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日本
ニュースリリース

2022年12月26日

脱炭素社会に向けた取り組み

二酸化炭素を主原料に有機物を産生する水素酸化細菌の量産化技術開発に関する共同研究契約を締結

-アミノ酸産生を対象とした研究を推進-

富士フイルム株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長・CEO:後藤 禎一、以下 富士フイルム)と株式会社CO2資源化研究所(本社:東京都江東区、代表取締役・CEO/CSO:湯川 英明、以下 UCDI社)は、12月23日、二酸化炭素を主原料に有機物を産生する水素酸化細菌の量産化技術開発に関する共同研究契約を締結しました。本研究は、UCDI社独自の水素酸化細菌「UCDI®水素菌」を大量培養し、アミノ酸の一種であるアラニンを効率的に産生する量産化技術を両社で開発するものです。今後、富士フイルムとUCDI社は、早期に本技術の確立を図り、社会実装を目指します。

水素酸化細菌は、二酸化炭素を栄養源として取り込み、速いスピードで増殖しながら有機物を産生する微生物です。有機物の生産プロセスにおいて二酸化炭素を吸収することで、二酸化炭素の排出量よりも吸収量が多いカーボンネガティブが可能となることから、国際社会の喫緊の課題である脱炭素社会の実現に向けた有用な手段の一つとして期待されています。しかし、水素酸化細菌の実用化には、安定的な大量培養や有機物の高効率な産生を可能とする量産化技術の確立が求められます。
UCDI社の「UCDI®水素菌」は、分裂倍加時間※1が約1時間の高い増殖性※2を有した水素酸化細菌で、同社の遺伝子改変技術により、アミノ酸やアルコールなど目的とする有機物を産生することができます。現在、UCDI社は、「UCDI®水素菌」を用いて二酸化炭素からさまざまな有機物を産生できる特許を数多く保有しています。

富士フイルムは、これまで写真フィルムなどで培い進化させてきた生産技術を、微生物培養や細胞培養を伴うバイオ医薬品製造に応用し、生産効率を大幅に向上。さらに、生産技術とバイオテクノロジーの融合により、細胞培養から精製までバイオ医薬品原薬の一貫生産を可能とする次世代連続生産システムを開発するなど、バイオ医薬品の高品質・高効率生産を実現する技術の開発と実用化を積極的に推進しています。
今回、富士フイルムとUCDI社は、両社の技術を用いて、「UCDI®水素菌」の量産化技術開発に関する共同研究を開始します。具体的には、食品や飼料、化粧品のほか、細胞培養に必要な培地など幅広い製品に利用され、今後も需要拡大が見込まれているアラニンを産生する「UCDI®水素菌」が研究対象です。富士フイルムの生産技術・バイオテクノロジーとUCDI社の水素酸化細菌の作製技術を組み合わせて、「UCDI®水素菌」の安定的な大量培養を実現し、アミノ酸の一種であるアラニンを効率的に産生させる量産化技術を開発していきます。

  • ※1 1個の微生物が2個に分裂する時間。
  • ※2 分裂倍加時間1時間の増殖性とは、計算上、1gの水素酸化細菌が24時間後には16tになることを示しています。また水素酸化細菌は多くの動物性蛋白質を含んでいます。粗蛋白質含有率(蛋白質のほか、アミノ酸・アミン・アンモニアなどに含有される窒素を含んだ粗蛋白質の含有率)は、魚粉や一般的な微生物では50-60%であるのに対して、「UCDI®水素菌」では83.8%と、極めて高い数値を誇ります。

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