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日本

上部消化管におけるLCI画像アトラス

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

監修の言葉

内視鏡検査を胃がん検診に導入する自治体が増加しています。内視鏡胃がん検診では、もちろん胃癌を見逃さないことが最も重要ですが、同時に胃炎の所見からピロリ菌未感染か?現感染か?除菌後か?を見極めることも大切です。現感染の所見を診断できれば、呼気テスト等でピロリ菌感染診断を行い、胃がん予防のため除菌治療を行います。また、除菌後の症例は胃炎の所見をしっかり見極めることで、ピロリ菌の再感染の有無を診断することが可能になります。

LASEREOは光源にレーザー光を用いており、遠景も明るく鮮明に描写されます。LCIは白色光に短波長のレーザー光を加え、赤味はより赤く、白味はより白く表現するので、わずかな色味の差が強調され、病変の認識が容易になります。また、白色光がベースなので粘膜の色相相関が保たれ、目が慣れるとLCIでルーチン観察を行えるようになります。この様な特徴を持つLCIを使いこなせば「胃炎の京都分類」の診断が容易となり、スピーディかつ精度の高い検査が期待されます。

この小冊子は、先生方が内視鏡検査でよく遭遇するであろう胃炎所見を「胃炎の京都分類」で呈示するとともに、早期胃癌、早期食道癌など多彩な疾患を網羅した初めてのLCI画像アトラスです。LCIをすでにご活用されている先生方のみならず、LCIってどう見えるのだろう?と少しでもご興味のある先生方のご参考になれば幸甚です。

順天堂大学医学部消化器内科 永原 章仁

食道

食道バレット粘膜(COM1)

LC1では柵状血管が赤色~赤紫色として強調され、バレット粘膜がより明瞭となる。

使用機種:EG-L590WR

逆流性食道炎(LA-A)

LCIではmucosal breakと周囲の白色の色調変化が強調される。

使用機種:EG-L590WR

早期食道癌

弱発赤調の0-Ⅱb型早期食道癌。LCIでは赤色の色調変化がより強調される。

使用機種:EG-L600ZW7

順天堂大学附属順天堂医院 松本 紘平先生、上山 浩也先生 提供

H.pylori 未感染

未感染ではびまん性発赤などの炎症所見を認めず、LCIでは杏色として描出される。

使用機種:EG-L580NW7

H.pylori 現感染

現感染で皺襞腫大、白濁粘液を呈した胃粘膜。LCIではびまん性発赤は韓紅色で強調される。

使用機種:EG-L600WR7

H. pylori 除菌後

除菌3年後の症例。びまん性発赤や粘膜腫脹が改善している。LCIでは背景が杏色となり、地図状発赤が強調されている。

使用機種:EG-L600WR7

びまん性発赤

びまん性発赤・粘膜腫脹などの炎症所見を伴う背景粘膜が全体に見られ、LCIでは韓紅色として強調される。

使用機種:EG-L590WR

皺襞腫大、蛇行

H.pylori 現感染の胃体部に見られ、びまん性発赤を伴い韓紅色として強調される。

使用機種:EG-L590WR

点状発赤

H.pylori 現感染の症例。胃体部~穹窿部に見られ、LCIで強調されている。

使用機種:EG-L600ZW7

地図状発赤

H.pylori 除菌5年後の症例で胃体部に見られており、地園状発赤がLCIでより明瞭となる。

使用機種:EG-L590WR

陽上皮化生

H.pylori 除菌5年後の症例で前庭部小弯に発赤調の陥凹性病変を認め、LC1ではラベンダ一色で色調変化がより強調される。病理検査で腸上皮化生と診断された。

使用機種:EG-L580NW

多発性白色扁平隆起

H.pylori 除菌5年後でPPI内服中の症例。穹窿部に見られる白色扁平隆起が、LCIでは強調される。

使用機種:EG-L590WR