LLM(大規模言語モデル)とは?基本からわかりやすく簡単に解説

2026.01.16

LLM(大規模言語モデル)とは?基本からわかりやすく簡単に解説

LLM(大規模言語モデル)とは?基本からわかりやすく簡単に解説

LLM(大規模言語モデル)とは、大量のテキストデータを学習することで、自然な文章を生成したりテキストを理解したりできるAIモデルのことです。ChatGPTをはじめ多くのAIツールで使用されています。

実は身の回りのさまざまな場面で使用されていますが、どういった技術なのかわからない方もいるでしょう。そこで、LLM(大規模言語モデル)の概要や仕組みといった基礎的なところから、できること・具体的な活用例や今後の課題まで、解説します。

LLM(大規模言語モデル)とは

ビジネスシーンで頻繁に耳にするようになったLLM(大規模言語モデル)は、膨大なテキストデータを学習した高度な言語モデルです。

従来よりも「計算量(コンピューターが処理する仕事量)」「データ量(入力された情報量)」「パラメータ数(計算に必要な係数の集合体)」の3つの要素が大幅に強化されたことで、文章要約・テキスト生成・質問応答などの精度が飛躍しました。

LLMを正しく理解するために、関連するIT用語である生成AI、NLP(自然言語処理)との違いを解説します。

LLM(大規模言語モデル)は、生成AIという枠組みの中に含まれる技術の一つです。

生成AIは、新しいコンテンツを生み出すAI技術全体の総称を指すため、内訳としてテキストや画像、音声、プログラムコードなど、多種多様なものが含まれます。

対してLLMは、言語の理解と生成に特化した技術(生成AIの一種)です。膨大なテキストデータを学習することで、より高度な言語理解を実現しています。

ただし、近年ではテキストだけでなく、画像や音声など複数の情報を同時に処理できるマルチモーダルLLMも登場しており、この領域は急速に進化している分野です。

LLM(大規模言語モデル)は、NLP(自然言語処理)という広い分野の手法の一つです。

NLPは、人間の言語をコンピューターに理解・解釈させるための技術全般を指し、文章分類、感情分析、機械翻訳、音声認識、情報抽出など幅広いタスクを含みます。

一方、LLMはその中でもとくに大量のテキストを学習し、文脈を踏まえて文章を生成・理解することに特化したAIモデルです。人間の脳の神経回路をまねたニューラルネットワークを何層も重ねて学習する深層学習(ディープラーニング)の仕組みを使って作られています。

LLM(大規模言語モデル)の仕組み

LLM(大規模言語)モデルは、次のような仕組みで構築されています。

  • トークン化:入力文を最小単位に分別
  • ベクトル化:トークンを数値に変更・分類
  • 学習:単語の出現率や文法的な構造、単語間の関係性などを学習
  • 文脈理解:プロンプト内の各トークンとの関連性・つながりを理解
  • デコード:出力用のデータへ変換して出力

このように入力されたテキストをコンピューターが理解しやすいように加工して、内容を把握したうえで、データを人に伝わる形式(テキスト)に変換して出力しています。

大量のテキストデータから学習し、文脈を理解して適切な応答を生成する仕組みになっています。人間のような自然な文章生成を可能にするのがLLMの特徴です。

LLM(大規模言語モデル)でできること

LLM(大規模言語モデル)は、テキストにかかわる以下のようなタスクを高い精度で実行できます。

  • 文章の作成・要約・校正・言い換え
  • 文章の分類
  • 質問に対する回答
  • 情報の検索・抽出
  • プログラムのコードチェック
  • バグチェック
  • 多言語翻訳
  • 感情分析

テキストに関連する幅広いタスクを実行可能で、業務効率や生産性のアップ、省人化などに貢献します。

たとえば、人間なら読むだけでも大変な膨大なマニュアルも短時間でインプット可能です。そのまま内容を要約させれば、従来よりも効率的に内容を理解できるようになります。

LLM(大規模言語モデル)の具体的な活用事例4選

さまざまな場面で活躍するLLM(大規模言語モデル)ですが、実際にどのように活用されているのか、具体的な事例を紹介します。

  • 商品管理:大規模な商品の自動カテゴリー分類
  • 落とし物管理:落とし物情報の登録時間が短縮
  • 顧客対応:顧客対応の文章要約にLLMを導入
  • ヘルプデスク:問い合わせ対応の処理時間を短縮

何千何万とある商品を正確にカテゴリー分類するのに、LLMが役立っています。

膨大な商品を手作業で分類するのは大変な作業で、大きなコストがかかるものです。

そこで商品名や説明文から、AIに特徴を抽出・理解させるようにすれば、最適なカテゴリーに自動で振り分けることが可能です。分類精度が向上するのはもちろん、運用コスト削減にもつながります。

落とし物管理のシステムにLLMを導入すれば、AIが自動でカテゴリー分類・品名・特徴タグなどを生成・登録してくれ業務の省力化につながります。

商業施設や交通機関では、拾得物の情報を一件ずつ手作業で入力するのは手間と時間がかかり大きな負担となる作業です。手入力による誤記や担当者ごとの表記揺れなど、検索精度の低さも課題です。

管理システムにLLMを導入すると、撮影した写真をアップするだけでAIが自動分析してくれるなど、手間を削減しつつも高精度な登録作業が実現します。

顧客対応にLLMを導入することで、担当者がこれまでのやり取りや顧客の要望、重要な確認事項などを短時間で効率的に把握できるようになります。

ユーザーからのヒアリング内容や状況報告などが長くなると、どうしても電話応対記録が長文になりがちで、担当者への引継ぎに時間がかかったりヌケモレが出やすくなったりします。

LLMが音声認識でテキスト化された対話記録を自動で要約すれば、対話記録の確認時間が大幅に削減され、顧客対応のスピードアップおよび担当者の業務負荷軽減につなげることが可能です。

ヘルプデスクのオペレーター向けに、LLMを活用して回答案を自動生成できるようにすると、問い合わせ対応にかかる時間を大きく短縮できます。

社内・社外からの問い合わせがあった際に、オペレーターは膨大なナレッジから関連情報を探し出す必要があります。そのためオペレーターごとに、回答時間や回答の質にバラつきが出やすいのが課題です。

生成AIに過去の膨大なナレッジを学習させれば、ユーザーの問い合わせに関連する過去の事例・参照すべきドキュメントを瞬時に特定できるようなり、迅速かつ質の高いサポートを提供できるようになります。

LLM(大規模言語モデル)が苦手なこと

多岐にわたる分野で業務効率・生産性のアップに貢献してくれるLLM(大規模言語モデル)ですが、以下のように苦手とする分野や領域もあります。

  • 最新情報の取得
  • 感情・倫理にもとづく判断
  • 高度な専門性が必要なタスク

LLMはあらかじめ学習済みのデータをもとに回答を生成するため、時事ネタのような最新情報が必要なタスクは苦手です。たとえば、当日のニュースを要約したり、スポーツのリアルタイムな結果を確認したりといった作業には適しません。

人間の感情や倫理観をもとにした判断も、苦手です。LLMは学習資料に含まれる単語のつながりや出現頻度をもとに文章を生成しているに過ぎないため、言葉の表面的なつながりしか捉えられません。

言葉の背後にある意味や論理構造までは理解できないため、デリケートな問題に直接的な表現を用いたり、不適切なニュアンスで回答したりするリスクがあります。

また、医療や法律など特定分野の専門知識が求められる場合も適していません。不正確な回答や表面的な回答しかできない可能性があるため、専門家による判断・サポートが不可欠です。

LLM(大規模言語モデル)の課題

LLM(大規模言語モデル)が得意な分野で活用する場合でも、注意しておきたい課題があります。とくにビジネスで活用するうえでは、必ず理解しておくべきことです。

以下の2つの課題を紹介するので、内在するリスクを把握したうえで、有意義にAIを活用しましょう。

  • ハルシネーション問題
  • 出力データの偏り・倫理的な問題

LLM(大規模言語モデル)が抱える最も代表的な課題が、事実にもとづかない情報・架空の情報を生成するハルシネーション(幻覚)です。

LLMの「それらしい単語を予測して文章を生成する」という仕組みが仇となり、本当っぽい嘘を生成してしまう現象です。ハルシネーションによって顧客へ誤った情報を提供してしまったり、不正確な情報をもとに経営判断してしまったりするかもしれません。

AIの進化とともに減少していくと考えられますが、完全な防止は難しい問題です。

そのためハルシネーションが起こることを前提に、出力された情報を鵜呑みにせず、必ず人間が事実確認を行うよう運用することが大切です。

LLM(大規模言語モデル)は、学習データであるインターネット上に存在する、人間社会の多種多様なバイアス(偏見)を吸収しやすいため、偏りがある・倫理的に問題のある回答が出力されるリスクがあります。

たとえば、特定の職種と性別を強く結びつけたり、特定の属性を持つ人々に対して固定観念にもとづいた表現を用いたりする可能性があるなど、ビジネス上での使用においてコンプライアンス違反になる恐れがあります。

もしユーザーに対して出力されてしまえば、企業のブランドイメージを損なうだけでなく、社会的な信頼を失う原因にもなりかねません。

対策としては人種差別や性差別などの偏見が含まれていない学習データを整備したり、最終的に人の目でチェックしたりといった管理が必要となります。

LLM(大規模言語モデル)の代表的な種類と特徴

ひと口にLLM(大規模言語モデル)といっても、さまざまな企業が開発・研究していることから、複数の種類があります。それぞれ異なる特徴があり、各種ツール・サービスに活用されています。

以下4つが、代表的なLLMです。

LLMの種類 開発会社 特徴 活用例
BERT Google社 前後の文脈を理解して、より正確に意味を認識できる。
事前に大量のテキストデータで学習されているため、すぐに適用できる。
検索エンジン、翻訳、チャットボット
GPT-4シリーズ OpenAI社 文章作成や翻訳タスクの精度が高い。
テキストだけでなく画像からも情報を学習できる。
人間からのフィードバックを通じて、学習内容を改善できる。
ChatGPT、Copilot
Gemini Google社 会話型のタスクで高い精度を発揮する。
膨大なテキストとコードのデータセットを学習している。
文脈を理解したうえで、人間と自然な会話を行える。
Gemini
Claude ai Anthropic社 長文処理能力が高く、膨大な文章量でも一度に読み込み、わかりやすく要約できる。
GPT-4並のパフォーマンスを低コストで実現できると注目されている。
AIアシスタントのClaudeシリーズ

このようにLLMというくくりでも、得意分野が異なっているため、自社で抱える課題解決にはLLMごとの違いを把握することが大切です。

LLM(大規模言語モデル)は、生成AIの一分野でテキスト生成に特化したものです。カテゴリ分類や文章要約、問い合わせ対応など、幅広い分野で業務効率化・生産性向上に貢献してくれます。

ただしハルシネーション問題や出力の偏りといった課題も存在するため、リスクを把握したうえで適切な対策を設けることが大切です。

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