API(Application Programming Interface)連携とは、異なるシステムやアプリケーション同士を連携させる仕組みのことです。API連携によってツール間のデータ共有や機能拡張が実現し、結果として利便性やセキュリティー対策の強化につながります。
API連携は、比較的少ない開発工数で機能を拡張できる手段です。具体的には、在庫管理システムと販売管理システムの連携、ECサイトの利用時など、多くのシーンで活用されています。
API連携とは
API(Application Programming Interface)連携とは、異なるシステムやアプリケーション同士を連携させる仕組みのことです。API連携によってツール間のデータ共有や機能拡張が実現し、結果として利便性やセキュリティー対策の強化につながります。
API連携は、比較的少ない開発工数で機能を拡張できる手段です。具体的には、在庫管理システムと販売管理システムの連携、ECサイトの利用時など、多くのシーンで活用されています。
API連携の仕組み
API連携は、アプリケーションやシステムがAPIの提供ベンダーにリクエスト(要求)を送り、ベンダーはリクエストの内容に応じた処理結果をレスポンス(返答)する仕組みです。API連携が行われる際の流れは以下のとおりです。
- ユーザーがデータ処理に関するリクエストを送る
- APIの提供ベンダーがリクエストに対応する
- ベンダーが処理結果をユーザーにレスポンスする
リクエストとレスポンスのやりとりは、事前に決められた通信プロトコルにもとづき、実施されます。リクエストには認証情報や指定のデータ形式などが含まれており、処理結果に反映されます。
ただし、APIからはレスポンスが返されますが、リクエストの内容やAPIの仕様によっては、期待どおりの結果が返らない場合もあります。また、第三者からの不正アクセスを防ぐため、API連携の際は「APIキー」を利用し、データへのアクセス権を制限するケースが一般的です。
APIの種類
APIは大きく以下4種類に分けられます。
- Web API
- ネイティブAPI
- ランタイムAPI
- データベースAPI
個々の特徴や活用シーンなどを紹介します。
Web APIとはWebブラウザとWebサーバー間で、データをやり取りする際に利用されるタイプのAPIです。インターネット上でデータ処理を行う際は、HTTP/HTTPSプロトコルを利用して通信を暗号化するため、第三者はやりとりの内容を簡単に識別できません。
また、Web APIはユーザーのWebブラウザからリクエストを送り、サーバーがリクエストに応答するといったシンプルな仕組みです。仕組みがわかりやすく、多くのシーンで活用されていることから、API連携で一般的に連想されるタイプといえます。
Web APIはデータの形式やWebアプリケーションの設計に応じて、「REST API」や「SOAP API」に分けられます。
REST API(Representational State Transfer)とは、HTTPプロトコルを利用してデータを操作するタイプのAPIです。以下4つの方法でデータや機能を操作するため、データ通信の仕組みがシンプルでわかりやすく、多くのサービスで導入されています。
- GET(取得)
- POST(作成)
- PUT(更新)
- DELETE(削除)
また、REST APIはステートレスな設計にもとづいており、高速で安定した通信が可能な点が特徴です。たとえば、ユーザーの使用するパソコンに新たなWebアプリケーションを導入しても、サーバーの処理能力に影響を与えにくくなります。
SOAP API(Simple Object Access Protocol)は、マークアップ言語の一種であるXMLを用いてデータをやり取りするタイプのAPIです。プロトコルの仕組みが厳格で仕様が厳格に定義されており、セキュリティー要件を満たしやすい点が特徴です。
また、異なるプロトコルや言語、プラットフォーム同士でもスムーズに通信できるよう設計されており、互換性にも優れています。
ネイティブAPIとはWindowsやAndroid、iOSなど、特定のOSにあらかじめ組み込まれているタイプのAPIです。カメラやGPS、ファイル操作など、OS固有の機能を直接利用できる点が特徴で、モバイルアプリやデスクトップアプリの開発で多く使用されます。
OSの機能に直接アクセスして処理を行うため、動作が高速でパフォーマンスに優れています。一方で、特定のOSやハードウェアへの依存度が高く、別のプラットフォームへ移行する場合はコードの書き換えが必要になる点がデメリットです。
ランタイムAPIとライブラリAPIは、システムやアプリ開発などで必要となる機能を提供するAPIです。
ランタイムAPIとは、プログラムを実行するためのランタイム環境(実行環境)が提供するAPIです。メモリ管理やスレッド処理、入出力処理など、プログラムの実行に必要な基本機能を利用できます。
開発者はランタイムAPIを利用することで、OSの違いを意識せずにアプリケーションを動作させることが可能です。
一方、ライブラリAPIは、ライブラリに搭載された機能やコードを活用する際に役立つAPIです。画像処理やデータ分析、統計処理など、さまざまな機能を利用できます。ライブラリAPIには再利用可能なコードも搭載しており、開発工数を削減できる点がメリットです。
データベースAPIとは、アプリケーションから外部のデータベースへアクセスする際に利用するAPIです。データベースAPIを利用すると、データの取得・保存・更新・削除などの操作をプログラムから実行できます。
Webアプリケーションや業務システムでは、ユーザー情報や注文情報などをデータベースに保存する必要があるため、データベースAPIは多くのシステムで使用されています。
APIを通してデータベースを操作することで、アプリケーションとデータ管理を分離でき、安全かつ効率的にデータを扱える点が特徴です。
APIの提供方式
APIの提供方式は以下の5つです。
提供方式の種類 | 概要 |
パブリックAPI(オープンAPI) | 誰でも利用できる |
ビジネスAPI | ユーザーが課金して利用する |
メンバーAPI | 特定のユーザーやコミュニティだけで利用できる |
パートナーAPI | 取引先や提携企業の従業員が利用できる |
プライベートAPI(クローズドAPI) | 特定のチームや社内だけで利用できる |
APIの提供方式は用途や目的に応じて、使い分けるのが一般的です。たとえば、新製品開発に必要なデータを集める場合はプライベートAPIを使用し、ユーザー数を制限して機密情報が流出するリスクを抑えます。
一方、提携先や取引先と共同で作業を進める場合は、パートナーAPIを利用し、スムーズな情報共有やコミュニケーションにつなげます。
API連携を利用するメリット
API連携を利用するメリットは以下の5つです。
- 専門知識なしで機能を拡張できる
- 開発コストを削減できる
- 顧客体験の質が高まる
- セキュリティーレベルが高まる
- リアルタイムでデータを共有できる
メリットの内容を見ていきます。
API連携を利用すれば、高度なセキュリティー機能やデータ処理を自社で一から開発することなく、自社サービスの機能を拡張できる点がメリットです。たとえば、パブリックAPIは一般ユーザーを含め、誰でも利用できるように提供されており、操作時に特別なスキルは必要ありません。
たとえば、Googleアカウントを利用したログイン機能は、パブリックAPIを活用した連携の一例です。Googleアカウントをもっていれば、Googleドキュメントやスプレッドシート、Google Meetなど、さまざまなサービスの利用が可能です。
API連携で外部システムやクラウドサービスなどと連携すれば、手間をかけずに自社サービスの機能を拡張でき、使い勝手や顧客体験の質が高まります。
ネイティブAPIやライブラリAPIなどとの連携で、システムやアプリ開発にかかるコストを削減できます。たとえば、ネイティブAPIであればカメラやGPS、プッシュ通知など、OS固有の機能を利用できます。
一方、ライブラリAPIを利用した場合は、グラフィック処理や構文解析など、ライブラリごとの搭載機能を利用できるため、担当者は一から機能開発を行う必要はありません。
また、ランタイムAPIを活用すると、プログラムの実行に必要な基本機能を利用できるため、開発を効率よく進められます。APIの利用には費用が発生するケースも多いものの、機能性やカスタマイズ性に優れている分、開発側にとってはコストメリットが大きいといえます。
API連携でツール間のデータ共有がスムーズになると、顧客体験の質が高まります。SNSアカウントでのログインや決済情報の自動入力などによって、ユーザーにとって快適かつ利用しやすいサービスを提供できるためです。
良質な顧客体験の提供で顧客ロイヤリティが高まると、リピート率や顧客単価がアップし、安定した収益確保につなげられます。
API連携の活用でGoogleやXなど、外部のベンダーが開発したセキュリティーレベルに優れたユーザー認証を自社のサービスでも利用できます。安全性に優れたユーザー認証を自社で開発するには、多額の開発費と専門知識をもつ人材を確保しなければなりません。
API連携を利用すれば、多要素認証や通信の暗号化などを搭載した認証システムを利用でき、最小限の手間でセキュリティー対策の強化を図れます。
ECサイトと在庫管理システム、POSレジと販売管理システムなど、API連携で異なるツール間でのスムーズなデータ共有が可能です。リアルタイムでのデータ共有によって、業務効率改善やコスト削減、提案力向上など、さまざまなメリットが得られます。
たとえば、ECサイトと在庫管理システムを連携した場合、商品ごとに最新の在庫数を把握できます。リアルタイムのデータにもとづく発注によって、在庫過多や欠品のリスクを削減可能です。
また、POSレジと販売管理システムを連携した場合は、実店舗での購入実績や購入商品、来店頻度など、顧客情報を可視化できます。顧客一人ひとりの購買傾向をもとに、実店舗やECサイトでおすすめ商品を提案できるため、購入率やリピート率が高まります。
API連携を行う際の注意点
API連携に向けての準備を進める前に、以下3点を把握しておくことが必要です。
- トラブル発生時の素早い対応が難しい
- APIを提供するベンダーへの依存度が高まる
- 利用制限が設けられている
利用するサービスによっては突然利用停止となる可能性もあるため、導入実績やリピート率などを見ながら、ベンダーを選ぶ必要があります。
APIの応答速度低下やエラー表示が発生した場合、不具合への素早い対応が困難です。仮に連携先のシステムやデータベース、APIサービスなどに問題が生じた場合、自社では不具合の調査や復旧作業ができないためです。
また、APIの仕組みと連携先のシステム、どちらに不具合が生じているのか、原因の特定が遅れるほど復旧までの期間が長引きます。
APIの不具合が原因で通常業務へ支障が出ないよう、代わりのAPIサービスや連携するITツールを探しておき、バックアップ体制を整えておくことが必要です。
APIを利用する際はベンダーへの依存度が高まるため、APIの仕様変更や機能追加が起きるたびに、自社のシステムやWebサイトを改修しなければなりません。改修の頻度が増えるほど、費用やシステム管理者の負担が増大します。
仕様変更やメンテナンスを事前に通知してくれるベンダーを選ぶと、事前に準備を進めやすくなり、改修コストを抑えられます。
また、自社で利用しているAPIが突然利用できなくなるケースも考えられます。ベンダーの経営状況や事業方針によっては、APIのサービス停止が突然決まることも珍しくありません。
長く利用できる確率を高めるため、APIを選定する際は利用実績の多さも確認することが重要です。
APIの無料プランには利用制限が設けられているケースが多く、リクエスト数が上限を超えると、利用制限や追加料金が発生する仕組みです。事業方針の変更や企業規模拡大によっては、有料プランへの転換が必要になります。
有料プランを利用する可能性がある場合は、月額料金や初期費用が予算内かどうか、APIの選定時に確認しておくことが必要です。
API連携の活用事例
API連携の活用事例は以下のとおりです。
| API連携でできる主な内容 |
SNS | |
ECサイト | |
クラウドサービス | |
POSレジ |
SNSやクラウドサービスなど、API連携が利用されているシーンが多く、日常生活でも身近な存在といえます。
また、企業や店舗側はAPIの連携で、ツール間のデータ共有やリアルタイムの情報取得、データの自動更新などができるようになり、業務の効率性と正確性が高まります。
API連携を実装する際の手順
APIは以下の手順に沿って自社のサービスに実装します。
- 実装する機能を明確化する
- APIの選定とユーザー情報を登録する
- APIキーとシークレットキーを取得する
- 仕様書の内容に沿ってAPIを実装する
プロセスごとの内容を確認します。
ログインやオンライン決済、地図表示など、API連携で実装する機能を明確化しておくことが必要です。導入目的が曖昧な状態だと、API連携でほかのツールの機能を実装しても、自社サービスの使い勝手や安全性が高まらない可能性もあります。
また、API連携で実装する機能はユーザー認証や多要素認証など、セキュリティー関連の機能を優先的に選ぶのがおすすめです。開発するには、多額の費用と専門知識をもつ人材が必要になり、実用化できるレベルに至るまでのハードルが高いためです。
実装する機能が決まり次第、APIサービスを提供するベンダーを選びます。ベンダーを選ぶ際は導入実績が豊富で、継続利用されている企業を選ぶと安心です。
実績数やリピート率に乏しいと、ベンダー側の意向でAPIが突然使えなくなるリスクが生じるためです。APIサービスを提供するベンダーにとっては収益の伸び悩みが続く場合、事業継続が困難と判断するのは、そのような判断が行われる可能性もあります。
ベンダーを選定する際は料金プランや機能性だけでなく、長く利用できるかも含めて判断することが必要です。また、ベンダーが決まり次第、利用目的やトップページのURLなど、必要な情報を入力して登録手続きを済ませます。
APIサービスの利用には、ベンダーから発行されるAPIキーの取得が必要です。APIキーとは、ユーザーやWebアプリケーションを識別するために必要な認証用のコードです。
サービスサイト上で認証情報を入力すれば、APIキーが作成されます。スムーズにAPIを利用できるよう、FAQやマニュアルを事前に確認し、APIキーの作成手順を確認しておくのも有効です。
また、利用するサービスによっては、シークレットキーも発行されます。シークレットキーも本人認証の際に利用するコードで、ログイン情報のパスワードのような役割です。
APIキーとシークレットキーを取得し、本人認証を終えたら審査が行われます。審査には数日かかる場合があり、審査の完了後に仕様書を見ながらAPIを実装します。本格的に運用を始める前に、テストで動作確認をしておくのが無難です。
テストで問題なければ、API連携を実装した状態でサービスの提供を開始します。
まとめ:API連携の実装前に手順や注意点を把握しよう
API連携とは異なるツール同士を連携させ、データや機能を共有する仕組みです。API連携でリアルタイムのデータを取得できるようになり、判断の精度やスピードが高まります。ほかにも開発費の削減や良質な顧客体験の提供など、さまざまなメリットが得られます。
ただし、APIを提供するベンダーの多くは利用制限を設けており、上限を超えた場合は追加費用の支払いが必要です。ベンダーの経営状況や企業方針によっては、突然利用できなくなるおそれも生じます。
APIサービスの選定や連携方法について検討する際には、外部の情報や専門的な知見を参考にすることも一つの方法です。豊富な知識や経験を兼ね備えた人材が丁寧にヒアリングを行うため、自社の課題や予算に見合ったサービスを提案してもらえる可能性が高まります。
富士フイルムビジネスイノベーションでは、ほかにも複数のソリューションを展開しており、セキュリティー全般のご相談に対応可能です。API連携の利用を検討中の方は、一度ご相談ください。
検索条件を変えていただき、もう一度お試しください。
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