お客様導入事例 愛河調査設計 様

お客様導入事例 株式会社 愛河調査設計 様

総合建設コンサルタントとして、土木・建築設計、測量、調査事業など幅広く展開する株式会社愛河調査設計。愛知県名古屋市で創業し、2020年に創業40周年を迎えました。2016年に現社長が就任して以来、積極的にICT化を進め、他社との差別化を図ってきた同社ですが、取引先と交わす発注書の捺印作業に非常に手間取っていたといいます。電子サインサービス「Adobe Sign」の導入と、それによって実現した作業の効率化・経費削減の事例を紹介します。

代表取締役社長 山本様
蒲郡支店 建設技術部 測量課 鈴木様

左から)山本様、鈴木様

発注先への書類発送や捺印・確認作業の効率化を目指す

高齢化、担い手不足などの課題を抱える建設業界。手間取っていた発注書の捺印業務のフローを見直すことで、社員がコア業務に集中できる環境づくりを進めようと考えた。

代表取締役社長 山本様

山本様: 当社は愛知県名古屋市内で創業し、2020年に創業40周年を迎えました。主に測量業、建設コンサルタント業、補償コンサルタント業、建築設計を中心に事業を展開しています。建築・土木測量ともにゼネコンを中心とした民間事業の請負からスタートし、民間事業を拡大させながら、現在では公共事業への参入を果たしています。総合建設コンサルタントを目指し、業務の幅を広げているところです。

建設業界では、新型コロナウイルスが蔓延する前から、就業人口の減少や高齢化、担い手不足など、いくつもの課題を抱えていました。ご多分に漏れず当社も同じで、その中で生産性の向上を図りながら、品質を確保することは容易ではありません。そのために、私が社長に就任した2016年から、社内業務の省人化・効率化を目指してICTの積極的な導入を進めています。

加えて、建設業界はサービスそのもので差別化することが難しい業界です。以前、取引先から「どこに頼んでも同じ」と言われてしまったことがあります。他社との差別化を進めるうえで、ICTの導入・活用は間違いなく武器になるだろうと考えたのです。

その中で以前から興味を持っていたのが「電子契約・電子サイン」です。発注先への書類発送や捺印作業、確認作業には非常に手間取っていたので、この作業を効率化できれば、社員がコア業務に集中できる環境作りが一層進められ、働き方改革にも繋がるだろうと思いました。

蒲郡支店 建設技術部 測量課 鈴木様

鈴木様:仕事の流れとしては、業務を受注したらまずは発注書を作成し、各取引先に紙で出力したものを郵送し、発注請書が返送されてきたら、業務に着手していきます。この時に、取引先からの発注請書の戻りが遅いと、業務の開始が遅れることになります。結果、実働時間を詰めなくてはいけなくなったり、作業時間を延長したり、人員を追加したりする必要が生じます。作業計画の見直しが必要になるため、現場は非常に困っていました。

発注書の捺印作業がすべてパソコン上でできる「Adobe Sign」を導入

Webセミナーへの参加を機に興味を持ったのが、電子サインサービス「Adobe Sign」。発注書の捺印業務がすべてパソコン上ででき、処理件数に応じた価格体系だったので導入しやすかった。

山本様: こうした現場の声を受けて、相談していたのが富士フイルムビジネスイノベーションジャパンです。以前からkintoneやRPAを富士フイルムビジネスイノベーションジャパンから導入しており、オフィスを取り巻く課題解決については富士フイルムビジネスイノベーションジャパンに相談すれば助けてくれると思っていました。そして、ちょうどいいタイミングで「Adobe Sign」のWebセミナーをご紹介いただいたのです。

「Adobe Sign」を活用すれば、紙を出力して行っていた様々な処理を、すべてパソコン上で済ませることができます。さらに、捺印依頼が電子メールを通じて行えて、返送までのプロセスはすべてクラウド上で完結。履歴やステータスはもちろん、未返信先への催促業務も簡単にできます。

以前からAdobe社の製品は使用していました。多くの利用者がいる信頼性の高い製品であり、他のアプリとの親和性が高いのもわかっていましたので、安心でした。また、「Adobe Sign」は処理件数に応じて価格体系が設定されています。私たちのような中小企業や年間の利用件数が少ない企業でも導入しやすく、これから取り組みを始めるにはうってつけでした。

付け加えるとすれば、新型コロナウイルスの感染症が拡大した頃から、ハンコを押すために出社するというようなことがニュースで報道され、社会的にも電子契約に注目が集まっていると感じていました。政府が推奨を始めたこのタイミングを逃したら多分やらないだろうと思いましたので、導入する決断をしました。

1週間程度かかっていた書類のやり取りがわずか1〜2日に短縮

「Adobe Sign」の導入により、書類のやり取りの手間が大幅に軽減。さらに、契約処理に関わる経費も60%程削減できた。

山本様: 「Adobe Sign」の導入により、発注書のやり取りがすごく楽になりました。これまで取引先と行っていた作成した書類の印刷、押印、封入、切手を貼り投函するといった行為は、煩雑で時間を取られる作業です。それが数十件にもなると、かなり業務を圧迫します。電子サインによって、それらの一連の作業が全てパソコン上で完結できるようになりました。

効果をもっとも実感したのが、所要時間の削減です。これまでだと通常は1週間程度かかっていた書類のやり取りが、わずか1〜2日に短縮できました。私どもは取引先が多岐にわたり、今回の電子サインについては今のところ約30社と契約処理を行っています。年間で150程度の契約があるため、時間換算すると年間で約75時間の改善効果が見込めます。

操作の手軽さ、契約締結の早さを大変実感しております。所要時間に限れば、7割ぐらいの削減ができていますね。この便利さを知ると、導入前の状態には絶対に戻りたくないです。当社でのアフターコロナでの不可逆的な動きの1つかと思います。

コスト面についても、切手や印紙、郵送にかかる費用などの諸経費を削減できており、契約処理に関わる経費の約60%は削減できていると感じています。また、手戻り、修正・再発行といったイレギュラー対応など、表面には出づらいコストの削減にも繋がると考えています。総合すると、人件費、郵送費、印刷代、封筒代、印紙代、受領書類の保管費用などを合わせて、年間で40〜50万円程度の削減効果があると見込んでいます。

鈴木様: 現場における「Adobe Sign」導入の大きなメリットは、書類をやり取りする際のストレスがなくなったことです。これまで取引先とは頻繁に「届いた」「届いていない」のやり取りが起きており、それが非常にストレスになっていました。また、急ぎで発注書の写しが必要な場合は、取引先にFAXやメールで急いで送ってもらい、後から原本をいただくといった対応をお願いしていました。電子サインになったおかげで、インターネット上で取引先の処理状況がリアルタイムにわかりますし、自動的に催促もできるので、余計な心配やストレスは軽減しましたね。おかげで、コア業務に集中できる環境がつくれています。

取引先様との書類のやり取りもスムーズになったので、作業計画が立てやすく、作業計画の見直しもほぼなくなりました。結果、残業も減り、メンバーも本業に集中できるようになってきています。私たちの仕事は、高い技術サービスをお客様に提供し、品質を確保することです。それを実現するためには、今回のようなICTの活用が非常に有用だということを実感しています。

ライフ・ワーク・バランスを意識した働きやすい職場環境を

今後もさらなるICT化による働き方改革の推進を図っていき、その取り組みにより社内体制の強化と職場環境の改善を実現していく。

山本様: 今回の「Adobe Sign」だけでなく、当社ではこれまで業界全体の変化に伴ってICT化に注力してきました。「DocuWorks」を活用したFAXのペーパーレス化についてもすでに進めていますので、「Adobe Sign」とうまく連携させ、発注書の作成から捺印依頼、受領、保管までの定型作業の改善を図りたいと考えています。

事務処理や調査業務においても、転記や繰り返し入力、各帳票に合わせた出力など、相手に合わせた作業が多いです。今後はそうした定型業務に関しても、うまく効率化を考えていくつもりです。

その先に目指すのは、さらなるICT化によって、一部の業務や領域に限らず社内全般的に定型業務を減らしていくことです。そして、万が一の災害や感染症拡大などの有事の際でも、働く場所や環境を即座に切り替えて事業継続できるよう、災害に強い体制を整えていきたいと考えています。働き方改革の推進や、コア業務に集中できる環境づくり、就業環境の改善を加速させ、ライフ・ワーク・バランスを意識した働きやすい職場環境を実現したいと思います。

富士フイルムビジネスイノベーションジャパンにはたくさんのソリューションやクラウドサービスがありますので、こうした取り組みを進めていくうえで、今後もいいパートナーとしてお付き合いができることを期待しています。

株式会社 愛河調査設計 代表取締役社長山本様と従業員の皆さま

捺印作業をオンライン化することで業務フローを大幅に改善し、コスト削減も実現した株式会社愛河調査設計様。業務の効率化により社員のストレスも軽減していることから、今後もICT化を推し進めることでさらなる就業環境の改善・モチベーションの向上にも期待できそうです。

まとめ

導入前 取り組むべき課題 解決策 改善効果

◆建設業界共通の課題である人手不足を抱え、生産性を向上しながら品質を確保することが容易ではなかった

  • 社内業務の省人化・効率化
  • 紙に出力して行っていた業務の改善
  • ICT導入によるペーパーレス化、電子処理
  • 年間150件の契約があり、約75時間/年の改善効果が見込まれる

◆発注書の捺印業務にかかる 確認作業の負担が大きい

取引先に郵送した発注書の到着確認や、発送確認などのやり取りに手間がかかり、業務の開始が遅延。
作業計画に見直しが発生するため、現場は非常に混乱し、社員はストレスを抱えていた

  • 発注書の捺印業務の効率化
  • 発注書の捺印業務のフロー見直しによる、リードタイムの短縮を図る
  • 業務負荷とコストの削減
  • 取引先との書類のやり取りがスムーズになり作業計画の見直しがほぼなくなった。
  • リードタイムの短縮による捺印作業の所要時間削減

5日から1~2日に短縮

  • 電子化導入による大幅なコスト削減
    年間で40~50万円程度の削減効果が見込まれる

郵送にかかる費用などの契約処理に関わる経費の60%を削減

イレギュラー対応など表面化しづらいコストの削減

導入前

◆建設業界共通の課題である人手不足を抱え、生産性を向上しながら品質を確保することが容易ではなかった

取り組むべき課題
  • 社内業務の省人化・効率化
  • 紙に出力して行っていた業務の改善
解決策
  • ICT導入によるペーパーレス化、電子処理
改善効果
  • 年間150件の契約があり、約75時間/年の改善効果が見込まれる
導入前

◆発注書の捺印業務にかかる 確認作業の負担が大きい

取引先に郵送した発注書の到着確認や、発送確認などのやり取りに手間がかかり、業務の開始が遅延。
作業計画に見直しが発生するため、現場は非常に混乱し、社員はストレスを抱えていた

取り組むべき課題
  • 発注書の捺印業務の効率化
解決策
  • 発注書の捺印業務のフロー見直しによる、リードタイムの短縮を図る
  • 業務負荷とコストの削減
改善効果
  • 取引先との書類のやり取りがスムーズになり作業計画の見直しがほぼなくなった。
  • リードタイムの短縮による捺印作業の所要時間削減

5日から1~2日に短縮

  • 電子化導入による大幅なコスト削減
    年間で40~50万円程度の削減効果が見込まれる

郵送にかかる費用などの契約処理に関わる経費の60%を削減

イレギュラー対応など表面化しづらいコストの削減

導入前の処理フロー

導入後の処理フロー

注記:事例の内容は2021年3月時点の情報です。

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