このコンテンツは医療従事者向けの内容です。
看護職が勤務している医療機関等における、看設業務の効率化による医療・看護サービスの充実を実現した取り組みを表彰する、「看護業務の効率化先進事例アワード2020」(日本看設協会主催)。携帯型エコーを活用し、多職種連携による正確なアセスメントと患者への早期介人を実現し、緊急訪間や電話相談回数が減少するなど、患者の生活の質を高めることに貢献したことが高く評価され、2020年度の最優秀賞を受賞した訪問看護ステーションフレンズ。その取り組みの内容や成果についてお話をうかがった。
訪問看護のストレスが軽減した
北海道函館市を拠点とする看護職員数19名のステーションです。訪問エリアは函館市内のみならず近隣市町村に及び、100km以上の遠隔地にも訪問しています。
私はもともと産婦人科での勤務が長く、日常的にエコーを使用してきましたが、訪問看護では問診や視診等が中心だったため、エコーを用いた正確なアセスメントの必要性を感じていました。そうした中で、エコーの研修プログラムを修了し、排泄ケアの指導者資格も取得した上で、iViz airのリニアとコンベックスを導人しました。
携帯型エコーを、在宅患者さんの「食べる」、「出す」、「寝る」を支援するために活用しています。地域医療システムにより、エコー画像を医師とタイムリーに共有。訪間中、その場でケアプランに活かし、的確なケアの提供を実施した取り組みを評価いただきました。
患者さんの状態をエコーで可視化することで適切なケアが選択でき、不要なケアの削減や緊急訪問等の減少につながりました。また、スタッフからは、“見える”ことで訪問看護のストレスが軽減し、自信を持ってケアができるようになったという声も聞いています。

iViz airを用いた技術研修の様子。
在宅のベッド周りには、たくさんのものが患者さんにとって使いやすいかたちで置かれているため、それらを動かすのは避けるべきです。そうした環境の中でも、ワイヤレスであればタブレットを置く場所を選ばないので、とても助かっています。また、コンベックス、リニア共に画質が良く、コンベックスは、膀胱や直腸が見やすいと感じています。さらに、患者さんやご家族に画像を見せられるので、どういう状態なのかが説明しやすく、ケアにも納得してもらいやすくなりました。
日々エコーを用いてアセスメントを行うとともに、スタッフヘの指導を行う中で感じたのは、正しくエコーを使用することの大切さです。エコーはプローブを当てれば画像が出ますが、解剖を理解し、技術を身につけなければ、正しい画像を得ることはできません。また、画質が悪ければ、評価を誤る可能性もあります。したがって、正確なアセスメントを行う上では、しっかりと技術を習得し、高画質の装置を使用することが重要になると考えています。