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ホーム ソリューション 中堅・中小企業のDX推進コラム AIコラム:【2025年最新】AIの導入に活用できる補助金5選!

「数百万円に及ぶ初期費用が重い」
「補助金制度が多すぎて自社に合うものがわからない」
「申請書の作成が難しく採択されるか不安」

AIを導入したいと思っていても、上記のような課題を感じる方もいるかと思います。

本記事では、2025年最新のAI導入に活用できる補助金制度と申請手順をまとめました。さらに、補助金を活用するメリット・デメリットも紹介しています。

【2025年最新】AI導入時に活用できる補助金一覧

IT導入補助金

IT導入補助金の概要や補助率、申請方法などを解説します。

概要

IT導入補助金とは、中小企業や小規模事業者が業務効率化や生産性向上のためにITツールを導入する際、その費用の一部を国が補助する制度です。

労働生産性の向上やインボイス制度への対応を促進する目的で設けられており、AI機能を備えたソフトウェアやクラウドサービスなども対象に含まれます。

申請枠は、通常枠・インボイス枠・セキュリティー対策推進枠・複数社連携IT導入枠の4種類があり、自社の課題や導入目的に応じて選択できます。

申請枠
申請枠主な対象特徴
通常枠・在庫管理システム
・決済システム
事業のデジタル化を目的としたソフトウェアやシステムの導入を支援
インボイス枠・会計ソフト
・受発注ソフト、システム
・PCやタブレット
・レジ等のハードウェア機器
インボイス制度対応を目的とした、システムやハードウェアの補助対象
セキュリティー対策推進枠・ネットワーク監視システム情報漏えいや不正アクセス対策を重点支援
複数社連携IT導入枠・データ分析システム複数の事業者が連携して、IT導入を行う場合に活用可能

インボイス枠は、さらに「インボイス対応類型」と「電子取引類型」の2つにわかれています。インボイス対応類型は、会計ソフトやレジ・券売機などインボイス制度に直接対応するITツールの導入を対象としています。

電子取引類型は、電子帳簿保存法や電子取引データ管理に対応するツールの導入を支援する仕組みです。

補助率

IT導入補助金の補助上限額と補助率は、以下のとおりです。

申請枠補助上限額補助率
通常枠最大450万円1/2以内
インボイス対応類型(インボイス枠)最大350万円〜50万円以下:3/4(* 小規模事業者:4/5)
50〜350万円以下:2/3
ハードウェア購入費:1/2
電子取引類型(インボイス枠)最大350万円中小企業:2/3
大企業:1/2
セキュリティー対策推進枠最大150万円中小企業:1/2
小規模事業者:2/3
複数社連携IT導入枠最大3,000万円1/2以内

補助金額だけでなく、どの枠を選ぶかによって実質負担が変わるため、事前のシミュレーションが欠かせません。

活用例

IT導入補助金は、AIチャットボットやCRMシステム、会計ソフトなど業務効率化につながる幅広いツールの導入に活用されています。

たとえば、とある不動産会社では情報が属人化し、基幹システムの見直しが必要となっていたため、会計ソフトを導入しました。その結果、クラウド連携による情報の一元化と業務効率化を実現し、社員が本来の価値を発揮できる環境づくりにつながっています。

登録済みのITツールにはAI機能を搭載したものも多く、顧客対応や業務管理の自動化など、さまざまな分野での活用が可能です。

申請方法

申請は、GビズIDプライムアカウントを取得したうえで、登録済みのIT導入支援事業者と共同で行う必要があります。

申請手順は、以下のとおりです。

  • GビズIDプライムの取得
  • 支援事業者・ITツールの選定
  • 交付申請
  • 交付決定

GビズIDプライムの取得には約2週間かかるため、早めに準備を進めておくことが重要です。その後、公式サイトに登録されている支援事業者を選び、自社の課題や目的に合ったITツールを相談しながら決定します。

交付申請では導入計画や見積り書の提出が必要で、不備があると審査に通らない可能性があります。補助金の対象になるのは、交付決定後に導入を開始したものに限られる点にも注意が必要です。

ものづくり補助金

ものづくり補助金の概要や補助率、申請方法などを解説します。

概要

ものづくり補助金は、中小企業が革新的な製品やサービス開発、生産プロセス改善に取り組む際の費用を支援する制度です。日本の製造業の競争力強化と生産性向上を目的としており、画期的な技術開発や設備投資を後押しします。

申請枠は「製品・サービス高付加価値化枠」と「グローバル枠」の2種類があり、それぞれの違いは以下のとおりです。

枠の種類概要
製品・サービス高付加価値化枠自社の製品やサービスの付加価値を高めるための技術開発や、設備投資を支援
グローバル枠海外市場への展開や輸出拡大など、国際的な事業展開を目指す企業向けの支援

2種類の枠から、自社のプロジェクトに応じて選択できます。

また、補助金を使って導入した設備やシステムによって収益が発生した場合、その利益の一部を国に納付する「収益納付制度」が廃止されました。制度の廃止によって、より利用しやすい仕組みに改善されています。

補助率

ものづくり補助金の補助上限額と補助率は、以下のとおりです。

補助区分従業員規模:補助上限額補助率
製品・サービス高付加価値化枠5人以下:750万円
6〜20人:1,000万円
21〜50人:1,500万円
51人以上:2,500万円
小規模:2/3
中小企業:1/2
グローバル枠従業員規模ごとの区切りなし:3,000万円小規模:2/3
中小企業:1/2

* 賃上げ特例によりさらに最大1,000万円上乗せ

人材投資や給与引き上げを積極的に行う企業を、優遇する設計になっているのが特徴です。

活用例

ものづくり補助金によるAI導入は、農業・インフラ・素材メーカーなど多様な分野で活用実績があります。

農業分野では、自動選別や品質管理へのAI活用が進み、作業効率化に貢献。また、インフラ関連企業や素材メーカーでもAI活用が進められており、ものづくり補助金を通じて実装が後押しされています。

申請方法

ものづくり補助金の申請方法は、以下のとおりです。

  • GビズIDプライムを取得
  • 事業計画書を作成
  • 必要書類を準備
  • 電子申請システム「jGrants」で申請
  • 審査・採択
  • 採択後に交付申請を行い、事業を実施
  • 実績報告を提出し、補助金が支払われる

申請にはGビズIDプライムの取得が必要で、取得までに2週間程度かかるため早めの準備が欠かせません。

続いて、事業の目的や収益見込みをまとめた事業計画書を作成します。申請は電子申請システム「jGrants」を通じて行われ、採択後に交付申請を経て事業実施に進む流れです。

補助金額が高額なため、審査は技術的実現可能性や事業化の妥当性、政策との整合性まで厳しく確認されます。

中小企業新事業進出補助金

新事業進出補助金の概要や補助率、申請方法などを解説します。

概要

中小企業新事業進出補助金は、新市場や高付加価値事業への参入を後押しする制度です。中小企業の生産性向上や賃上げにつなげることを目的としています。

対象となるのは「新製品・新サービスを新たな顧客に提供する取り組み」で、従来の事業拡大だけでは認められません。補助下限額は750万円以上と大規模プロジェクトを想定した制度設計で、一定の事業実績を持つ企業が戦略的に活用できる仕組みになっています。

補助率
補助上限額補助率
2,500万〜7,000万円(大幅賃上げ特例で最大9,000万円)一律1/2

* 補助下限750万円

補助率は一律1/2に設定されており、シンプルでわかりやすいのが特徴です。さらに賃上げを実施することで補助上限額が引き上げられる特例があり、要件を満たすと最大9,000万円まで拡大されます。

積極的な人材投資や、給与改善に取り組む企業を評価する制度設計になっています。

活用例

新事業進出補助金は、2025年4月から始まった制度なのでまだ活用例や導入事例は確認できません。

最新情報は、公式サイトをご確認ください。

申請方法

新事業進出補助金の申請方法は、以下のとおりです。

  • GビズIDプライムの取得
  • 一般事業主行動計画の策定・公表
  • 公募要領の確認と事前準備
  • 事業計画書・必要書類の作成
  • 電子申請システム(jGrants)で申請
  • 審査・採択
  • 交付申請
  • 補助事業の実施
  • 実績報告の提出
  • 補助金の受領

申請の前提条件として、自社の事業が「新事業進出」の定義に該当する必要があります。必ず最新の公募要領を確認し、自社の事業が条件を満たしているかチェックしてみてください。

また、申請には 一般事業主行動計画の策定・公表が必要です。これは、働き方改革や次世代育成支援対策に関する取り組みを定める法的要件であり、補助金申請の必須条件になります。

事業計画書の作成や必要書類の準備は時間がかかるため、支援事業者や専門家の協力を得ながら進めるとスムースです。採択後は交付申請を行い、事業を実施し、実績報告を経て補助金が支払われます。

中小企業省力化投資補助金

中小企業省力化投資補助金の概要や補助率、申請方法などを解説します。

概要

中小企業省力化投資補助金は、人手不足解消を目的にIoT・AI・ロボットなどの省力化技術導入を支援する制度です。

日本全体で深刻化する労働力不足に対応するために設計されており、業務効率化や省人化に直結する設備投資を後押しします。

申請はカタログ型と一般型の2種類があり、以下のような違いがあります。

項目カタログ型一般型
対象事前に登録された製品(カタログから選択)オーダーメイドのシステム構築も可能
手続き採択=交付決定、申請が簡易事業計画書など、詳細な審査が必要
導入スピード早い(即時着手しやすい)時間がかかる(審査・準備に数か月)
補助上限額最大1,500万円最大1億円
補助率

【カタログ型】

従業員規模補助上限額(通常)補助率
5人以下200万円1/2以下
6〜20人500万円
21人以上1,000万円

* 賃上げ要件を満たすと、上限額が1.5倍に拡大

【一般型】

従業員規模補助上限額(通常)補助率
5人以下750万円<中小企業>1,500万円まで:1/2(2/3)/超:1/3
<小規模・再生事業者>1,500万円まで:2/3(2/3)/超:1/3
6〜20人1,500万円
21〜50人3,000万円
51〜100人5,000万円
101人以上8,000万円

* 賃上げ要件を満たすと、上限額が約1.3倍に拡大

中小企業が取り組みやすい投資規模を重視しつつ、大規模プロジェクトにも対応できる制度設計となっています。

活用例

中小企業省力化投資補助金は、清掃ロボットや大型調理器、無人搬送車(AGV)の導入など、現場の省人化に直結する導入事例で活用されています。

タブレット型の給油システムを導入した企業では、スタッフは現場を移動しながら給油許可を出せるようになり、事務所常駐が不要になっています。結果として、空いた時間をレンタカー清掃などの新しい業務に充て、売上拡大にもつながりました。

申請方法

中小企業省力化投資補助金の申請方法は、以下のとおりです。

  • GビズIDプライム取得
  • 公募要領の確認・補助事業計画の作成
  • 電子申請(jGrants)
  • 審査・採択
  • 交付決定
  • 補助事業を実施
  • 実績報告
  • 補助金受領

申請にあたっては、「労働生産性年平均+4.0%以上」「給与支給総額年平均+2.0%以上」「事業場内最低賃金+30円以上」といった数値要件を満たす必要があります。

さらに、省力化効果を定量的に示すことが重要で、現状の作業人数や工数、導入後の改善見込みを具体的に数値化して記載する必要があります。

AIの導入に補助金を活用するメリット

初期投資の負担が軽減する

AI導入でハードルとなるのが、数百万円〜数千万円に及ぶ初期費用です。補助金を活用すれば、費用の一部を国や自治体が負担してくれるため、実質的な導入コストを抑えられます。補助金は返済不要の資金支援である点もメリットです。

たとえば、IT導入補助金では最大450万円(補助率1/2〜4/5)、ものづくり補助金では最大3,000万円(補助率1/2〜2/3)の補助を受けられます。1,200万円のAI導入プロジェクトであれば、ものづくり補助金を活用することで実質負担を600万円に抑えられ、投資リスクを軽減可能です。

中小企業省力化投資補助金では最大1億円の支援枠があるため、大規模な自動化プロジェクトにも対応できます。

資金調達の選択肢が広がる

AI導入には数百万円から数千万円の初期投資が必要になることもあり、自己資金や金融機関からの融資だけでは負担が大きくなりやすいです。そこに、補助金という選択肢が加わることで、資金調達の幅が広がります。

補助金は返済不要の支援金であるため、企業が負担する実質コストを直接的に削減できるのが特徴です。1,000万円規模のAI導入であっても、補助金を活用すれば実際の自己負担は半分以下に抑えられるケースもあります。

補助金を活用することで、自己資金や融資に過度に依存せず、より柔軟な資金計画を組み立てられるようになります。

AIの導入に補助金を活用するデメリット

申請手続きに時間と労力がかかる

補助金の申請は想像以上に複雑で、準備から採択まで半年以上かかるケースも少なくありません。

公的資金を扱う性質上、審査は厳格で、まずはGビズIDプライムの取得(2〜3週間)から始まります。その後、事業計画書の作成、証憑書類の整備など、多くの手順を踏む必要がある点がデメリットです。

また、申請にあたっては複数の条件を満たさなければならない場合が多く、内容の精度が採択率につながります。

申請負担を軽減するには、商工会・商工会議所や認定支援機関など専門家のサポートを受けながら進めることをおすすめします。

制度対象から外れる可能性がある

補助金制度にはそれぞれ厳格な対象要件が定められており、企業規模・業種・導入目的によっては対象外となる場合があります。

たとえば、IT導入補助金は事前登録されたツールのみが対象で、完全オーダーメイドのAI開発には使えません。小規模事業者持続化補助金は従業員数が制限され、ものづくり補助金は革新性のあるプロジェクトでなければ採択されません。

そのため、補助金が使えないケースも想定しておく必要があります。ただし、融資や税制優遇といった他の資金調達手段も存在するため、補助金だけに依存せず幅広い選択肢を検討することが重要です。

まとめ