- 顧客情報や単価情報、日報などの営業情報は各担当者が管理し、業務が属人化していた
- 多くの業務が紙やExcelベースで、関係者が内容確認する際や担当変更時の引継ぎが非効率的だった
- 生産計画や製造・在庫管理などのデータ連携が取れていなかった
- 営業関連の情報がkintone上で広く共有され、一人あたり1日2時間程度の業務効率化につながった
- 共有した情報を基に、社内コミュニケーションも円滑になった
- 生産計画データと製造日報の連携など、製造プロセスに関する一連の情報を1つのアプリで管理できるようになり、製造・検査・出荷・在庫データ集計時のずれがなくなった
- コストを抑えつつ、自社の業務に即した使い方ができる自由度の高さ
- 便利なプラグインやネットで入手できる関連情報が豊富にあり、自走で活用範囲を広げられる
- これまでの導入実績からの知見・ノウハウを踏まえた提案を行う富士フイルムBIジャパンへの信頼感
プラスチックの専門家集団として、1964年創業時の祖業であるプラスチックリサイクル事業、着色樹脂・コンパウンド樹脂(機能性複合樹脂)製品をユーザーニーズに合わせて生産するコンパウンド事業、そして市場のニーズに合わせた樹脂原料などを販売する商社事業の3つの事業を展開しています。自動車産業などでリサイクル原料の使用が求められるトレンドの中、リサイクル原料とコンパウンドの掛け合わせによりリサイクル比率の向上に貢献していきたいと考えています。
当社では、営業に関する記録や社内的な書類、工場における製造や在庫管理など、多くの業務が紙やExcelをベースに行われていました。例えば、製品の単価は営業担当者が顧客と交渉して決定していますが、顧客ごとの単価表や商談内容などの管理は各担当に任され、属人化していたため、受発注担当者など他の社員が確認するのに手間取ったり、営業担当が変更になった際の引き継ぎがスムーズにできなかったりする問題が生じていました。また、生産計画から製造・検査・出荷・在庫管理といった製品に関する一連のデータも担当部署ごとに管理していたため、データの連携が取れず、集計でずれが発生することもありました。そうした業務の効率化が求められていた上に、コロナ禍によりテレワークが増えるといった状況もあって、DXによる全社的な業務改善が急務となっていたのです。
全社的なDXに向けては、以前からお付き合いのあった富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(以下「富士フイルムBIジャパン」という)に協力をお願いし、過去に導入済みの「DocuWorks」*を使った拠点間の情報共有の仕組み構築や、RPAを使用した納品書の自動作成システムの導入などを行いました。
その過程で、特に緊急度の高い取り組み課題として浮上してきたのが、営業情報の一元管理でした。顧客情報の管理が属人化していたことに加え、コロナ禍でテレワークが普及したことでマネジメントとのコミュニケーション機会が減少しており、効率的な情報共有の仕組みづくりが必要だったのです。
そこで、富士フイルムBIジャパンの担当者から提案されたのが「kintone」でした。このシステムは、他のSFA(営業支援システム)と比べて、コストを抑えつつ自社の業務に即した使い方ができる自由度の高さがあり、便利なプラグインも豊富にそろっています。さらに、サイボウズ社のイベントやネット検索でさまざまな使い方の情報を簡単に入手できるため、自走による活用の拡大が見込めることにも魅力を感じました。特に、Excelライクな操作性で入力を支援してくれるプラグインは、これがなければ活用が進まなかったかもしれないと思うくらいありがたいものでした。富士フイルムBIジャパンは顧客にkintoneを導入した実績が多く、豊富な知見・ノウハウに基づいて信頼感・安心感のある提案をしてくれたことも導入の決め手となりました。
- * DocuWorks:情報の収集、文書の閲覧・編集、チームでの情報共有など、さまざまなドキュメント業務をスムーズにサポートするソフトウェア
導入後、最初に行ったのは、各営業担当者が管理していた顧客ごとの単価表をkintoneへ登録することです。続いて、商談履歴やクレーム履歴など、あらゆる情報を全社で共有できる資産へと変えていきました。当初は仕事のやり方を変えることに抵抗感を持つ担当者もいましたが、営業部長(現社長)が自ら操作マニュアルを作って配布、さらには全国の営業と根気強く面談を重ねて定着させていきました。やがて、以前は見積時にいちいち自分で確認しなければならなかった顧客ごとの単価がkintone上のデータから見積書に自動で入力されたり、テレワーク時や外出先でも顧客管理ポータルにアクセスしてさまざまな情報を確認できるといった便利さを各営業が実感することで、活用が浸透していきました。また、プラスチック業界は原材料の価格改定が毎月のようにありますが、かつては紙で配布していたそれらの情報をkintone上に掲載することで検索できるようになり、格段に便利になったのも大きな変化です。
このように、営業部門への導入が順調に進んだため、その他部門の推進担当者へも教育を行い、全社的な展開を実施しました。1年後には、工場で生産計画のデータと製造日報を連携させて、一連の製造プロセスを管理できるアプリを作成。また、受発注などを担う業務部門では、入出庫データと実際の在庫量との不一致を検出するアプリを作成するなど、社内での自走化が進んでいます。入出庫データと実際の在庫量の比較は、以前は目視でチェックしていたために1日に数十分要していましたが、今ではアプリで異常値がすぐに検出できるようになり、ものの数分で完了するようになりました。
その他にも、申請書類や稟議書などのワークフローをはじめ各部門での活用例は多々あります。現在までに作られたアプリは300にものぼっており、少し整理をしなければならないと思っているほどです。
このようなkintoneの活用拡大によりペーパーレス化が進み、オフィスの棚にずらっと並んでいた紙資料を綴じたファイルは、今ではほとんどなくなりました。あくまで体感ですが、kintoneによる効率化で社員一人あたり1日2時間程度の業務時間削減につながっています。それを他の業務に充てたり、残業せずに定時で帰ることで、全社で月に2,400時間、年間なら28,000時間が削減できている計算になります。実際、ここ数年で営業担当者の人数が減っているのに売上実績は落ちていないことからしても、業務効率が向上しているのは間違いありません。

kintoneは、もともとITスキルが高くなくても、「こういうことをやりたい」という意欲さえあれば、それをかなりのレベルで実現できるツールです。紙ベースの仕事をデジタル化したいが、汎用パッケージのカスタマイズはコストやスキルの面でハードルが高いと感じている方に、業種・業務を問わずおすすめできると思います。
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン 田端 いずみ
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン 横塚 晃明
株式会社タカロク 代表取締役社長 村田 敏 様
株式会社タカロク 生産本部 北関東工場 開発課 課長 和田 拓也 様
株式会社タカロク 営業本部 受注センター 林 裕仁 様
今後はAIを使ってkintone上のデータをいかに有効活用していくかを検討したいと考えています。製品の製造レシピの作成や、リサイクル原料の品質ムラを抑える配合の算出など、AIには大きな可能性を感じています。また、これまで当社で培ってきたkintone活用の知見を、同じ業界の取引先にも積極的にご紹介していきたいと考えています。
富士フイルムBIジャパンは、お付き合いも長く当社の状況をよく分かってもらえています。これからも、AI活用など「攻め」のDXはもちろんのこと、取引先からの信頼の基盤となるセキュリティやガバナンスの強化といった「守り」のDXについても、強力なサポートをお願いします。
- 業種
製造業
- 事業内容
熱可塑性樹脂原料販売、熱可塑性樹脂の着色・コンパウンド、プラスチックのリサイクル事業、プラスチック関連機器・システムの販売
- 従業員
85人 (契約社員・パート含む)
- 本社所在地
〒105-0004 東京都港区新橋2-12-17 新橋I-Nビル3階
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* 掲載内容は2026年1月時点の情報です













