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日本

内視鏡画像診断支援システム「CAD EYE」使用事例

内視鏡医を最先端AIが後押しすることで実現する
内視鏡検査の見逃し防止と効率化

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

篠﨑内科クリニック 院長
消化器内視鏡専門医・指導医
篠﨑 聡 先生

年間1,000件以上の内視鏡検査により蓄積してきた膨大なデータをもとに、論文作成・学会発表を精力的に行う篠﨑内科クリニックの院長・篠﨑聡先生。研究成果をフィードバックし、患者様の心情に寄り添う地域密着型の医療を掲げる同院が、現在注力する分野のひとつが内視鏡検査である。高まり続ける検査ニーズ、そして新たに導入した内視鏡画像診断支援システム「CAD EYE」の可能性についてうかがった。

貴院における年間の内視鏡検査件数は?

当院では上部消化管内視鏡検査を1,200件ほど、下部消化管内視鏡検査を300件ほど実施しています。

貴院の診療ポリシーとは。

宇都宮市東部エリアと周辺自治体における住民の健康を担うかかりつけ医として、質の高い医療サービスの提供に努めています。

また、実地の内視鏡検査で得たデータを基に論文作成や学会発表などにも注力しており、研究成果を英語論文にしてInternational Journalに発表することが当院だけでなく、国内外の内視鏡医の先生方の一助になることを願っています。

多数の検査をこなしながらも研究に邁進するためのポイントは。

常に内視鏡検査業務の改良にも注力することで、心掛けているのは“LCI(Linked Color Imaging)の活用”と“検査効率の向上”です。当院の内視鏡検査数はコロナ禍においても減少しておらず、検査ニーズの高さを日々実感しています。その一方で、私ひとりで検査業務を行っているため、効率よく検査を進める必要があります。

そこで当院では、鼻麻酔など検査の前準備で処置室を活用しています。内視鏡を挿入する直前の段階になってから患者様を内視鏡室へと案内することで、効率的な検査の導線をつくっております。また、内視鏡所見の記入方式にチェックボックスを導入し、詳細な所見が必要な消化管腫瘍などの症例以外の大多数の所見については非常に短時間で入力ができるようにするなど、全スタッフが一丸となり地域住民の皆さんの期待に応えています。

「CAD EYE」の導入経緯は。

当院では2019年より富士フイルムの内視鏡システム「LASEREO」シリーズを運用しており、2014年発売のコントラストが明快なLCIを高く評価してきました。

そんななか、下部消化管内視鏡検査において「AI技術で病変の検出・鑑別を支援するシステムが製品化された」という情報をいただき、私は強い関心を持ちました。当院では上行結腸部分の観察では内視鏡を最低3往復させて見逃し防止に努めていますが、万が一の際のセーフティーネットとしてAI技術が機能してくれるのではないかと感じました。

また、「患者様の心情に寄り添う医療」を掲げる当院としては、患者様の不安につながるポリープなどの病変はいち早く発見し治療したいと考えており、その目標の実現に向けて、内視鏡医のサポート役として「CAD EYE」の導入を決めました。日頃LCIを使っている私としては、「LCI+CAD EYE」という組み合わせに可能性を感じました。

実際に「CAD EYE」を運用してみての使用感は。

「CAD EYE」を運用した大腸内視鏡検査は、初動段階ではありますが、すでに高い有用性を実感しています。

同システムの「検出支援モード」は、大腸ポリープの疑いのある領域が一瞬でも映り込むとモニターに表示され、2mmほどの扁平なポリープも見逃さず、しっかりと検出する精度の高さは、AI技術のなせる業ではないでしょうか。特に驚いたのが、内視鏡医が検出に神経を使うひだ裏のポリープも一瞬映っただけでしっかり検出したことです。AIの検出力の高さゆえに憩室内の残渣や偶然ポリープに似た形状となった泡などに反応し偽陽性が出てしまうという部分もありますが、それらはほぼ全て内視鏡医が見ればすぐポリープでないとわかるので、再度確認するだけで判別することが可能です。だからこそ、確認するべき箇所をくまなく検出してくれる機能は、私にとっても患者様にとっても安心につながっています。

BLI(Blue Laser Imaging)を用いた「鑑別支援モード」については、左側結腸にあるポリープの鑑別に役立っています。大腸内視鏡検査において左側結腸は終盤に位置するため、患者様の疲労状態が懸念され、患者様の心情を考えれば、ポリープの治療適応は即座に決めたいところです。そうしたニーズに対して、「鑑別支援モード」はスピーディーに腫瘍性または非腫瘍性を判断してくれるので、私も迅速に判断ができ、結果的に患者様の負担軽減につながっていると思います。また、経験の浅い内視鏡医にとってはトレーニングを兼ねた実践的機能として活用できると思いますし、検査経験が豊富な内視鏡医にとっても、迷った際の後押し役として有用だと感じます。

また、検査の効率化には機器の操作性も重要となり、その点スコープスイッチひとつで白色光・LCI・BLIを切り替えられるのはありがたいです。私は全症例において最初から最後までLCIで観察を行い、腫瘍性が疑われるポリープを見つけ次第BLIに切り替え、ズームして病変の詳細を確認しています。この一連の流れを直感的に行える“小さな工夫”が、日々の滞りのない内視鏡診療を下支えしてくれていると言っても過言ではありません。

LCIに対する評価は。

内視鏡検査においては、白色光による観察が基本となっており、そのため白色光と同じような色調で観察できるLCIは、抵抗なく使用することができました。

また、LCIは残渣の下にあるポリープも映し出すため、円滑な検査業務に不可欠な存在と考えています。今では内視鏡検査の際にはLCIのみを使い、病変を見つけた際にBLIに切り替えて観察する、といった手順で検査を行っています。

LCI+「CAD EYE」について。

白色光で検査をしていた頃、診断に用いていたのは主に病変の“形態”を観察する手法でした。そこにLCIが画像強調技術による“色”の概念を持ち込んでくれたことで、診断能がさらに向上したと感じました。そしてこの「CAD EYE」による“AI支援”が上乗せされたので、私としては診断精度のさらなる向上につながると感じています。

貴院の内視鏡検査における将来展望は。

地域の皆さんの健康保持・増進への期待に応えるためにも、ポリープと腫瘍の早期発見・早期治療を一層追求していきたいです。そのためには内視鏡医である私自身の技術向上だけでなく、「CAD EYE」の各種サポート機能にかける期待は大きいです。私も人間である以上、すべてのポリープを検出することは容易ではありません。この内視鏡医に共通するであろう歴年の課題に対し、「CAD EYE」は検査の質を担保し、要確認領域の見逃しを防ぐパートナーとして活躍してくれるのではないでしょうか。

今後「CAD EYE」に期待することは。

現時点では大腸ポリープを主に対象としたシステムで、臨床の場で十分機能していますので、今後に向けては上部消化管内視鏡検査への展開を期待しています。技術的障壁が高い分野だと思いますが、富士フイルムには開発力を活かしてぜひ製品化していただきたいです。

経験・知見をもとに患者と向き合う「内視鏡検査医」、検査精度の向上に寄与する「画像強調技術」、そしてAI技術で検出・鑑別を支援する「CAD EYE」。この“三大要素の融合”が、内視鏡検査の質の向上につながることを期待しています。

施設紹介

篠﨑内科クリニック

〒321-3223 栃木県宇都宮市清原台6-1-13

内視鏡診断支援機能「CAD EYE」とは

CAD EYEとは富士フイルムの内視鏡診断支援機能のブランド名称です。膨大な臨床データから深層学習(Deep Learning)を活用して開発。内視鏡検査における病変の検出と鑑別をサポートします。

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