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日本

導入事例MIRAI病院

新病院が掲げる「予防医療の充実」と「健康寿命の改善」を、AI技術を活用した機能を提供する医療クラウドサービスで後押しする

医療クラウドサービス SAI viewer画像解析クラウド 導入事例

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

「医療と福祉のシームレスな連携」を体現する医療施設として西山脳神経外科病院の意志を継ぎ、2022年9月に開院したMIRAI病院。香川県坂出市を中心とした地域に、より質の高い医療を提供するために、医療クラウドサービス「胸部X線CADサービス*1」「肺結節検出サービス*2」「肋骨骨折検出サービス*3」を導入し、医療水準の向上に努めている。

  • *1 胸部X線CADサービス:本機能は胸部X線画像病変検出(CAD)プログラムLU-AI689 型で実現しています。
  • *2 肺結節検出サービス:本機能は肺結節検出プログラムFS-AI688 型、画像診断ワークステーション用プログラムFS-V686型、画像処理プログラムFS-AI683型で実現しています。
  • *3 肋骨骨折検出サービス:本機能は肋骨骨折検出プログラムFS-AI691 型、画像診断ワークステーション用プログラムFS-V686型、画像処理プログラムFS-AI683型で実現しています。

MIRAI病院
病院長 西山 信介氏

医療体制の拡充に多角的に寄与するAI技術にもとづく機能を提供する医療クラウドサービス

MIRAI病院の特長は。

西山 信介氏 30年以上にわたり救急・急性期医療を提供してきた西山脳神経外科病院を礎に、診療科の増加や医療機器の導入により医療体制を充実させ、2022年9月に開院しました。「人々の健康増進に貢献し、地域医療の明るい未来を創造する」という理念にもとづいた医療サービスを通じて、地域の健やかな“未来”の実現を目指しています。

西山 典子氏 今まで以上に患者さまに寄り添った医療サービスを提供できるよう、婦人科では女性医師が診察する体制を敷き、安心して検査・診療を受けられるよう努めています。新科の立ち上げに伴い健診にも力を入れており、マンモグラフィ装置の導入をはじめ、胸部単純X線検査における二次読影の体制を整えました。

副院長 西山 典子氏

西山 信介氏 地域の健やかな“未来”は、「健康寿命の改善」と「働く世代に向けた予防医療」により実現できると考えています。疾病の早期発見・早期治療へと導く高度な予防医療を提供するため、当院では最新鋭の医療機器やサービスを積極的に取り入れ、診療科間の連携を強化しています。

医療クラウドサービス「胸部X線CADサービス」「肺結節検出サービス」「肋骨骨折検出サービス」を導入した経緯は。

西山 典子氏 診療・健診の画像診断に関しては、胸部単純X線画像の読影体制が課題でした。消化器内科が専門の私を含めた他診療科の医師で対応していましたが、より高度な医療提供には読影効率・読影水準の向上は不可欠だと感じていました。また、診断結果を患者さまに直接説明するにあたり、胸部単純X線画像を詳細に読み解くには時間を要するため、患者さまにお待ちいただくことがありました。そこで新病院の体制構築時に、画像診断体制の拡充を検討し、富士フイルムの医療クラウドサービス「胸部X線CADサービス」「肺結節検出サービス」「肋骨骨折検出サービス」に着目しました。同社のマンモグラフィ装置を導入する際にサービスの存在を知り、特に「胸部X線CADサービス」はAI技術を用いた支援を、「SAI viewer画像解析クラウド」が支える読影体制に組み込むことで、課題であった読影効率と正確性の向上につながると感じました。加えて、「肺結節検出サービス」は肺結節の経時変化を可視化する機能が検査体制をより強固にしてくれると思いました。

西山 信介氏 無料トライアルでいずれも問題なく稼働し、なかでも「肋骨骨折検出サービス」は、胸部CT画像を自動解析して骨折が疑われるか所を検出する点に魅力を感じました。地域の救急医療も担うため、短時間で要確認か所を検出する機能は今後必要性が高まると見込みました。病院を経営する立場としては、クラウドサービスは導入コスト・ランニングコストを抑制でき、当院の診療・検査数を考慮すると従量課金制の料金体系は魅力でした。オンプレミスサーバーの設置場所や管理が不要なこともあり、費用対効果を十分に期待できたことから導入を決意しました。

MIRAI病院 診療・健診画像におけるCXR-AIDの運用フロー

新病院の胸部単純X線検査をAI技術がサポート 見落とし防止を支援し読影医の負担軽減に貢献

運用状況と使用感は。

西山 典子氏 2022年9月の開院に合わせて運用を開始し、現時点では「胸部X線CADサービス」の稼働率が高い状況です。読影医の判断の次に「胸部X線CADサービス」が検出した領域を再度確認し、より精緻な検査が必要な場合には外部読影を行う健診フローを構築しました。現時点では健康診断受診者に使用する傾向にあり、1日あたり10件から15件の胸部単純X線画像を解析しています。一般患者診療時の胸部単純X線検査に関しても、必要時に「胸部X線CADサービス」を使用する体制を構築しています。画面上をクリックするだけで動作する簡便さも診療・健診時にはありがたく、採血や問診などの検査項目を進めている間に自動解析することで、患者さまを待たせることなく結果を説明できます。ヒートマップで精査か所が表示されるため患者さまも理解しやすく、スムーズな説明に役立っています。

印象に残った症例は。

西山 典子氏 「胸部X線CADサービス」は、読影医が注視しなければならない異常が疑われるか所をつぶさに検出している印象を受けます。解析処理のスピード感もさることながら、陰影がかかるような見えにくいか所も検出するため、見落とし防止につながっていると思います。機能性を発揮した事例としては、小さな結節が検出された患者さまをCT検査したところ肺がんと診断され、早い段階で発見できたため無事完治しました。目視では識別しにくいか所も検出するAI技術の機能が、当院が掲げる早期発見・早期治療に寄与すると実感しました。初期段階の検査や健診は早期発見・早期治療における分岐点となるため、読影医は神経を研ぎ澄ませながら取り組む必要があります。その点、AI技術が読影業務を下支えすることで、私を含めた医師の心身の負担は軽減されました。

「胸部X線CADサービス」を使用した読影風景

市民の健やかな人生を支え続けるため これからのAI技術の発展にかける期待

今後の運用展望は。

西山 典子氏 引き続き「胸部X線CADサービス」を診療・健診に使用しつつ、浸潤影の領域を示す機能を駆使して肺炎の経過観察にも活用したいと考えています。

西山 信介氏 当院が目指す「健康寿命の改善」を実現するために、3つのサービスを積極的に運用していきたいです。地域医療の現場では医療人材が限られるため、救急では「肋骨骨折検出サービス」を有用なケースで積極的に活用し、「肺結節検出サービス」は肺結節検出に加えて肺区域ラベルや所見文候補表示の機能により、読影医の画像診断業務を効率化できればと考えています。
少子高齢化や患者さまのニーズの多様化など医療業界を取り巻く環境が変化するなか、AI技術を活用した機器・サービスは、高水準の医療を安定して提供するうえでより重要になるはずです。富士フイルムには、今後もより効率的かつ高精度な医療を支援するためのさらなる進化を期待しています。

病院長 西山 信介氏

  • * AI技術:AI技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いた、コンピュータ支援検出ソフトウェア(Computer-Aided Detection=CAD)。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはない。

医療クラウドサービスは、以下の医療機器を含む製品の総称であるSAI viewerの機能をクラウド上でご提供するものです。

SYNAPSE SAI viewer 用画像表示プログラム

販売名

画像診断ワークステーション用プログラム FS-V686型

認証番号

231ABBZX00028000

SYNAPSE SAI viewer 用肺結節検出プログラム

販売名

肺結節検出プログラム FS-AI688型

承認番号

30200BZX00150000

SYNAPSE SAI viewer 用肋骨骨折検出プログラム

販売名

肋骨骨折検出プログラム FS-AI691型

承認番号

30300BZX00244000

SYNAPSE SAI viewer 用画像処理プログラム

販売名

画像処理プログラム FS-AI683型

認証番号

231ABBZX00029000

胸部X線CADサービス(CXR-AID)は、「胸部X線画像病変検出ソフトウェア CXR-AID」によって提供されるサービスです。

販売名

胸部X線画像病変検出(CAD)プログラム LU-AI689型

承認番号

30300BZX00188000

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