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富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は外科手術時にX線動画(以下、X線透視)と静止画の撮影が1台で対応可能な軽量X線透視診断装置「FUJIFILM DR CALNEO CROSS(カルネオ クロス)(以下、CALNEO CROSS)」を富士フイルムメディカル株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:川原 芳博)を通じて本日より発売します。
高齢化の進行により、骨粗しょう症による骨折や椎間板ヘルニアなどの運動器疾患を抱える患者が増加するなか、整形外科手術では出血量を抑えるため患部を大きく切開せず、患者への負担が少ない低侵襲治療を選択する傾向にあります。椎間板ヘルニアの手術などの一般的な整形外科手術は、術中に外科用Cアーム型X線透視診断装置(以下、外科用Cアーム)を用いて患部の状態をX線透視し、得られた動画を確認しながら行われます。また、手術後には、手術の仕上がりやガーゼなど体内の残存物の有無を確認するためにX線回診車※1を用いたX線静止画撮影が術場で行われます。そのため、手術室内に外科用CアームとX線回診車をそれぞれ配置する必要があり、また術後にX線静止画撮影のために装置を入れ替える必要がありました。
今回発売する「CALNEO CROSS」は、1台でX線透視とX線静止画の撮影が可能です。検出部には当社のカセッテサイズデジタルX線画像診断装置(以下、カセッテDR)「FUJIFILM DR CALNEO Flow(カルネオ フロー)※2を採用することで、高画質・低線量を実現しました。X線透視を必要とする手術の後に、同じ装置でX線静止画の撮影が可能なため、装置を入れ替える必要がありません。そのため、ワークフローの大幅な効率化が見込めるとともに、手術室内に複数の装置を配置する必要がなく、手術室のスペースを広く使えます。
また、一般的に外科用CアームはカセッテDRをセットするパネルホルダーがアーム部に固定されているため、カセッテDRのサイズ選択ができません。一方「CALNEO CROSS」は、パネルホルダーを取り外すことができ、ユーザーが3種類のサイズのカセッテDR(10x12、14x17、17x17インチ)から手術の目的に応じて適切なサイズを選択し、簡単にセットして撮影することができます。
![[画像]](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2021-10/a96928c5265ed2607708ed784c5e6444/news_7018_01.jpg)
軽量X線透視診断装置
「FUJIFILM DR CALNEO CROSS」
さらに、本体を当社従来品より、約30%軽量化し※3、コンパクトなシステムを実現。さまざまな機器を配置して手狭になりがちな手術室内でもワーキングスペースを確保できます。また、「CALNEO CROSS」本体に急速充電リチウムイオンバッテリーを内蔵。術者が透視画像を確認するための拡張モニター(モニターカート)※4への画像転送や、足で透視撮影のコントロールが可能なフットスイッチ※4の操作を無線で行える、ケーブルレス化を実現しました。スペースの限られる手術室内で、装置設置の自由度や操作性が向上し、術者の安全・快適な手術環境の確保に貢献します。
操作パネルやハンドスイッチなど、高頻度で人の手が触れる部分には、富士フイルムの抗菌コート技術「Hydro Ag(ハイドロエージー)」※5のコーティングを施しています。操作パネルは凹凸が少なく汚れをふき取りやすいデザインで、表面に付着した汚れを落としやすく清潔で衛生的に使用できます。
富士フイルムは、今後も医療現場のニーズに応える幅広い製品・サービスの提供を通じて、検査の効率化と医療の質の向上に貢献していきます。
- ※1 移動型デジタルX線撮影装置
- ※2 販売名:デジタルラジオグラフィ DR-ID 1800、認証番号:302ABBZX00021000号
- ※3 本製品CALNEO CROSS 重量 約249kgに対し、当社従来品X線透視診断装置CoreVision SD重量 約347kg。
- ※4 モニターカート、フットスイッチはオプション品。
- ※5 2014年7月に当社が開発した抗菌コート技術。従来の銀系抗菌剤を使った抗菌コートに比べて約100倍の抗菌性能を実現。
記
1. 品名
FUJIFILM DR CALNEO CROSS
- 販売名
- X線透視診断装置CALNEO CROSS/認証番号:第303ABBZX00031000号
2. 発売日
2021年10月11日
3. 主な特長
(1)1台の装置でX線透視とX線静止画撮影が可能
「CALNEO CROSS」は外科用Cアームの機能を備えながら、X線静止画撮影にも対応。管球ヘッドは角度の調節が可能なため、十分なSID※6を確保でき、パネルホルダーに取り付けたカセッテDRは自由に取り外すことができるため、X線回診車のようにX線静止画撮影を行うことができます。術後にX線静止画撮影のために装置を入れ替える必要がないため、ワークフローの大幅な効率化が見込めます。
- ※6 Source to image receptor distanceの略。X線管とX線検出部との距離。
透視モード
![[画像]](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2021-10/8a75a4faa043bad18fb9dd54eda32cb6/news_7018_02.jpg)
術中は外科用Cアームとして使用。最大17×17インチの視野サイズを実現します。
静止画モード
![[画像]](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2021-10/3090b75bc841a658d2990e203ca5a77b/news_7018_03.jpg)
術前・術後はパネルホルダーからカセッテDRを取り出して、一般的な回診車での撮影同様に、カセッテDRを患者に密着させてX線静止画を撮影できます。
(2)1台の装置で3種類のサイズのカセッテDRが選択・交換可能
X線検出部のパネルホルダーは取り外し可能で、3種類のサイズのカセッテDR※7を使用できます。手術・手技に合わせてカセッテDRのサイズ(10x12、14x17、17x17インチ)を選択でき、さまざまな撮影シーンに対応します。また、カセッテDRは一般X線撮影装置やX線回診車などの他の当社システムでも利用できます。
- ※7 FUJIFILM DR CALNEO Flow(販売名:デジタルラジオグラフィ DR-ID 1800、認証番号:302ABBZX00021000号)のみ使用可能。またX線透視モードはCALNEO Flow Cシリーズ(DR-ID 1811SE、1812SE、1814SE)のみの対応で、必ず同カセッテDRが1枚以上必要。
(3)スペースをとらない軽量・コンパクト設計、ケーブルレス
外科用CアームとX線回診車の両方の機能を備えながら、本体は当社従来品より約30%軽量化しコンパクトなシステムを実現。混み合った手術環境でのワーキングスペースの創出に貢献します。Cアームの開口部は83cmを確保し、術野スペースの広さと撮影のしやすさにも配慮しています。フル充電で8時間の連続使用※8が可能な急速充電リチウムイオンバッテリーを内蔵。ケーブルレスも実現しており、オプション品のモニターカートは無線HDMI、フットスイッチはBluetoothで接続可能です。
- ※8 使用条件によって異なる。
![[画像]高さ:1485mm、幅1647mm(最小値)、奥行き:783mm、開口部:837mm](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2021-10/c7651a74d47d728aa38e83b37847fa03/news_7018_04.jpg)
![[画像]モニターカート](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2021-10/6574c545563d39c7c96a45af8daeaca0/news_7018_05.jpg)
モニターカート(19インチ2面)
![[画像]フットスイッチ](https://asset.fujifilm.com/www/jp/files/2021-10/c814cc3b245f001070c8e3146ed7dedd/news_7018_06.jpg)
フットスイッチ
(4)清掃性の高いデザインと抗菌仕様
操作パネルとX線照射ハンドスイッチは、富士フイルムの抗菌コート技術「Hydro Ag」により、銀系抗菌剤を含有した超親水性膜でコーティング。操作パネルは凹凸が少なく汚れを拭き取りやすいデザインで、表面に付着した汚れを落としやすく、清潔で衛生的に使用できます。
ニュース用画像データ

ZIP: 4.3MB
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