商品・カートリッジの資源循環の取り組み
当社の資源循環の取り組みの歴史
富士フイルムビジネスイノベーションは、1995年に全社リサイクル方針を定め、お客様使用済み機器の回収、リユース・リサイクルを行ってきました。1998年には業界で初めて回収した自社商品を原材料にした再生プラスチック(ABS樹脂)の活用を開始しました。2008年には中国の蘇州にリユース・リサイクル拠点を設立し、活動を拡げています。
また、マネージド・プリント・サービス(MPS)の提供により、お客様の出力環境における資源使用量削減に貢献しています。
資源循環システムの取り組み全体像
全社リサイクル方針
「限りなく『廃棄ゼロ』を目指し、資源の再活用を推進する」
リデュースの取り組み
2. 輸送用包材の小型軽量化
輸送時に、機器本体への衝撃をの抑えるためにPADを使用していました。2021年度より、PADを削除し、箱と他の包材で衝撃を吸収する構成への変更に取り組んでいます。
3. トナーカートリッジの緩衝材削減
シミュレーション技術を活用し、トナーカートリッジの緩衝材削減に取り組んでいます。
リユースの取り組み
富士フイルムビジネスイノベーションは、1995年12月に業界で初めてリユース部品を使用した商品を市場導入しました。生産工程では厳しい基準を設け、部品リユースのための技術開発を行い、部品の1点1点に対して品質を保証しています。
1. 品質保証の考え方
部品リユースの前提として「リユース部品を使用して組み立てた商品」 と、「新品部品のみで構成している商品」の「性能」、「信頼性」と「機械寿命」が同等品質であることを厳格に定め、お客様に安心してご使用いただいています
2. クローズド・ループ・システム
1995年に構築した商品企画/開発/製造段階から廃棄に至る商品のライフサイクル全体を視野にいれた循環型生産システムです。限りなく「廃棄ゼロ」を目指し、回収した使用済み商品から取り出した部品を再生技術によりリユース活用し、資源として循環させています。
リユース・リサイクル設計
複合機・プリンターの使用期間は3~5年であり、その間に機種の世代交代が予想されます。回収された使用済み商品から取り出した部品を効果的にリユースするため、後継機の部品として再使用できるように設計の共通化を行い、リユース・リサイクルを前提とした指針のもと設計しています。
設計指針
長寿命設計:再使用できるように部品を長寿命化する
分離設計:短寿命部品のみを分離して、再使用可能な部品は再使用する
強度設計:使用・回収・再生作業時における部品の損傷を最小にする
分解設計:解体・材料分別のために分解しやすい設計にする
再使用可能な材料の使用:材料リサイクルができるように再材料化が可能な材料を選択する
設計の共通化:他機種/後継機で再使用できるように共通化する
部品の選別
部品の選別では、お客様が使用された機器に蓄積された使用履歴情報と、膨大な過去データを蓄積した部品寿命DBとを照合し、部品単位でリユース可否を判断を行っています。
また、リユース可能な部品は、金属やプラスチックなどを独自技術で洗浄しリユースしています。
3. トナーカートリッジのリユース促進
リサイクルの取り組み
1. リユースできない部品類のリサイクル
リユースできない商品・部品・カートリッジは、最新のリサイクル技術を持つリサイクル会社とのパートナーシップにより、環境負荷や安全性に配慮した処理を行い、再生資源または代替燃料として再資源化されます。
2. リサイクルパートナーとのネットワーク(日本)
お客様使用済みの機器は、全国のリサイクルパートナー(14拠点)でリサイクルしています。
各地域のリサイクルパートナーとの協業により、最新のリサイクル技術を活用するだけではなく、運搬距離を減らすことで、CO2排出量の削減にも貢献しています。
お客様の資源使用量削減への貢献
資源循環の取り組みを支える環境技術
1. 使用履歴情報を活用した部品リユース技術
当社は、出力機器本体に記録された使用履歴情報情報を膨大な市場保守情報をベースとしたワイブル分析(信頼性)結果と照合し、再生可否を判断しています。
詳細かつ緻密な可否判断を行い、再生量の拡大に貢献しています。
2. 再生プラスチック技術
富士フイルムビジネスイノベーションは、1998年に業界で初めて、回収した自社商品を原材料に、リサイクルした再生プラスチックの活用を開始しました。
使用済み商品の外装カバーや用紙トレイのABS樹脂製の部品を分別・破砕・洗浄し、これらを原料として新造ABS樹脂と同等のリサイクルプラスチックとして自社商品に導入しています。この再生プラスチックは、新造ABS樹脂と同等の品質を保証し、米国の安全試験機関であるUL(Underwriter‘s Laboratories)認証を取得しています。
3. 難燃性バイオベースプラスチック技術
石油由来のプラスチック利用の削減に向けて、植物由来のバイオベースプラスチックの研究開発を進めています。
従来の木質系バイオベースプラスチックは、高い難燃性と寸法の安定性を実現させることは困難でした。
セルロースとの親和性が高い難燃剤を徹底的にスクリーニングし、独自のセルロース/ABSアロイ技術により、均一で等方的な分散させることでこの課題を解決し、商品の内装材として使用しています。
4. 独自の洗浄技術
回収した使用済み商品から取り出した部品をリユースする際に、自社工場で内製した油脂系汚れに対する洗浄力が高い還元水を用いて部品を洗浄しています。
5. 包材設計シュミレーション技術
当社はシミュレーション技術を活用し、試作機の完成前から物流試験に必要な包装品質をつくりこむなど、包装設計技術の開発を進めてきました。最近は包装使用量の削減に取り組み、資源循環の促進にも貢献しています。
自社活動における資源循環の取り組み
1. スマート工場での不良品削減による廃棄物削減
生産工程で商品毎に収集するデータは、通常は市場での不良発生後や出荷時に確認されます。富士フイルムビジネスイノベーションでは、事前にねらい値や技能など良品を作る条件をデータとして設定し、同条件以外でラインを動かなくすることで、不良品の発生を減らし、廃棄物の発生を抑える取り組みを進めています。
2. オフィスでの廃棄物削減活動
当社は、事業活動で使用する資源の有効活用を進めるため、生産事業所と同様にオフィス(非生産事業所)でも適切な廃棄物の管理を行っています。国内オフィス系事業所では、マニフェスト(産業廃棄物管理票)を電子化し、産業廃棄物の遵法管理レベルの向上を進めています。海外オフィス系事業所では、各国の法令やインフラに応じた廃棄物の管理が行われていることを確認しており、今後もコンプライアンス遵守を前提とした管理を継続していきます。
3. 海老名事業場食堂での生ごみ堆肥化
海老名事業場では、年間約20tの生ゴミが発生していました。2022年8月より全量を堆肥リサイクル活用に転換しました。