDRの組合せが結核検診用X線装置としてStop TB Partnership※1の推奨を取得

ニュースリリース

2021年9月27日

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、当社の携帯型X線撮影装置とデジタルX線画像診断装置(カセッテDR)の組み合わせ(以下、本携帯型X線撮影システム)が、結核検診のための胸部X線装置として、WHOとともに世界的な結核対策を行う「Stop TB Partnership※1」の「Global Drug Facility(以下GDF)※2」が発行する推奨医療機器リスト(DIAGNOSTICS CATALOG)に新たに選出されたことをお知らせいたします。GDFは、新興国を中心とした世界各国において品質が保証された抗結核薬および診断薬の持続可能な調達・供給システムを構築している組織です。今後当社はGDFを通して、本携帯型X線撮影システムを結核撲滅の活動に関わる政府系医療機関、NGO、NPOなどに提供していきます。

なお、本選出は国連プロジェクトサービス機関(UNOPS) ※3によって行われました。

結核は、全世界で毎年1000万人強が新規に感染し、2019年には約140万人が死亡している世界三大感染症※4の一つです。なかでも、アフリカや東南アジアなどの開発途上国が占める結核罹患者の割合は世界全体の約9割に達しており※5、その伝播力と医療コストの大きさによって開発途上国の社会、経済活動に深刻な影響を与えています。結核に感染したと考えられる実際の感染者数と報告される人数には乖離があり、年間約300万人の結核感染者が見つけられていないと言われており、結核のスクリーニング検査を広く実施することが重要とされています。

本携帯型X線撮影システムは、2019年8月に横浜で開催された「第7回アフリカ開発会議(TICAD7)」の併催イベント「日本・アフリカビジネスフォーラム」で各国首脳・保健省大臣により、新興国での結核検診用X線装置として注目されました。その後、Stop TB partnershipのTB Reachプログラム※6等を通して、パキスタン、ザンビア、ベトナム、アゼルバイジャンなどで本携帯型X線撮影システムを活用した結核検診の実証実験が行われました。本実証実験では、当社の携帯型X線撮影システムの軽量かつバッテリー内蔵で電源が不要な携帯性や、高い操作性を生かし、電力インフラの整備されていない地域などでの結核検診が行われました。その結果、本携帯型X線撮影システムによる結核検診の有効性が認められ、このたびStop TB Partnershipより新たな結核検診手段として推奨されました。

なお、本実証実験において富士フイルムは、本携帯型X線撮影システムの貸与および技術者の派遣に協力しました。また、本実験では1日に数百件の撮影を行うことから、X線撮影装置のバッテリー容量拡充の要望を受け、装置を迅速に改良し、携帯型の外付け電源やソーラー電源を用いての撮影を可能としました。

WHOは、2021年3月24日の世界結核デーに合わせて発表した新ガイドラインにおいて、従来の喀痰検査に加えて新たに胸部X線撮影による結核のスクリーニング検査を推奨し、同年8月にはIAEA※7と連名でX線撮影の推奨仕様を発表しました。本携帯型X線撮影システムはその仕様を満たしています。さらに、WHOは専門医が少なく人的リソースが足りない国では胸部X線画像にAI技術を用いてその場で結核感染疑い者を見つけることを推奨しています。本携帯型X線撮影システムには当社が開発した小型GPUオプション※8を繋ぐことができます。これにより、AI技術※9を活用して胸部X線画像から結核の主な所見である浸潤影や結節の検出を支援するアプリケーションに動作環境を提供でき、撮影したその場で解析結果を確認することが可能です。

本携帯型X線撮影システムは、コロナ禍において、肺炎診断のための胸部X線撮影装置としても活用されており、政府開発援助(ODA)の「新型コロナウイルス感染症対策途上国支援」の一環としてカンボジアへ、また、「草の根・人間の安全保障無償資金協力」を通してベトナムなどにも寄付されました。

さらに、検診インフラの整備されていない地域での結核検診を加速させるため、現在豊田通商株式会社と共同で、トヨタ自動車の四輪駆動車「ランドクルーザー」に当社の携帯型X線撮影システムを載せ、道路の整備されていない移動困難な地域でもX線撮影による結核検査が行えるソリューション開発を進めています。

携帯型X線撮影装置について

在宅医療や院内回診撮影等に用いられる軽量・小型な携帯型の当社X線撮影装置は、総重量約3.5kgと可搬性/操作性に優れ、様々な医療現場のスペースが限られた場所での簡便なX線撮影と画像確認をサポートします※10。当社のカセッテDRを組み合わせることで、低線量でも高画質な画像を得ることができ、患者の被ばく量低減にも貢献しています。

富士フイルムは、今後も医療現場のニーズに応える様々な製品・サービスの提供を通じて、世界の医療の発展と、人々の健康の維持増進に貢献していきます。

  • ※1 2001年にスイス・ジュネーブで世界保健機関(WHO)の傘下に設立された、様々なパートナーと連携して結核対策を行う連携機関、マルチセクター・パートナーシップ(連合体)。
  • ※2 Stop TB Partnershipの調達部門。
  • ※3 プロジェクト実施に特化した国際機関であり、他の国際機関、国際金融機関および各国政府等からの依頼に基づき、援助事業の実施を担っている。
  • ※4 結核、エイズ、マラリア。
  • ※5 世界保健機関(WHO)「GLOBAL TUBERCLUOSIS REPORT 2020」から引用
    https://apps.who.int/iris/bitstream/handle/10665/336069/9789240013131-eng.pdf
  • ※6 結核関連のサービスが行き届かない国や地域の人々を対象に、検診や治療などのサービスを届ける事を目的とした活動。
  • ※7 International Atomic Energy Agency(国際原子力機関)の略。
  • ※8 ソフトウェアなどのインストール環境を提供する、カセッテDRのオプション製品。
  • ※9 AI技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いた。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。
  • ※10 X線画像の撮影時には、保持装置等が必要です。
携帯型X線撮影装置
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カセッテDR
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富士フイルム株式会社
メディカルシステム事業部

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