- * 以下は富士フイルムVETシステムズが提供する健康診断報告書を元に記載しています。
- * 動物病院によって検査項目は異なります。
検査の成績(測定値)が参考基準範囲から外れていても、必ずしも病気とは限りません。
臨床症状やその他の検査結果と合わせて、担当の先生の指示に従ってください。
| 項目 | 高値 | 低値 | ||
|---|---|---|---|---|
| 蛋白 | 総蛋白(TP) | アルブミン、グロブリンそれぞれの増減により変化 | ||
| A/G比(アルブミンとグロブリンの比率) | A:アルブミン(ALB) | 脱水 | 肝不全、蛋白喪失性腸症、蛋白喪失性腎症 | |
| G:グロブリン(GLB) (TP-アルブミンの値) |
慢性炎症、B細胞腫瘍 | 若齢、蛋白喪失性腸症、胸水、腹水 | ||
| 肝胆道系 | 総ビリルビン(T-Bil) | 溶血性疾患、胆汁うっ滞 | - | |
| AST(GOT) | 肝細胞傷害、筋傷害 | - | ||
| ALT(GPT) | 肝細胞傷害 | - | ||
| ALP | 胆汁うっ滞、甲状腺機能亢進症、肝リピドーシス、若齢動物、骨疾患 | - | ||
| γ-GTP(GGT) | 胆汁うっ滞 | - | ||
| 膵臓 | リパーゼ(Lip) | 膵臓疾患、腎血流量低下 | - | |
| 腎臓 | 尿素窒素(BUN) | 循環血流量低下、腎疾患、尿路閉塞 | 肝不全 | |
| クレアチニン(Cre) | 循環血流量低下、腎疾患、尿路閉塞 | - | ||
| エネルギー代謝 | 総コレステロール(T-Cho) | 甲状腺機能低下症、ネフローゼ症候群、胆汁うっ滞、食後 | 肝不全、門脈体循環シャント | |
| 中性脂肪(TG) | 食後 | - | ||
| 血糖(Glu) | 糖尿病、生理的高血糖(食後、興奮時) | 肝不全、副腎皮質機能低下症、インスリノーマ | ||
| ミネラル | カルシウム(Ca) | 腫瘍性疾患、上皮小体機能亢進症 | 低アルブミン血症、慢性腎臓病、急性膵炎 | |
| 無機リン(IP) | 腎疾患、若齢動物 | (高カルシウムとともに)腫瘍性疾患、上皮小体機能亢進症 | ||
| 電解質 | ナトリウム(Na) | 水分の喪失(消化管や腎からの喪失) | 塩類喪失(消化管や腸からの喪失)、浮腫性疾患(うっ血性心不全症) | |
| カリウム(K) | 腎からの排泄低下(乏尿、無尿、尿路閉塞、副腎皮質機能低下症など) | 消化管や腎臓からの喪失 | ||
| クロール(Cl) | 通常、Naに付随して変化 | 通常、Naに付随して変化 | ||
- T4,FT4,TSH
甲状腺疾患の診断に用います。
- コルチゾール
副腎疾患の診断に用います。
- 糖化アルブミン(GA)
フルクトサミン 過去2~3週間の血糖値の状況を把握でき、糖尿病の診断や治療のモニタリングに使用します。
- ANP、NT-proANP、NT-proBNP、トロポニンI
心疾患の評価に役立ちます。
- 総胆汁酸(TBA)
肝胆道系疾患の有無を調べ肝機能の評価に役立ちます。
- UPC
尿への蛋白の漏れを検出し、腎機能の評価に役立ちます。
- SDMA
腎機能低下の指標になります。
- FGF23
慢性腎臓病におけるリン・カルシウム代謝異常の評価に役立ちます。
- SAA
炎症の有無を調べます。
- ワクチン抗体価セット
感染症に対する免疫の有無を調べます。
- 白血球数
炎症やストレスなど様々な要因で変動し、詳細は白血球分画を参照して判断します。
- 白血球分画:好中球
炎症、ストレス、骨髄の病気などで増減します。
- 白血球分画:リンパ球
若齢、免疫活性化、リンパ性白血病などで増加します。
- 白血球分画:単球
炎症や壊死などで増加します。
- 白血球分画:好酸球・好塩基球
アレルギー、寄生虫、腫瘍などで増加します。
- 赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット
貧血、脱水など、赤血球の増減による異常の有無を判定します。
- MCV、MCH、MCHC
赤血球のサイズ、色素濃度などを表し、貧血の場合には分類に役立ちます。
- 血小板
止血に関与する血小板の数を測定します。
- 網状赤血球数
赤血球を作る力(再生能)を表し、貧血の場合には分類に役立ちます。
猫の1年はヒトの4~5年に相当するため、ヒトよりも早いスピードで歳を取り、高齢になるにつれさまざまな病気にかかりやすくなります。
また普段元気そうに見えていても、目に見えないところで病気が進行している可能性があります。
毎年、予防薬を投与する前にフィラリアに感染していないことを確認する検査が必要です。
もし感染している動物に予防薬を与えると体内にいるミクロフィラリアが一気に死滅して強い炎症反応を起こし、最悪の場合には死にいたる危険性があります。
フィラリア感染の有無は血液検査で調べることが出来ます。
- 幼齢期 1歳未満
感染症・失天性の病気
- 成猫期 1~7歳
感染症・アレルギー・免疫の病気
- シニア期 8歳~
がん・心臓病・腎臓病・ホルモンの病気
- 先天的門脈体循環シャント
- 甲状腺機能亢進症
- 猫白血病ウイルス感染症
- 消化器型リンパ腫
- 糖尿病
- 慢性腎臓病
監修:富士フイルムVETシステムズ株式会社 診断医(臨床病理) 島田 優一 榎本 薫子
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