公益社団法人 全日本不動産協会 様

公益社団法人 全日本不動産協会 様

お客様導入事例 公益社団法人 全日本不動産協会 様

昭和27年に設立された不動産業界で長い歴史を持つ公益社団法人 全日本不動産協会様。現在、全国47都道府県の宅地建物取引業者約3万4,800社が加盟している同協会は、内閣府からの認定に基づき、不動産業界の健全な発展と消費者保護を進めるためのさまざまな公益事業を行っています。そんな同協会がDXという時代の波に乗り、抱えていた課題を解決へとつなげた事例を紹介します。

三浦様、横山様、福岡様写真

公益社団法人 全日本不動産協会 常務理事 横山 鷹史 様
公益社団法人 全日本不動産協会 事務局 総務課長 三浦 貴紀 様
公益社団法人 不動産保証協会 事務局 総務課係長 福岡 篤史 様

左から)三浦様、横山様、福岡様

70年間で蓄積された大量の紙文書、保管スペースもひっ迫し、デジタル化待ったなし

長い歴史を持つ全日本不動産協会様は、従来から全国の組織間の情報伝達に大量の紙文書が使われていた。蓄積された紙の保管スペースの確保に悩む拠点も多く、業務改善活動の一貫としてデジタル化に取り組むことになった。

公益社団法人 全日本不動産協会 常務理事 横山 鷹史 様写真

公益社団法人 全日本不動産協会 常務理事 横山 鷹史 様

横山様:全日本不動産協会は、現在、全国47都道府県の宅地建物取引業者約3万4,800社が加盟している公益社団法人です。我々は、会員の皆さんに研修などを通じて、法律をはじめとする宅地建物取引に関する知識の普及や啓発を行ったり、国民が安心して不動産取引を行えるように不動産に関する無料相談会を全国で開催するなど、不動産業界の健全な発展と消費者保護を進めるための事業を展開しています。また、行政と連携し、自然災害の被災者や社会的弱者に民間賃貸住宅の情報を提供するなど、社会貢献活動も行っています。その中で、当協会が設立されてから70年が経った今、早急に解決しなければいけない課題が持ち上がっていました。その課題というのが、主たる事務所としての役割を持つ総本部と全国47都道府県に拠点を構える地方本部間の書類のやりとりが多く煩雑になっていたこと、そして、長年蓄積されたおびただしい紙の文書を保管するスペースがひっ迫していたことです。昨今の社会ではDXが急速に広がっており、我々も使命として直ちにこのデジタル化に取り組み、より高い合理性と効率性を備えた環境に変革していかなければいけないと考えました。

三浦様:そこで、DXを推進するプロジェクトのパートナーを選定するコンペを行うことにしました。そのコンペに参加していただいた一社が、かねてより複合機のサービスでお世話になっていた富士フイルムビジネスイノベーションジャパンです。先んじて地方本部の中で最も大きい東京都本部が、文書管理ソフトウエア「DocuShare」を導入しており、すでに文書の電子化や業務改善支援などで大きな成果を挙げていたという事例があったため、お声がけすることにしました。提案を受けるにあたり、営業部門とSEコンサルティング部門の連携がしっかり取れており、当方側の課題がよく整理されていると感じました。最終的な決め手は、当協会の組織に対する理解度、コスト、人と組織に対する信頼性、課題解決に向けたゴールの描き方といった点です。

公益社団法人 全日本不動産協会 事務局 総務課長 三浦 貴紀 様

公益社団法人 全日本不動産協会 事務局 総務課長 三浦 貴紀 様

横山様:富士フイルムビジネスイノベーションジャパンは、コンペに参加した他企業と比べ、我々の問題を解決できるであろう期待感が全く違っていました。もちろん、これまでにお付き合いがあり、当協会について習熟していたことも魅力の一つだったのですが、ドキュメントカンパニーとしての技術力やレスポンスの速さといったクオリティの高さが圧倒的で、採用決定機関である委員会において全会一致で採用することが決まりました。

従来のフローを生かした段階的なデジタル化で、混乱なく全国展開

富士フイルムビジネスイノベーションジャパンが提案したのは、まずは現状業務を棚卸してフローを見える化すること。それを踏まえ紙文書による現行手続きの基本的なフローは維持しつつ、そこで取り扱う媒体を電子化するものであった。

三浦様:今回の提案で特徴的だったのは、第1フェーズ・第2フェーズ・第3フェーズと段階的な目標を設定していたことです。第1フェーズでは、文書管理ソフトウェア「DocuShare」によって、昭和の時代から倉庫に眠っている紙文書を電子化し、管理体制を構築することで管理スペースの確保を実現しました。そして、今回の業務改善で最もフォーカスされたのが、会員や入会希望者から提出される各種の申請書類をいかに扱うかということ。このフローを改善するために提案されたのが、第2フェーズの各拠点間における情報伝達のデジタル化です。従来のやり方は、会員や入会希望者から地方本部の窓口に申請書類が提出されると、地方本部で必要な処理を加えてシステムにデータ入力し、現物をレターパックや宅配便で総本部に発送。その後、総本部で必要な処理を施し、一部の書類を地方本部に返送するといった手続きを行っていました。富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの提案は、SEコンサルティングによる業務の棚卸を行って改善後のフローを検討し、「DocuWorks」を用いてデータ化した申請文書を束ねたファイルをクラウド上のファイル共有サービス「Working Folder」を活用して総本部・地方本部間で瞬時に共有するというものでした。これまでの会員や入会希望者が行う紙文書による手続きはそのままに、従来のフローを生かしながら、総本部と地方本部間で動いていた紙の情報を電子で動かす。こうした、今までのやり方をガラッと変える必要のない職員が馴染みやすい改善案を考えていただきました。また、もともと、総本部や東京都本部では「DocuWorks」無しでは会議が成り立たないほど浸透していたため、おそらくうまくいくだろうと想像できました。

図説1

福岡様:とはいえ、当協会には20代から70代まで幅広い年齢層の職員が所属しています。そのリテラシーはかなりのバラつきがあり、正直スムーズに運ばない本部があるのではという不安もありました。そこで、その不安を解消するため、全国を9つのグループに分けて、徐々にトライアルを行いながら展開していくことにしました。そうしてトライアンドエラーを繰り返しながら運用方針を修正していき、万全のスキームをつくって全国に展開したことで、フルリリースの時点では一切混乱なく業務を進めることができました。その間も富士フイルムビジネスイノベーションジャパンには、先を見据えた綿密なスケジューリングのほか、導入先に足を運び、疑問点を都度スピーディーに解消するなど、さまざまなサポートをしていただきました。何度も些細なことで電話をしてしまいましたが、それくらい話しやすく、頼りになる方ばかりだったのです。そうした目標に向かって一緒に進んでいく同社の真摯な姿勢には、いつも心強さを感じています。

公益社団法人 不動産保証協会 事務局 総務課係長 福岡 篤史 様写真

公益社団法人 不動産保証協会 事務局 総務課係長 福岡 篤史 様

数字に表れる効果以上に価値のあった副産物

各拠点からは、導入後に生まれた業務効率の向上やコスト削減といった効果に対し、喜びの声が上がった。しかし、それ以上に期待するのは数字に表れていない副産物だという。

三浦様:今回、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンには既存のやり方を大きく変えず、簡単に電子文書に置き換えるフローを提案いただいたことと、紙を扱うように直感的にハンドリングできる「DocuWorks」のわかりやすさから、職員の戸惑いはほとんど感じられませんでした。それどころか、「発送のために郵便局に行かずに済み、デスクに座って完結できることが夢のよう」「提出書類に不備があった際、これまでは申請者に書類を返送して再提出を受けていたが、修正についてもメール添付が可能になったため、申請者の申請作業時間と負担が減ったと感じている」「離島なので今までは郵送で締切に届くか常に気を使っていましたが、それが無くなって本当によかった」など、多くの期待や喜びの声が届いています。実際の効果としては、レターパックや切手、宅配便などが必要なくなり、年間約300万円のコスト削減を実現しました。また、複写式の入会書類が一枚にまとまったことや、入会のあった地方本部に送るため、総本部において膨大な量を印刷していた供託書類(写)が「Working Folder」に置き換わり、地方本部宛書類の発送作業と紙出力作業がなくなったことなどにより、入会や退会、分担金管理等でかかっていた時間が大幅に短縮しました。

横山様写真

横山様:逆に、導入コストに対してはまだこの程度の効果しか生まれていないとも言えます。しかし、紙文書の保管からの解放や業務負担の軽減など、数字に表れていない副次的効果に大きな期待と価値を見出しています。総務委員長である私の役目の一つは、業務効率を向上し、職員の大変さを軽減することです。そういう意味で、今回の導入は期待した効果が得られたと感じています。

三浦様:富士フイルムビジネスイノベーションジャパンと一緒にプロジェクトをスタートしてから、ここ2、3年で一気に組織のDXが加速したと感じています。この導入がDXのきっかけになったことは間違いありません。ペーパーレスに関してはまだ大きな効果が出たわけではありませんが、今では地方本部からFAXが入ってくることはなくなりましたし、あと一年ほどでほぼペーパーレス化になることも視野に入っています。そうした取り組みの中で、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンに対する期待は大きいですし、これからも良好な関係を築いていきたいと思っています。

最終フェーズに向けてさらなるDXを加速していく

第2フェーズが完了し、次に目指すは最終フェーズである「会員・入会希望者から協会まで一気通貫のデジタル化」だ。同協会は、その実現に向けた富士フイルムビジネスイノベーションジャパンの今後の提案に大きな期待を寄せている。

福岡様:当協会は株式会社と異なり、階層構造になっている特殊な組織です。そこをよく理解し、フローを熟知した上で改善プランをご提案いただけたことが、今回スムーズに導入できた要因の一つだと思います。最初は会員管理の書類に特化していた取り組みも、今では「Working Folder」を活用し、他協会の書類や総本部と地方本部でやりとりしていた他の書類の電子化を実現しています。現在、取り組みを進めているのは、最終フェーズとなる会員や入会希望者を取り込んだ電子申請システムの構築です。ぜひ、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンには、最新の技術を踏まえたリプレイス、そして、手間とコストのかからないシステム構築について積極的に提案いただけることを期待しています。

横山様:このプロジェクトは、まだ志半ばです。このようなDXや業務効率化の推進は、当協会の先進性をアピールすることにつながり、ひいては我々の入会ターゲットである若い経営者たちの関心を集められるのではないかと期待しています。いずれは、さらなる先進性の拡大と作業の合理化を図るため、協会の全てのデータを一元管理できる高度なシステムを構築していくつもりです。そのためにも、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンには、もっと当協会のことを深く知っていただき、我々が発想しないような課題解決の提案をお願いしたいと思っています。

インタビュー関係者集合写真

左から)
公益社団法人 全日本不動産協会 事務局 総務課長 三浦 貴紀 様
公益社団法人 全日本不動産協会 常務理事 横山 鷹史 様
公益社団法人 不動産保証協会 事務局 総務課係長 福岡 篤史 様

富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 西村 (ソリューション営業)
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 新山 (システムエンジニアリング)
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 古賀 (システムエンジニアリング)

DXを加速し、紙から電子主体の働き方へと変革を遂げた公益社団法人 全日本不動産協会様。今後、さらなる先進的な団体として不動産業界をリードしていく同協会の取り組みに目が離せません。

まとめ

導入前 取り組むべき課題 解決策 改善効果

紙の文書量が非常に多く、電子データでのやりとりが遅れていた。

総本部と地方本部間でFAXを使った情報伝達をすることが多かった。

総本部と地方本部間で情報伝達ルールが定まっていなかった。

長年の蓄積により紙の文書を保管するスペースがひっ迫していた。

  • 紙から電子主体の働き方への業務変革
  • 保管している紙文書の電子化
  • 総本部と各地方本部における業務フローの改善と情報伝達ルールの統一化
  • プロジェクト推進のパートナーを選定
  • 現状業務を棚卸してフローを見える化
  • 段階的な目標の設定と推進
  • 紙文書による現行手続きの基本的なフローを維持しながら総本部と各地方本部間における業務を電子化
  • 全国9グループに分けて徐々にトライアルを実施
  • 総本部と各地方本部間の発送作業がなくなったことで年間約300万円のコスト削減を実現
  • 押印作業・発送作業・紙出力作業が減少したことで業務時間が大幅に短縮
  • トライアンドエラーで修正した万全のスキームで展開したことで混乱のない運用を実現
  • 総本部と各地方本部間のFAXがほぼゼロになり、ペーパーレス化が加速
導入前

紙の文書量が非常に多く、電子データでのやりとりが遅れていた。

総本部と地方本部間でFAXを使った情報伝達をすることが多かった。

総本部と地方本部間で情報伝達ルールが定まっていなかった。

長年の蓄積により紙の文書を保管するスペースがひっ迫していた。

取り組むべき課題
  • 紙から電子主体の働き方への業務変革
  • 保管している紙文書の電子化
  • 総本部と各地方本部における業務フローの改善と情報伝達ルールの統一化
解決策
  • プロジェクト推進のパートナーを選定
  • 現状業務を棚卸してフローを見える化
  • 段階的な目標の設定と推進
  • 紙文書による現行手続きの基本的なフローを維持しながら総本部と各地方本部間における業務を電子化
  • 全国9グループに分けて徐々にトライアルを実施
改善効果
  • 総本部と各地方本部間の発送作業がなくなったことで年間約300万円のコスト削減を実現
  • 押印作業・発送作業・紙出力作業が減少したことで業務時間が大幅に短縮
  • トライアンドエラーで修正した万全のスキームで展開したことで混乱のない運用を実現
  • 総本部と各地方本部間のFAXがほぼゼロになり、ペーパーレス化が加速

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