紙を扱うような感覚で文書業務ができること。それが、DocuWorksが一貫して大切にしてきた考え方です。Ver.10では、そのコンセプトを改めて見つめ直し、これからの働き方に合う形へと整えました。長年使われてきた使い心地を守りながら、何をどう変えるのか。その判断の積み重ねが、今回のアップデートの軸になっています。
1998年以来のロングセラー商品であるDocuWorksは、お客様の日々の業務に深く入り込んでいるツールです。見た目や操作を大きく変えれば、新しさを演出することはできますが、一方でこれまでの慣れた作業を滞らせてしまう可能性もあります。そこで拠り所にしたのが、問い合わせやサポート対応を通じて蓄積されてきたVOC(お客様の声)でした。お客様はDocuWorksのどこを評価してくださっているのか、どの操作で迷い、何に不便を感じているのか。声を拾い、整理しながら、「なぜ変えるのか」「なぜここは変えないのか」を一つずつ言語化していきました。刷新ありきではなく、理由を積み上げて判断していく。その姿勢が、Ver.10全体の方向性を形づくっています。
Ver.10で重視したのは、日々の業務の中にある小さなつまずきを、機能単体ではなく操作の流れとして整え、「お客様にとって最適な文書業務環境を提供する」ことでした。例えば、業務で使うツールセット「お仕事バー」を取引先ごとにタブで分けて作業する中で、複数のタブから目的のツールセットを見つけにくかったり、今どのツールを使っているかがわかりにくくなったりしているという課題がありました。そこで、色やアイコンを“目印”として設定でき、タブの高さなどをユーザー自身で柔軟にカスタマイズできる仕組みを今回新たに採り入れました。これにより、目的のツールにたどり着く負荷を軽くして、作業をよりスムーズに進められるようにしています。さらに、日々繰り返される定型作業や文書の受け渡しにも着目し、効率化を図りました。文書の受信状況が一目で分かる「トレイ」、クラウドサービスからのファイルを迷わず取り出せる導線など、初心者からエキスパートまで幅広い方々が便利に扱えるよう、使い勝手に工夫を凝らしています。
そして、文書を「ハンドリングする」場面で、より根本的な課題にアプローチしました。PDFやWord、図面など形式の異なる文書をまとめて見たい、比較したい。そうしたニーズに応えるために「束ね」機能を進化させました。従来は束ねられる文書のファイル形式が限定されていましたが、Ver.10では、ファイル形式を意識せず、ドラッグ&ドロップで文書を重ねるだけで束ねられるよう設計を拡張しました。文書を並べ、まとめ、行き来する。紙で行っていた作業の流れを、デジタルでも滞りなく続けられるようにする。長年、多数のお客様に支持をいただいているコア機能を、さらに磨き上げています。
Ver.10のビジュアルは、親しみやすくモダンなトーンへ更新しています。ただし、刷新の度合いには慎重でした。アイコンのモチーフや配置を大きく変えてしまえば、長年使ってきたユーザーほど戸惑ってしまう。だからこそ、使い続ける中で自然と従来の操作感に馴染めることを前提に、基本的な操作や構造は維持しています。一方で、画面全体の情報量については見直しを行いました。余白や区切り、文字の詰め方を調整し、必要以上に目に入ってくる要素を減らしています。デザインを主張するのではなく、文書に集中できる状態をつくるための調整です。この過程で、見た目だけでなく、実際の使われ方や実装の条件も踏まえながら、開発と細かなすり合わせを重ねてきました。採用したいデザイン表現が技術的な制約に阻まれる場面もありましたが、その都度「長く使い続けられるか」「後から破綻しないか」を基準に議論を重ね、品質として成立する形に落とし込んでいます。
DocuWorksは、デジタルでありながら、紙を扱うような分かりやすさと操作感が、多くのお客様から支持されてきました。一方で、ユーザーが増えるほど要望は細分化し、最適解は見えにくくなります。だからこそ今後も、誰に向けて何を良くするのかを見極めながら、ユーザーの声と向き合い続けていく。長く使われてきた理由を守りながら、時代に合わせて整えていく——。DocuWorksは、これからもお客様のドキュメント業務をよりシンプル&快適に。デジタルと紙のメリットを高次元で融合させながら、進化を積み重ねていきます。









