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日本

ポータブルエコーのインタビュー

頭頚部外科医が提言するポータブルエコー活用の利点
「ワイヤレス」が手術時に有用な理由

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

神奈川県立がんセンター
頭頸部 外科部長
古川 まどか 先生

神奈川県立がんセンターで、頭頸部外科医として従事しています。頸部から上の眼球と脳を除いた「頭頸部領域のがん」の診断と治療を行っています。私たちの診療現場では、悪性疾患を取り扱うため、初診時にいかに多くの情報を得るかが鍵になります。その中で、20年以上前からエコーを活用しており、一貫してエコー活用の有用性と、手軽に使用可能なポータブルエコーの必要性を強く感じています。

エコーで嚥下機能の評価を行う

高齢の方を中心に、嚥下機能障害の低下が問題となっていますが、病院の検査室まで足を運ぶことは、高齢の方にとってはハードルが高いことです。
入院中のベッドサイド、在宅や施設など日常の食事に近い環境下で、嚥下運動を評価できれば、最適な食物形態を選択でき、リハビリに直結するのではと考えます。

ワイヤレス型ポータブルエコーなら、どこへでも持参し、自由な体勢でエコー検査を行うことが可能です。嚥下運動のうち最も誤嚥に関係する口腔・咽頭の動きをいかにエコーで可視化し、客観的に評価していくか、そのための標準的手法を打ち立てていくことが課題だと考えています。

残留あり

残留なし

患者さんの不安を少なくするためにエコーを活用

当院に来られる患者さんは、他の医療機関からの紹介ですが、紹介状の疑い診断と実際の診断が異なることもしばしばあります。

頸部という部位は、狭いスペースにさまざまな臓器が集中しています。専門医でない場合、一見して正しい診断をするのが難しいのが現実です。例えば、「耳下腺腫瘍」として紹介されてきた患者さんを診た結果、耳下腺腫瘍ではなく、リンパ節が腫脹しており、がんのリンパ節転移であったということも珍しくありません。

したがって、当院の初診にて正しく診断し、患者さんが理解しやすいように説明していくことが、私たちの使命だと思っています。

一方、実際にはがんではないのに、「がん」と言われて紹介されて来られる患者さんもいます。もし「がん」ではないのであれば、できる限り早くその心理的負担やショックを取り除いてあげなくてはなりません。そのような場面で、初期診療においての日常的なエコーの活用が大きく貢献します。

これまで、クリニックなどにとってエコーの導入はハードルが高かったわけですが、ポータブルエコーであれば比較的容易に手が届くはずです。耳鼻咽喉科・頭頚部外科クリニックの初期診療においてもエコーを取り入れることで、正しい情報のもときちんとした病状説明ができれば、不用意に不安を与えることなく、また、心理的負担やショックを受けたとしてもそこから立ち直り前向きに治療に臨む気持ちで当院を受診していただけるのではないかと思います。

若い世代の医師とエコーの親和性

頭頚部のエコーは、約30年以上前から使われていますが、当時はまだ、画質や性能が発展途上でした。そのため、エコーが進化した今でも、エコーは検査者の技量に左右されるため客観性に乏しいと思い込んでいる方もいらっしゃいます。

一方、若い世代の先生は、幼い頃からパソコンやゲームが身近にあったため、「バーチャル」と「リアル」のリンク付けも容易にこなしてエコーの受け入れが良く、さらに、使いこなすスピードも速いです。今後、若手医師をターゲットに積極的にエコー教育を行っていきたいと考えています。この1、2年でエコーの普及が進むのを楽しみにしています。
 

販売名

FWUシリーズ

認証番号

301ABBZX00003000