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日本

導入事例済生会熊本病院 予防医療センター

医師の負担軽減と検査の効率化に期待

健診・人間ドックにおける内視鏡画像診断支援システムの導入事例

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

「質の高い予防医療の提供」という基本方針のもと、最先端の装置や検査方法をいち早く導入し、高度で専門性の高い人間ドックを提供する済生会熊本病院 予防医療センター。内視鏡画像診断支援システム「CAD EYE」を導入した経緯や使用感などについてお話をうかがった。

最先端の装置や検査方法で先進的な予防医療の提供を目指す

済生会熊本病院 予防医療センターの概要は。

満崎先生 当センターは、2012年に施設名称を「健診センター」から「予防医療センター」へと変更し、「質の高い予防医療の提供」という基本方針のもとで、一人ひとりに合わせた健康管理の実践を目指して日々活動しています。その中で、大腸CT検査を熊本県内で先駆けて人間ドックに導入するなど、常に最先端の装置や検査方法を積極的に導入し、先進的な予防医療を提供することに注力しています。

特徴的な取り組みは。

和田先生 まず、お一人おひとりの健康状態やご要望に合わせた“質の高い検査”と“きめ細やかなフォロー”を提供することを目的として、会員制の健康クラブを開設し、ご好評をいただいています。また、従来の健診・人間ドックはほとんどが午前中で終わる点に着目し、2020年度から午後健診を開始しました。午後健診では、午前中にお仕事をして、午後から健診を受けて、そのまま帰宅できるので、従来よりも負担が減ったというご意見もいただいています。

年間の受診者数と内視鏡検査数は。

和田先生 年間の施設内健診の受診者数は、約3万5,000人、内視鏡検査数は、上部が約2万1,000件、下部が約2,200件となっています。

医師の心身の負担軽減と検査精度の標準化に期待した

「CAD EYE」を導入した経緯は。

満崎先生 学会等で最先端の装置や検査方法に関する情報収集を行う中で、消化器内視鏡においてもAIの活用が進みつつあると感じていました。また、大腸がんについては罹患数、死亡数ともに増加傾向が続いており、当センターにおいても大腸内視鏡検査に対するニーズが年々高まっていました。そうした中で、検査の精度を維持しながら効率化を図り、大腸内視鏡に対するニーズに応えていきたいと考えて、CAD EYEの検討を開始しました。

和田先生 私は、以前に放射線科で技師長を務めており、その経験から放射線機器のみならず、超音波検査装置や内視鏡システムの導入に関わってきました。その中で、装置の導入においては、機能や操作性、効率性、価格などを精査して、有用性の高い装置を的確に選定することを心がけています。CAD EYEについても同様の検討を行い、可能性を感じたことから、満崎先生にお話した次第です。

満崎先生

導入にあたって期待したことは。

満崎先生 健診においては、病変があるか、ないかを判断する“存在診断”が重要になります。特に、大腸内視鏡検査は、頻繁に受ける検査ではないため、一度の見落としが命に関わる事態を招くこともあり得ます。その一方で、健診は、ほとんどの方が“正常”で、その中からわずかな“異常”を見つけていくという、ある意味で単純な作業の連続で、検査数が増えるほど医師が疲労しやすい環境にあるといえます。CAD EYEを導入することで、そうした内視鏡医のストレスや疲労を軽減するとともに、診断精度の標準化も図れるのではないかと考えました。また、経営面においては、受診者の方々へのPR効果や他の健診施設との差別化にも期待しました。

検出支援、鑑別支援ともに“ダブルチェック”のような感覚

CAD EYEの使用感は。

満崎先生 手元で検出モード、鑑別モードの切り替えができるので、操作を補助してもらう必要がなく、使い勝手が良いと感じました。また、検出モード時に、病変と疑われる箇所を検出すると、画面上のマークと音で知らせてくれるので、すぐにその場所に注目できますね。

検出支援機能については。

満崎先生 やはり人間の目では画面全体を網羅的に確認するのが難しいため、医師が注視している部分も含めて“面”で検出を支援してくれるCAD EYEは有用だと思います。また、経験を積んだ内視鏡医であっても「病変がない」と確信を持って言い切るのは難しい部分があります。その中で、自分で確認して「ない」、CAD EYEでも「ない」となれば、安心感が得られますし、あたかも“ダブルチェック”をしているような感覚で使用できると感じています。

検出の感度については、便や虚脱時に隆起したひだなどにも反応しますが、それらは一目で病変ではないと判断できるので問題はありません。検出感度は高すぎるくらいで良いですし、表示や音によるアラートは適度な緊張感の維持にも役立つと思います。

鑑別支援機能については。

満崎先生 検出支援機能と同様に、ダブルチェックのような感覚で使用できるため、安心感があります。また、他の医師からは「鑑別支援機能を使用するようになってから、インジコカルミンの散布回数が大幅に減った」「不要な生検を減らすことに期待できるのでは」という声も聞いています。

和田先生

今後、CAD EYEに期待することは。

満崎先生 今後、当センターのすべての内視鏡医がCAD EYEの操作に習熟した上で、鑑別モードを使用する場面についてのコンセンサスを形成できれば、検査の精度向上と時間短縮を両立できると考えています。また、当センターに限らず、経験の浅い内視鏡医がCAD EYEを活用していくことで、検査精度の標準化にもつながると思います。

和田先生 CAD EYEの導入効果として、検査精度の向上などのデータが出せれば、非常に大きなPR材料になると思いますので、早期にデータをまとめて、積極的にPRしていければと考えています。

今後、富士フイルムに期待することは。

和田先生 富士フイルムさんはCAD EYEの他にも、AI技術を活用した「肺結節検出機能」や「エネルギーサブトラクションによる肋骨陰影除去」など、非常に素晴らしいシステムを開発されています。AI技術を活用した支援システムは、特に健診・人間ドックと親和性が高く、当センターとしてもいち早く導入していきたいと考えていますので、今後も積極的に開発を進めていただければと期待しています。

満崎先生 内視鏡システムにおいては、病変の大きさの自動計測やスコープ先端の現在位置の認識・表示、所見・記録の自動入力などを実現して、医師がより検査に集中できる環境づくりに貢献していただければと考えています。

販売名

内視鏡検査支援プログラム EW10-EC02

承認番号

30200BZX00288000

内視鏡診断支援機能「CAD EYE」

CAD EYEとは富士フイルムの内視鏡診断支援機能のブランド名称です。膨大な臨床データから深層学習(Deep Learning)を活用して開発。内視鏡検査における病変の検出と鑑別をサポートします。

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