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日本

超音波画像診断装置「Sonosite PX」-高度医療の麻酔領域を支える操作性と画像処理技術の進化-

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

旭川医科大学病院
笹川 智貴 先生

北海道の各地に拠点を構え、地域の高度医療を提供し続けている旭川医科大学病院。
全国の麻酔科で初めてとなる、超音波画像診断装置「Sonosite PX」の導入を通じて、臨床精度の向上と次世代の麻酔科医の育成、そして一層の医療安全の実現を図る。

多岐にわたる臨床麻酔を担う超音波画像診断装置の重要性

貴院の地域医療における役割について。

旭川医科大学病院は、道北は稚内、道東は釧路、道南の函館にも関連病院を構え、北海道全体の地域医療を担っています。求められる医療水準は高く、腹腔鏡手術や手術支援ロボット「ダヴィンチ」を用いた手術等、先端技術による高度医療を駆使し、日々地域の方々の健康に寄与しています。
麻酔科においては心臓に関わる手術における経食道エコーや超音波ガイド下の麻酔がメインになりつつ、近年は抗凝固療法をされているような重症の症例も少なくないため、神経ブロックの重要性の高まりをひしひしと感じています。

「Sonosite PX」を採用した決め手とは。

当院では超音波画像診断装置の使用頻度が高く、画質の良さだけでなく日々行われる多岐にわたる臨床に耐えられるか、というタフさも非常に重要となってきます。これまでも富士フイルム「Sonositeシリーズ」を運用してきた経験から、画質の良さと堅牢性の高さについては不安はありませんでした。さらに、2021年1月に新たに発売された「Sonosite PX」は高性能に加えサイズも魅力。手術室間の移動が容易で、スペースが限られる手術室内においても他の機器と共存できるコンパクトなサイズだったことから、医療の質のさらなる向上に寄与する存在として「Sonosite PX」の導入を決めました。

新技術による画質の向上が臨床精度に“違い”をもたらす

新装置、次世代人材と共に目指す安全安心な地域医療の実現

「Sonosite PX」の臨床以外における運用は。

若手の麻酔科医の教育に「ラーニング機能」を活用しています。様々な症例をまとめた3D動画教材は極めて貴重で、画質も鮮明で分かりやすいので私としても指導しやすいです。構造物情報とエコー画像を2面表示する動画構成も、若手にとっては実際に臨床している雰囲気をつかむ経験につながっています。特に、救急領域の肺エコーや心臓エコーなどは練習素材として得にくいため、今後も次世代育成のための教材として重宝すると思います。

今後想定される「Sonosite PX」の使用領域は。

全国にある大学病院の中でも、当院は特に小児症例が多いことから、小児領域においての運用を推し進めていきたいと考えています。リニアプローブ「L19-5」は小児の細い血管もしっかりと描出し、コンパクトなヘッドは穿刺ポイントに近づけるうえで最適です。穿刺は合併症につながりかねない非常にセンシティブな手技であるため、医療安全の観点からも信頼の置ける超音波画像診断装置は不可欠。現時点で、当院では小児の中心静脈はもちろん末梢末端の動脈・静脈を描出し穿刺する症例が増加していることから、より安全な手技が求められる現場で、「Sonosite PX」は重宝されることでしょう。

今後、富士フイルムに期待することは。

「Sonositeシリーズ」においては、画像処理技術を一層磨いてほしいです。すでに針の視認性の高さは特筆ものですが、針の先端まで明瞭に描出されればより精度の高い臨床につながり、当院が目指す“安心安全な高度医療”の恒久的な実現の後押しとなります。また、医療安全の実現には画像やカルテといった医療データの適切な管理も忘れてはいけません。ITソリューションにも長けた富士フイルムには、麻酔科にとどまらず当院全体の運営を支える存在としても大いに期待しています。