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ホーム ソリューション 中堅・中小企業のDX推進コラム ITセキュリティーコラム:デザインレビューとは? 「DRを効率化するチェックシートやシステム活用術」

このコラムでは、製造業におけるデザインレビュー(DR)を効率よく進めるチェックシート・リスト「課題管理マトリックス」と、DRの効率化を支援するITシステムについて解説します。

デザインレビューとは?

デザインレビューとは、開発の手戻りを未然防止するために実施する設計審議会のことです。フェーズを分けて繰り返し実施し、商品コンセプトと採用技術の整合性、設計方針・設計根拠の妥当性、重要部品の課題対応策・検証法の妥当性、設計検証モデルによる設計品質獲得を段階的に確認します。十分な準備をしてレビューを実施し、技術の議論を尽くしてフェーズ移行可否を判断します。

デザインレビューとは?に関するさらに詳しい内容は、下記のコラムで詳細を解説しています。デザインレビューの目的や狙い、必要性、種類、進め方のコツなどをご紹介しています。

デザインレビューを効率化するチェックシート・リストとは?

デザインレビューのチェックシート・リスト「課題管理マトリックス」の作り方のコツや注意点

議論の流れを作る・議論を統括する

「課題管理マトリックス」は、①解決の進捗と②問題の影響度を2軸とするマトリックスで表示し、抽出した問題点を該当するセグメントに記載します。どのセグメントに記載があるかがビジュアルに表現されるので、全体状況が共通認識されます。

レビューでの使い方として、例えば冒頭に「課題管理マトリックス」を示すと議論の流れを作ることできます。順調な場合は個々の課題対応の妥当性を確認する、難しい問題を抱えている場合は、次のフェーズに進めるか否かを意識して問題解決策を議論します。

参加者の視点を揃え、議論を収束に向かわせます。一方、レビューの終盤に「課題管理マトリックス」を示す場合は、報告・議論した結果全体を振り返って総括できます。レビューの冒頭で課題対応の全体を俯瞰して効率的な議論を実施し、議論の結果をマトリックスに反映してデザインレビューのアウトプットの一つとすることも有効です。

横軸「解決の進捗」の定義を曖昧にしない

「課題管理マトリックス」は、状況をひとめで理解できますが、セグメントの定義が曖昧であると置く位置を間違えて解決が遅れるなど、視認性の良さが本末転倒の結果を招きます。横軸には、手順を踏んで一段階進むごとに確実に解決に向かうステップを定義し、関係者で十分に認識合わせをします。地道な改善で右に寄せていくと確実に問題が解決する業務プロセスをマトリックスに埋め込みましょう。

リソースを効率よく活用する優先度考慮

設計課題はできるだけ早く解決することが望まれますが、限られたリソースで対応する場合、優先度を考慮する必要があります。優先度を考えるうえで必要な視点が課題の影響度です。対応の選択によっては周辺設計や上位システムの設計変更に繋がるものや法規に関わるものは「致命的」に分類して最優先で対応します。「重要」に分類するものは、担当設計エリアで解決できるが、品質やコストに影響するため早期に解決策を決定する必要あるものなどが該当します。「普通」は影響度は大きくないが、解決すべき問題が該当します。

デザインレビュー効率化の仕組み「3Dモデルを使った設計品質点検」

品質点検における指摘事項は、もれなく記録し、確実にクローズしなければなりません。記録漏れやフォロー漏れが起きるとせっかくの議論が無駄になってしまいます。また、指摘事項に人による認識のずれがあると、修正箇所が再度指摘されて設計のやり直しになることがありますので、認識を揃えた記録が重要です。
また、設計者は複数の指摘事項への対応を同時に検討し、ひとつの設計に解決策を盛り込む対応に追われるため、付帯的な作業を軽減して設計に集中できる環境を用意することも必要です。

指摘事項の記録と設計者へのインプットは、品質点検で毎回行う共通作業であるため、手順を標準化してシステムを活用すれば、記録漏れや認識のずれを減らして業務を効率化できます。

それでは、業務の標準化とシステム活用による効率化の事例を説明します。

デザインレビュー効率化を支援するシステム活用と事例

品質点検の標準化1:指摘された問題点を、漏れなく、正確に記録する
必要な項目を定義する例:指摘者、指摘事項、指摘理由、分類、重要度、設計者、改善案、改善納期
記載事項を簡潔にする不要な長文は指摘のポイントを曖昧にするため、指摘記述欄は短文で明快に記述します。
品質点検の標準化2:複数の指摘事項を一元化リストにまとめる

設計チームリーダは、担当エリアに対する全ての指摘事項を把握し、優先順位とリソースを勘案して必要な設計変更計画を組み、納期内に解決しなければなりません。そのためにはチームメンバーが受けた全ての指摘事項をリスト化し、問題の大きさと仕事量を把握する必要があります。

品質点検の標準化3:指摘事項への対応の進捗管理

DocuWorksの機能を使うことで品質点検会の指摘事項を抜け漏れなくリスト化できますが、全ての指摘事項を納期内にクローズしきることは意外に骨が折れます。どうしても重要問題に引っ張られて改善活動の思わぬ停滞を招くことがありますが、進捗を見える化し、ひとめで全体を把握できるようにすれば、忙しくて見落としたという状況を回避できます。

リストでも進捗を確認できますが、グラフや表を使うことで状況がひとめで把握できるので見落としを防ぎ、タイムリーな対応が可能となります。

まとめ

ここまで、3Dモデルを使ったデザインレビューの効率化と品質点検について、指摘事項の記録から解決フォローまでの流れを説明してきました。品質点検を実施すれば必ず指摘事項は挙がり、解決せねばなりません。この地味で粘り強さが求められる活動を標準化してツールを取り入れることで、ミスコミュニケーションが減り、設計者が設計に没頭できるようになり開発の生産性向上が期待できます。