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米国バイオベンチャーAtara社の細胞治療薬製造拠点を買収

最先端治療分野である細胞治療薬の開発・製造受託ビジネスに本格参入

ニュースリリース

2022年1月27日

このニュースリリースは、報道機関向けに発信している情報です。

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一)は、米国バイオベンチャーAtara Biotherapeutics(アタラ バイオセラピューティクス), Inc.(米国カリフォルニア州、以下Atara社)の細胞治療薬製造拠点※1を買収します。これにより、遺伝子改変細胞治療薬※2をはじめとする細胞治療薬の受託ビジネスに本格参入し、バイオ医薬品の開発・製造受託事業をさらに拡大していきます。
当社は、1月26日(米国太平洋標準時)、Atara社と、カリフォルニア州・サウザンドオークスにある、同社の細胞治療薬製造拠点を約100百万米ドルで買収する契約を締結しました。今後、本拠点を当社グループ会社でバイオ医薬品CDMO※3であるFUJIFILM Diosynth Biotechnologies(フジフイルム ダイオシンス バイオテクノロジーズ、以下FDB)の新たな拠点としてスタートさせ、細胞治療薬の開発・製造受託ビジネスを推進していきます。なお、買収完了時期は、2022年4月※4を予定しています。

現在、最先端の治療分野では、外部から正常な遺伝子を導入することで疾患を治療する遺伝子治療薬に加え、細胞そのものを投与して疾患を治療する細胞治療薬が注目されています。なかでも、CAR-T細胞治療薬※5など、遺伝子改変細胞を用いた治療薬の研究開発が活発に進んでいます。
Atara社は、米国製薬大手Amgen(アムジェン), Inc.から2012年に独立したバイオベンチャーで、T細胞を用いた細胞治療薬※6の開発に取り組んでいます。また、治験薬製造から商業生産まで対応できる最新鋭のGMP※7設備と高度な人材を保有。すでに、遺伝子改変細胞治療薬も含めた細胞治療薬の生産ノウハウと実績を蓄積しています。

当社は、2020年にハーバード大学・MIT等との産学共同コンソーシアム「Landmark Bio」※8に参画。すでに、遺伝子改変細胞治療薬などの最先端治療薬の研究支援を開始しています。今回、細胞治療薬の製造インフラ・人材・実績などを有するAtara社製造拠点を買収し、細胞治療薬の受託ビジネスに本格参入します。

今回の買収により実現する主なポイント

1.細胞治療薬分野における一貫した受託サービスを提供

細胞治療薬分野において、プロセス開発から治験薬製造・商業生産まで一貫した受託サービスの提供が可能。Atara社パイプラインはもちろん、研究開発が加速している遺伝子改変細胞治療薬などの開発・製造を幅広い顧客から受託することで、迅速な事業拡大を図ります。

2.幅広い細胞ニーズに対応した細胞治療薬の受託が可能

当社子会社のFUJIFILM Cellular Dynamics(フジフイルム セルラー ダイナミクス)では、iPS細胞由来の細胞治療薬の受託ビジネスをすでに展開。今後は、iPS細胞以外の細胞、自家・他家細胞など、顧客の幅広い細胞ニーズに対応した細胞治療薬の受託が可能です。

3.最先端治療薬の受託体制をさらに強化

2014年に米国テキサス拠点で遺伝子治療薬CDMO事業を開始し、その後、米国ボストン・英国拠点でも同事業を展開。今回の買収拠点を通じて、大手製薬会社・バイオベンチャー集積地である米国西海岸地域にて細胞治療薬CDMO事業も本格的にスタートさせ、最先端治療薬の受託体制をさらに強化します。

当社は、抗体医薬品やタンパク製剤、ワクチン、遺伝子治療薬に加え、細胞治療薬も対象にした幅広いバイオ医薬品の生産プロセスの開発受託、少量生産から大量生産、原薬から製剤・包装までの製造受託に対応できる強みを生かして、顧客の多様なニーズに応えていきます。
今後、事業成長を加速させるとともに、高品質なバイオ医薬品の安定供給を通じて顧客をサポートし、アンメットメディカルニーズへの対応など社会課題の解決、ヘルスケア産業のさらなる発展に貢献していきます。

  • ※1 現拠点名はAtara T-cell Operations and Manufacturing(ATOM)。
  • ※2 体外に取り出した細胞に治療用遺伝子を導入し作製した細胞を用いる細胞治療薬。
  • ※3 Contract Development & Manufacturing Organizationの略。生産プロセス開発や安定性試験、治験薬の開発・製造、市販薬の製造まで幅広いサービスを製薬企業などに提供する。
  • ※4 買収完了のためには、競争法上要求される手続きの完了を含む一定の条件を満たす必要がある。
  • ※5 免疫細胞の一種であるT細胞にCAR遺伝子を導入した細胞治療薬。
  • ※6 移植後リンパ増殖性疾患を対象とする他家T細胞治療薬「tab-cel®」(米国臨床第三相試験終了)や、多発性硬化症を対象とする他家T細胞治療薬「ATA188」(米国臨床第二相試験実施中)、固形がんを対象とするCAR-T細胞治療薬(非臨床段階)など。
  • ※7 Good Manufacturing Practiceの略。医薬品および医薬部外品の製造管理および品質管理規則のこと。
  • ※8 当社、ハーバード大学、マサチューセッツ工科大学、バイオプロセス材料・機器の製造・販売を担う米サイティバ社、不動産開発を行っている米アレクサンドリア社により、2019年に設立されたコンソーシアム。

今回買収する細胞治療薬製造拠点の概要

1. 所在地

米国カリフォルニア州・サウザンドオークス

2. 竣工年

2019年

3. 生産品目

移植後リンパ増殖性疾患を対象とする他家T細胞治療薬「tab-cel®」や、多発性硬化症を対象とする他家T細胞治療薬「ATA188」、固形がんを対象とするCAR-T細胞治療薬などのパイプライン

4. 敷地面積

約8,400m2

(参考)FUJIFILM Diosynth Biotechnologies概要

FUJIFILM Diosynth Biotechnologies(FDB)は、英国・米国・デンマークに拠点を有し、抗体医薬品やホルモン製剤、遺伝子治療薬、ワクチンなどあらゆる種類のバイオ医薬品の開発・製造受託を行っています。30年以上にわたる実績・経験を持ち、業界をリードする独自の高生産性技術「pAVEway™」「Apollo™X」を活用した細胞株開発からプロセス開発、治験薬製造、商業生産まで包括的な受託サービスを提供しています。
FDBは、英国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies UK Limited(FDBK)、米国のFUJIFILM Diosynth Biotechnologies U.S.A., Inc.(FDBU)とFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texas, LLC(FDBT)*、デンマークのFUJIFILM Diosynth Biotechnologies Denmark ApSで構成されており、FDBKとFDBUは三菱商事株式会社より20%の出資を受けています。

  • * FDBTはFDBUの100%子会社。

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