複合機やプリンターでは、お客様が使用していない時間には、節電モードとして消費電力を抑えることで高い省エネ性能を備えています。しかし、節電モードを解除する操作や復帰を待つ時間に対して、煩わしさを感じるなどの声が上がっていました。
これに対し、当社では、お客様が近づいたら自動で節電モードから復帰して、複合機の前に立ったときにはメニュー画面が準備されているSmart WelcomEyes技術*1を開発しました。今回は、このSmart WelcomEyes技術を、当社独自技術のSmart Addressable VCSELを活用した測距センサーと新しいシステム電力制御を組み合わせることで、より高い利便性と省エネ効果の両立を実現しました。
Smart Addressable VCSELとは、プリンターの小型化や静音化を可能にする自己走査型発光素子(SLED*2 )技術と、高速かつ高解像度を可能にする面発光レーザー(VCSEL*3)技術を融合したものです。1チップ内に集積された選択回路により、分割された領域を独立して発光できる自社開発の新しいレーザー光源です。この新規光源に広角投影レンズを組合せることで、広範囲な領域を走査してセンシングできるようにしました(図1-1)。更に、距離や衣服の反射率の違いに広く対応するため、受光量に応じた照射光量の切替え機能を実装しました。また、設置場所などの環境変化にも対応して距離を正確に測定し続けるため、自己校正機能を実装しました(図1-2)。これにより、お客様の動きを正しく識別できるようになり、利便性の高い、節電モードからの高速復帰を実現しました。
図1-2: Smart Addressable VCSELを利用した測距センサー
当社独自の新規光源を用いた測距センサーにより、複合機までの距離を広範囲で正確に測定でき、さらに高性能な人検知アルゴリズムによるデータ処理で、複合機の利用者を正確に識別することができます。
歩行者検知エリアと利用者検知エリアを設定し、複合機から離れた歩行者検知エリアで、人を検知したら、低消費電力部分の復帰(プレ復帰)を開始します。その後、複合機に近い利用者検知エリアで利用者を識別した時点で、使用できる状態に復帰させます。これにより、体感待ち時間で約1秒*4の高速復帰を実現しました(図2-1)。
また、Smart Addressable VCSELでは、複数の領域を周期的に走査して、対象物との距離を測定できるため、その動きを把握することができます。これにより、人と物、座っている人、通行人と利用者の違いを識別することで、無駄な電力消費を抑制しています(図2-2)。
図2-2: お客様の動きを判断した高速復帰
さらに、利用者の動きを正しく識別できるようになったことから、原稿を置き忘れて複合機から離れた利用者には、報知音やUI表示でお知らせすることも実現しています。個人情報や機密情報の漏洩防止に役立ちます。また、複合機から利用者が離れたことを検知した時には、自動でリセットする機能も提供しました。設定残りによる次の利用者の誤操作や誤送信が防止され、またログオフ忘れによる不正利用の心配も減ります。
- *1 Smart WelcomEyesおよびSmart Addressable VCSELは、富士フイルムビジネスイノベーション株式会社の登録商標または商標です。
- *2 Self-Scanning Light Emitting Device
- *3 Vertical-Cavity Surface-Emitting Laser
- *4 当社評価条件にて算出した数値
Smart WelcomEyes技術の開発者インタビューはこちらからご覧ください。









