わんちゃんの高齢化に伴い、増加していく心臓病。中でも、特に多いのが僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)です。心臓の中にある「僧帽弁」と呼ばれる弁がうまく閉じなくなり、心臓内で血液が逆流してしまう病気です。
「元気がない」「疲れやすくなった」「呼吸が早い」「咳が続いている」などの症状が見られたら、僧帽弁閉鎖不全症の可能性もありますが、初期のころはご家族さまでは気が付きにくいケースも。そのまま病気が進むと命に関わる心配もあるので、健康診断などで、わんちゃんの心臓の状態を定期的にチェックすることが大切です。
わんちゃんは高齢になるにつれ、心臓病が増加します。このような症状が見られたら「心臓病」かもしれません。
下記のうち、どれか1つでも気になることがあれば、検査を受け、早期発見を心がけましょう。
- なんとなく元気がない
- 疲れやすくなった
- 食欲が落ちた
- 咳が続いている
- 運動後、すぐ息切れする
- 安静時呼吸数が多い(40~50回 / 分)





その他にも、ダックスフンド、シーズー、パピヨンなど。高齢のオスや比較的小型犬に多くみられます。
わんちゃんと楽しく豊かな生活を送るために、
年に1~2回は動物病院へ行き、健康診断を受けましょう!
検査項目 | 検査結果 |
---|---|
ANP | うっ血性心不全のリスクを判定します |
NT-proANP | |
NT-proBNP | 心筋症の早期発見や弁膜症の重症度判定に利用します |
心筋トロポニンⅠ | 心筋細胞の傷害(心筋梗塞や心筋炎)を判定します |
- *1 富士フイルムVETシステムズ株式会社設定の参考基準範囲から外れた値
- *2 2020年に富士フイルムVETシステムズ株式会社の検査を受けた全国の犬 9,703検体に対する調査結果より。心臓検査項目ANPの結果を使用。
年齢上昇に伴い、心臓検査異常値は増加します。異常値の場合は精密検査が必要です。
Q. 犬に多い心臓病は?
A. 僧帽弁閉鎖不全症(そうぼうべんへいさふぜんしょう)です。
Q. 僧帽弁閉鎖不全症とは?
A. 僧帽弁の開閉が上手くいかず、血液が逆流するためおきる疾患です。


Q. どのような治療をしますか?
A. 心臓に負担がかかっている状態なので、心臓病の薬を飲んだり、重症の場合は手術をすることで、症状の緩和につながることが多いです。
Q. どのような検査が必要ですか?
A. 聴診・胸部レントゲン検査・心臓の超音波(エコー)検査・血液検査などを行い、心臓のサイズや心機能状態を確認します。主治医の先生へご相談ください。
監修:大塚駅前どうぶつ病院 心臓メディカルクリニック 院長 堀 泰智 先生
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