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飼主に抱かれる猫

猫の健康のために : 健康診断結果の読み方

  • * 以下は富士フイルムVETシステムズが提供する健康診断報告書を元に記載しています。
  • * 動物病院によって検査項目は異なります。

検査の成績(測定値)が参考基準範囲から外れていても、必ずしも病気とは限りません。
臨床症状やその他の検査結果と合わせて、かかりつけの獣医師の指示に従ってください。

富士フイルムVETシステムズが提供する健康診断報告書の例
健康診断の読み方の図

①健康な子の多くが含まれる範囲
②低値から高値までを5段階で表示
③最大過去4回分までの成績を掲載

各項目と考えられる疾患、状態
生化学19項目
項目 高値 低値
総蛋白(TP) 脱水、炎症、B細胞性腫瘍 消化管や腎臓からの喪失、肝不全
アルブミン(ALB) 脱水 消化管や腎臓からの喪失、肝不全
A/G比 - -
総ビリルビン(T-Bil) 溶血性疾患、胆汁うっ滞 -
AST(GOT) 肝細胞障害、筋障害、溶血 -
ALT(GPT) 肝細胞障害 -
ALP 胆汁うっ滞、甲状腺機能亢進症、肝リピドーシス、若齢動物、骨疾患 -
γ-GTP(GGT) 胆汁うっ滞 -
リパーゼ(Lip) 膵臓疾患、腎血流量低下 -
尿素窒素(BUN) 循環血流量低下、腎疾患、尿路閉塞 肝不全
クレアチニン(Cre) 循環血流量低下、腎疾患、尿路閉塞 -
総コレステロール(T-Cho) 甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、胆汁うっ滞、摂食後 肝不全、門脈体循環シャント
中性脂肪(TG) 摂食後、T-Choとともに判断 -
カルシウム(Ca) 腫瘍性疾患、上皮小体機能亢進症 低アルブミン血症、慢性腎臓病、
急性膵炎
無機リン(IP) 腎疾患、若齢動物 -
血糖(Glu) 糖尿病、生理的高血糖(食後、興奮時) 肝不全、副腎皮質機能低下症、
インスリノーマ
ナトリウム(Na) 水分の喪失 消化管や腎臓からの喪失、浮腫
カリウム(K) 腎臓からの排泄低下 消化管や腎臓からの喪失
クロール(Cl) 通常、Naに付随して変化 適常、Naに付随して変化

 

オプション項目
T4,FT4,TSH甲状腺疾患の診断に用います。
コルチゾール副腎疾患の診断に用います。
糖化アルブミン(GA)過去2~3週間の血糖値の状況を把握でき、
糖尿病の診断や治療のモニタリングに使用します。
フルクトサミン
ANP心臓疾患、特に心房拡大の評価に役立ちます。
総胆汁酸(TBA)肝胆道系疾患の有無を調べ肝機能の評価に役立ちます。
UPC尿への蛋白の漏れを検出し、腎機能の評価に役立ちます。
SDMA腎機能低下の指標になります。
FGF23慢性腎臓病におけるリン・カルシウム代謝異常の評価に役立ちます。
SAA炎症の有無を調べます。
ワクチン抗体価セット感染症に対する免疫の有無を調べます。

 

血球計算
白血球数炎症やストレスなど様々な要因で変動し、詳細は白血球分画を参照して判断します。
白血球分画好中球炎症、ストレス、骨髄の病気などで増減します。
リンパ球若齢、免疫活性化、リンパ性白血病などで増加します。
単球炎症や壊死などで増加します。
好酸球・好塩基球アレルギー、寄生虫、腫瘍などで増加します。
赤血球数貧血、脱水など、赤血球の増減による異常の有無を判定します。
ヘモグロビン
ヘマトクリット
MCV赤血球のサイズ、色素濃度などを表し、貧血の場合には分類に役立ちます。
MCH
MCHC
血小板止血に関与する血小板の数を測定します。

 

監修:富士フイルムVETシステムズ株式会社 診断医(臨床病理) 島田 優一 榎本 薫子

定期的な健康診断の受診が大切です

ねこちゃんの1年はヒトの4~5年に相当するため、ヒトよりも早いスピードで歳を取り、高齢になるにつれさまざまな病気にかかりやすくなります。
また普段元気そうに見えていても、目に見えないところで病気が進行している可能性があります。

犬糸状虫(フィラリア)の感染チェック

毎年、予防薬を投与する前にフィラリアに感染していないことを確認する検査が必要です。
もし感染している動物に予防薬を与えると体内にいるミクロフィラリアが一気に死滅して強い炎症反応を起こし、最悪の場合には死にいたる危険性があります。

フィラリア感染の有無は血液検査で調べることが出来ます。

健診でみつかる重要な病気・異常の例
  • 慢性腎臓病
  • 甲状腺機能亢進症
  • 肝胆道系疾患(脂肪肝・胆泥・胆石など)
  • 炎症性疾患(肝炎・膵炎・炎症性腸疾患など)
  • 糖尿病
  • 貧血
  • がん
  • 心臓病

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