このウェブサイトはクッキーを使用しています。このサイトを使用することにより、プライバシーポリシーに同意したことになります。

日本

インク循環制御方式の正しい選定は高画質実現の第一歩

本記事の「3つのポイント」
  • インク循環ユニットの制御方式には、アクティブ制御・パッシブ制御の2つがある
  • プリンターの目指す姿に応じて適したインク循環制御方式を選定することが必要
  • 安定して高画質を実現するためにはアクティブにインク循環を制御することが有効

インクジェットで高画質の印刷を可能にするためには、安定してインクを供給することが必要不可欠です。
また、最近では、印刷で消費した分のインクだけをインクタンクからプリントヘッドに供給するのではなく、インクタンクとプリントヘッドの間で常にインクを循環させるタイプのプリントヘッドを採用することが増えています。
循環タイプのプリントヘッドの採用により、乾燥性が高いインクを使用できたり、精密なインク温調により濃度ムラなどを抑制できたりするメリットがあり、高画質のインクジェットプリンターの開発には有利になります。
今回は、高画質のインクジェットプリンターにとって非常に重要となる、インク循環タイプのヘッドでインクの循環を安定させるための制御方法のポイントを見ていきましょう。

画質に大きく影響するインク循環ユニット。どのような機能が必要?

高画質なインクジェットプリンターを実現するために、インク循環ユニットに求められる機能としては以下の4つが挙げられます。

  1. 異物の除去と異物発生の抑制
  2. 気泡対策
  3. インク温度の制御
  4. ノズルにおけるメニスカスの制御

これらの機能が不十分な場合には、印刷物上にスジやムラなど画質を低下させる問題が発生してしまうため、高画質のインクジェットプリンター開発では非常に重要です。上記4つの機能を実現するためのポイントについては、「ジョブの後半でスジ・ムラが発生?今すぐインク供給ユニットの確認を!」で紹介しています。

インク循環ユニット

図1 プリントバー(プリントヘッド)にインクを循環する「インク循環ユニット」

では、実際にこれらの機能を実現するためのインク循環制御の方式とは、どのようなものでしょうか。大きく分けて(1)アクティブ制御方式と(2)パッシブ制御方式の2つがあります。それぞれの具体的な仕組みや特徴を見ていきましょう。

インク循環をアクティブに制御することで、安定した循環を実現する

(1)アクティブ制御方式、(2)パッシブ制御方式、それぞれのインク循環の特徴について詳しく見ていきます。

アクティブ制御は装置ごとに最適化が必要

ここまで紹介したように、アクティブ制御方式のインク循環を使いこなすことで、印刷機の性能を最大限に発揮することが可能となります。しかし、使いこなすためには、各装置に最適化した制御を行う必要があります。印刷速度や最大吐出量、印刷解像度など、多岐にわたる条件を最適化することは容易ではありません。

富士フイルムは、シングルパス・インクジェットプリンター「Jet Press」の開発を通じ、プリントヘッドを安定して使用するためのインク循環ユニットの最適化に取り組んできました。そして、その技術ノウハウを基に開発したインクジェットコンポーネント「Samba JPC」では、適切なインク循環を実現する「液循環ユニット」、高精度の吐出性を誇るプリントヘッドをアセンブリした「プリントバーユニット」を提供しています。これらをご使用いただくことで、短期間でシステムを構築することが可能となります。

さらに富士フイルムは、Samba JPCをお使いいただくお客さまに、インク循環ユニットに関わるスジ・ムラの原因特定から対策まで、幅広い知見やデータ解析の技術の蓄積を生かしたコンサルティングも行っています。ぜひご活用ください。

開発でのお困りのことや疑問などがあれば、下記お問い合わせフォームよりぜひお問い合わせください。