2025.09.08
コパイロット使い方ガイド!
Excel・パワポとの連携方法&6つのコツ

作業効率・生産性を高めるためにAIアシスタントを導入したいと思っても、なかなか使いこなすのは難しいでしょう。
そこで初心者でも、すぐにCopilotの活用法を習得できるように、プロンプトのコツを紹介します。使いこなせるようになれば、議事録作成やメール返信、プレゼン資料の作成など面倒な作業にかかる時間を大幅に短縮できるようになります。
またMicrosoft 365との連携方法や覚えておきたい注意点も解説するので、AIアシスタントと協力して、より付加価値の高い作業に集中したり業務効率化を実現したりできるようCopilotへの理解を深められます。
Copilotとは?

そもそも「Copilot」とは、どのようなサービスなのか基本的な事柄を把握しておきましょう。
Copilotについて理解を深めるために、以下の3点を解説します。
- 会話型AIアシスタントCopilotの特徴
- Copilotの種類と機能の違い
- 対応デバイスと環境
会話型AIアシスタントCopilotの特徴
Copilotは、Microsoft社が開発した会話型AIアシスタントで、OpenAIの大規模言語モデル技術を活用している点が特徴です。
「営業資料を作成して」「データを分析して」といった日常会話のような指示だけで、高度な業務を自動化できます。まるで「隣で資料の下書きを作ってくれる優秀な部下」のような存在として機能してくれる存在です。
Copilotの最大の特徴は、Microsoft製品のWordやExcel、PowerPoint、Outlook、Teamsなどと連携して動作できることです。テキストで指示するだけでメールの下書き作成やスライド・図表の作成、議事録作成などを行ってくれ、業務効率のアップに貢献してくれます。
ただし、AIが生成した内容には事実と異なる情報(ハルシネーション)が含まれる可能性があるため、必ず人間による検証と最終確認が必要です。
Copilotの種類と機能の違い
Copilotには主に「個人向け」と「法人向け」が存在します。ビジネスで活用する場合、法人向けのモデルを選びましょう。
主に下記4つのモデルがあり、それぞれ特徴が異なります。
| プラン名 | 主要機能 | 対象ユーザー |
|---|---|---|
| Microsoft Copilot(無料版) | 基本チャット、Web検索 | 個人・一般ユーザー |
| Microsoft Copilot Pro | 優先アクセス、一部のOffice製品との連携 | 個人・一般ユーザー |
| Microsoft 365 Copilot Chat | Microsoft 365アプリで作成されたデータの参照 | 一般法人 |
| Microsoft 365 Copilot | 組織データ連携、Teamsを含めた全Office製品との連携 | 大企業 |
出典:Microsoft Copilot Pro
出典:ビジネス向け Microsoft 365 Copilot のプラン
個人向けのMicrosoft Copilotは無料で利用できる対話型生成AIで、Microsoft EdgeやBing、Windowsなどでも利用可能です。
Microsoft Copilot Proは、上位モデルへの優先アクセスや月ごとのAIクレジット付与、WordやExcel、PowerPoint、Outlookなど一部のMicrosoft 365アプリとCopilotが連携できるのが特徴です。
法人で活用する場合は、Microsoft 365 Copilot ChatもしくはMicrosoft 365 Copilotを活用しましょう。Microsoft 365 Copilotは、組織内のメール、チャット、ドキュメントにアクセスして、業務固有の文脈を理解したうえで支援してくれます。
たとえば、無料版では「営業資料を作成して」という簡単な指示しかできませんが、法人版では「先週のTeams会議の議事録とABC社からのメールをもとに、同社向けの提案書を作成して」という具体的で実践的な指示が可能になります。
対応デバイスと環境
Copilotは、デバイスや環境を選ばずに利用できます。WindowsはもちろんMacにも対応しており、Android・iOSといったスマホからもアクセスできます。Web環境さえあれば、どこからでも利用可能です。ただし、Copilotが参照するデータは、OneDriveやSharePoint Onlineなどクラウドストレージに保存されている必要があります。
また、WordやExcel、PowerPointなどと連携できる法人向けのMicrosoft 365 Copilotにもモバイルアプリ版があり、Android・iOSどちらにも対応しています。
CopilotとChatGPTの違い

CopilotとChatGPTは、どちらもOpenAI社が開発したGPT-4などの大規模言語モデル(LLM)を使用しています。共通のモデルを使用していることから基本的には似ているのですが、Copilotの場合はOffice製品に最適化されています。
前述したようにCopilotはMicrosoft製品との統合性を重視しており、WordやPowerPointなどと連携しての業務支援に特化している点が大きな違いです。
また、セキュリティー面でも異なります。Microsoft 365 Copilotは、Microsoft 365のセキュリティーポリシーに沿って動作し、ユーザー認証やアクセス制御が一元的管理され、やり取りや操作の履歴はMicrosoft 365に保護されます。組織ごとのポリシーに準拠した制御・監査が可能な、安心のセキュリティー構成です。
Copilotの基本的な使い方

Copilotの基本的な使い方には、主に以下2パターンあります。
- 日常業務での活用
- クリエイティブ業務での活用
1.日常業務での活用
Copilotは、メール作成、レポート作成、議事録要約などの日常的なオフィス業務を効率化でき、より生産性の高い業務に集中しやすくなります。
たとえば、メール作成においては、定型文の生成・返信内容の提案などを行ってくれるため、非生産的な業務の時短につながります。
実際、2023年に公表されたMicrosoft Work Trend Indexの調査によると、67%のユーザーがCopilotの活用による時短のおかげで、より重要な仕事に集中できるようになったと回答しました。平均で1日14分、1週間で1.2時間分の時間を節約できたと報告されており、1か月に換算すると約5時間もの時間を節約できる計算です。
出典:Work Trend Index スペシャルレポート Copilot の初期ユーザーから学ぶ、生成 AI の職場での可能性
2.クリエイティブ業務での活用
画像生成や記事コンテンツの制作、SNS投稿文作成、アイディアの創出といったクリエイティブ業務においても、Copilotはサポートしてくれます。
たとえば、ドラフトの作成・デザインの叩き台生成などを行ってくれるので、クリエイターがゼロから始めるよりも、効率的にコンテンツを作成可能です。これによりスピーディーに作成できるのはもちろん、ブラッシュアップに集中できるため品質の向上にもつながります。
また、生成内容に対してフィードバックを行うことで、より精度は高まっていき、満足できる結果に近づけていくことが可能です。
法人向けCopilot×Microsoft 365の使い方

無料版でも十分に業務効率化に役立つCopilotですが、法人向けのMicrosoft 365 Copilot ChatもしくはMicrosoft 365 Copilot(有料)を使用してMicrosoft 365との連携を深めれば、さらなる業務効率化が可能です。具体的には、以下の業務効率化ができるようになります。
- Excelでのデータ分析
- PowerPointでのスライド資料作成
- Wordでの文書作成支援
- Outlookでのメール要約・作成
- Teamsでの議事録作成
1.Excelでのデータ分析
CopilotとExcelを組み合わせることで、データの分析・可視化を行えます。
従来のピボットテーブルや関数の知識がなくても「売上上位5つの商品を表示して」「地域別の売上トレンドを棒グラフで示して」といった指示だけで、高度な分析結果を得ることが可能です。
売上分析はもちろん在庫管理や需要予測、キャンペーンの効果などさまざまなデータの分析に使用でき、膨大なデータを手作業で分析する必要がなくなります。
また、データのグラフ化や強調表示も可能なので、分析したデータをグラフやチャートに変換して、視覚的に理解しやすくすることも可能です。プレゼン資料に使ったり社内で共有しやすくしたりと、データの加工にも役立ってくれます。
2.PowerPointでのスライド資料作成
CopilotとPowerPointを連携させると、プレゼンテーション作成の最大の課題である「白紙の状態からの開始」を解消可能です。簡単なトピックを入力するだけで、テキストや画像を含む完全なスライドセットが自動生成されます。
たとえば「新製品マーケティング戦略についてのプレゼンテーションを作成」と指示すると、導入、市場分析、戦略、実行計画、まとめという論理的な構成でスライドが作成されます。Copilotで参照するファイルを選択することもできるため、Wordで作成した文書ファイルをもとに作成することも可能です。
また、既存のプレゼンテーションに対して、スライドや画像を追加したり内容を整理・要約したりと、ブラッシュアップするのにも使えます。
3.Wordでの文書作成支援
CopilotとWordを組み合わせると、文書作成をAIが支援してくれることで、作業効率がアップします。
新規文書を作成する際は「Copilotで下書き」機能を使用すると、簡単な指示から完全な文書構成を自動生成することが可能です。たとえば「顧客向けの提案書を作成して」と指示するだけで、読みやすく理解しやすい構成で下書きを作成してくれます。
プロンプトに顧客情報も入力しておけば、顧客の状況にマッチする提案書を作成してくれます。Word・PDF・PowerPointなど参照ファイルをもとにライティングすることも可能なので、参照データがあればプロンプトへの情報入力を省いて、よりスマートな資料作成が可能です。
4.Outlookでのメール要約・作成
CopilotとOutlookをともに使うことで、日々大量に処理するメール業務の効率化が実現します。
最大の特徴は、AIがメールの重要なポイントを自動的に抽出して、簡潔にまとめてくれる点です。
たとえば、取引先から送られてきた長い提案書や複数の話題が含まれる社内連絡メールなど、瞬時に情報を受け取れないメールでも、重要な情報を素早く理解・対応できるようになります。
使用方法は簡単で、メール上部の「Copilotによる要約」をクリックするだけです。PDF、Word、PowerPointなどの添付ファイルの内容も要約対象となるので、情報を見逃しません。
返信時には、「新製品に関する問い合わせ返信を作成」と指示を出すだけで、適切なトーンと内容の返信文が自動生成されます。
5.Teamsでの議事録作成
CopilotとTeamsを使うと、リアルタイムで会話内容をまとめたり、議事録を作成できたりと、会議やミーティングの効率がアップします。
最大の特徴は、リアルタイムでの会議支援機能です。会議中にCopilotが自動で文字起こしをしてくれるため、それまでの会議内容が理解しやすくなるのと同時に、途中参加者がいても迅速に状況を把握できます。
会議終了後に「会議の内容をまとめて議事録を作成して」とプロンプトを入力するだけで、議事録を作成・共有可能です。
会議内容が抜け落ちたり、議事録を作る手間を省けたりすることで、質の高い会議が実現します。
Copilotを効果的に活用する6つのコツ

使いこなせば業務効率を格段にアップさせてくれるCopilotですが、効果的に活用するにはコツが必要です。以下6つのコツを紹介するので、押さえておくとスムースに使いこなせるでしょう。
- 目的を説明する
- 場面と役割を設定する
- 回答の表現・出力方法を伝える
- 英語で指示する
- 会話を投げかけて精度を高める
- Copilot自身にプロンプトを考えてもらう
目的を説明する
「何をして欲しいか」だけでなく「なぜその作業が必要なのか」という目的を明確に伝えることで、AIが文脈を正確に理解できるようになり、的確な回答を返してくれやすくなります。
たとえば、同じ資料作成でも「顧客へのプレゼン資料」と「社内会議用の売上データ」では、内容が大きく異なるはずです。こうした前提となる目的をCopilotに伝えることで、目的に沿った内容が出力されやすくなります。
プロンプト作成前に「この作業の最終目標は何か?」「誰がこの情報を使うのか?」「どのような状況で使用されるのか?」を整理しておくことが重要です。
【プロンプト例】
- 資料作成:社内のマニュアルを使って、新人研修に使う資料を作成して。テーマは電話対応です。
- 文章要約:添付資料を、中学生でもわかるように500字以内で要約して。難しい言葉は使わず、箇条書きで3つのポイントにまとめてください。
- メール文作成:○○部長への会議日程調整メールを作成して。内容には、来週の会議日程相談と会議の候補日時(8/25 14:00〜15:00、8/26 10:00〜11:00)を含めてください。敬語を使い、丁寧な口調でお願いします。
- SNS投稿文作成:弊社の新商品○○の発売を告知するX(旧Twitter)の投稿文を2パターン作成して。1つは親しみやすい口調で絵文字を使い、もう1つは少しフォーマルな口調でお願いします。ハッシュタグとして「#新商品」「#△△」「#××』を含めてください。
場面と役割を設定する
ロールプレイングのように、AIに場面と役割を伝えるのも有効な方法です。
「あなたは〇〇の専門家です」という役割設定(ペルソナ)をCopilotに与えると、AIが持つ膨大な知識の中から適切な専門領域にアクセスして、質の高い回答を生成できます。
役割に加えて、背景情報として自分の立場や、周囲の状況、想定されるシーンなども付け加えることで、提案される内容の方向性やニュアンスが調整されるため、精度の高い返答が期待できるでしょう。
たとえば「あなたはプロのマーケターです」と簡単に設定するよりも「あなたはプロのマーケターです。新たな主力製品開発のために、菓子業界で培った技術を活かせる市場を探しています」のように、具体的な場面・役割を設定すると、より専門性の高い回答が得やすくなります。
【プロンプト例】
- プレスリリース作成:あなたはプロのライターです。人気キャラクター○○と弊社の主力商品△△とのコラボ商品の発売をお知らせするプレスリリースを作成してください。発売日は8月20日で、価格は税込み7,800円です。
- 文章校正:あなたはプロの校正者です。以下の文章を、語彙が重複しないように修正してください。また、よりプロフェッショナルな印象を与えるように、表現を洗練させてください。修正前・修正後を並べて提示してください。
- アイディア出し:あなたはプロのマーケターです。新しいカフェの集客方法について、ターゲットを20代女性とし、SNSを活用したアイデアを5つ提案してください。各アイデアには、具体的な施策と期待される効果を100字以内で説明してください。
回答の表現・出力方法を伝える
回答の表現・出力方法を指定することで、よりイメージに近い回答を得やすくなります。期待通りの回答を得られれば、生成された文章を修正する手間を省け、より効率的になるでしょう。
たとえば、単に「会社説明の資料を作って」と指示するのではなく、「学生向けにわかりやすく、カジュアルなトーンで会社説明の資料を作って」と回答の表現方法を指定することで、かしこまり過ぎない柔らかな表現で出力してくれます。
場面に適した表現に対応してくれるので、使用するシーンに応じた回答表現を指定することが大切です。
また、出力方法の指定も可能です。「表にまとめて」「箇条書きにして」と指示を与えることで、希望に沿った出力が得られます。煩雑なデータも見やすく整理できるので、理解しやすくなります。
【プロンプト例】
- 回答の表現方法を指定:小学生の子ども向けの展示会を行う予定です。自社が行っている事業を小学生でもわかりやすく、親しみやすい口調で説明する文章を作って
- 出力方法を指定:プレゼンの資料を作りたいので、以下の売上データを表で出力して欲しいです。
英語で指示する
CopilotのベースとなるGPT-4は、話者の多い英語での学習データが最も豊富なため、英語でプロンプトを作成することで、より優れた結果を得られる可能性があります。
特に専門的・ニッチな分野や日本でマイナーなジャンルに関する回答を得たい場合は、英語のプロンプトの方が、より精密かつ詳細な回答を生成できるケースもあります。
「英語ができない」という場合でも、日本語で作成したプロンプトをCopilotに英訳してもらってから、指示を出すこともできます。
ただし翻訳することにより、ニュアンスにズレが生じる可能性があるため、ある程度は英語に慣れ親しんだ方におすすめのテクニックです。
【プロンプト例】
- 段階的に指示して、一つずつ正確に実行させる:First, list the key features of the new product. Second, write a one-paragraph description for a product page.(まず、新製品の主要機能をリストアップしてください。次に、製品ページ用の1段落の説明文を作成してください。)
- 関連する複数タスクを一度に指示する:Act as a project manager. Create a timeline for the project launch and also draft a kickoff meeting agenda.(プロジェクトマネージャーとして振る舞ってください。プロジェクトの立ち上げスケジュールを作成し、キックオフミーティングの議題も下書きしてください。)
会話を投げかけて精度を高める
Copilotから一発で求める回答を得ようとせずに、会話をするように意識すると、最終的な回答の精度と満足度を向上させられます。
初回のプロンプトで得られた回答をもとに「もっと具体的に」「別の視点から」「この部分を詳しく」といった追加指示を行うことで、段階的に理想的な回答に近づけられます。
たとえば「新商品のマーケティング計画を作成して」という初回指示に対するAIに、「ターゲット顧客をもう少し具体的に定義して。予算は月額50万円以内でお願い」という追加指示を行えば、段階的にプロンプトをブラッシュアップすることが可能です。
回答に対して深掘りすることで、質の高い答えを引き出せるので、単なるツールではなくパートナーだと思って接することが大切です。
【プロンプト例】
- Webサイトのキャッチコピー作成:「提示されたA案は少し固すぎるかも。もっと気軽に、親近感のある表現にして」⇒「いいね、その感じで若者言葉を少し入れてもらえますか?」と提案に対して追加で欲しい要素を伝えると、理想に近付けられます。
- プレゼン資料の構成作成:「なぜこの順番での構成を提案したの?」⇒「なるほど。構成の2番目と4番目を入れ替えて」と理由を深掘りすると、納得したうえで作業を進められます。
Copilotにプロンプトを考えてもらう
プロンプト作成に迷った時は、Copilot自身に「効果的なプロンプトの作成」を依頼するのも有効です。生成AI自身がプロンプトを考えれば、より精度の高い指示を与えやすくなり、求める回答を得やすくなります。
たとえば、「私は中小企業の人事担当者です。新入社員向けの研修プログラムを設計したいのですが、どのようなプロンプトでCopilotに依頼すれば最も効果的な研修計画を作成できるでしょうか?具体的なプロンプト例を3つ提示してください」と投げかければ、候補を提示してくれるので、提示されたプロンプトを再度投げかけるだけです。
これは自身で作ったプロンプトを使用している際でも同様です。満足いく回答が得られなかった場合でも「他に必要な情報はありますか?」と投げかければ、プロンプトの改善点をCopilotが教えてくれます。
【プロンプト例】
- 企画書作成:新しいプロジェクトの企画書作成を手伝ってくれませんか?どのような情報が必要ですか?
- 提案書作成:私は法人営業担当です。顧客への提案資料を作成したいのですが、どのようなプロンプトを使えば、説得力ある提案書構成を提案してもらえますか?
- キャンペーン施策:私はマーケティング部門の担当者です。新製品のプロモーションを計画したいのですが、どのようなプロンプトを使えば、効果的なSNS戦略を出してもらえるでしょうか?必要な情報があれば教えてください。
- レポート作成:報告書をわかりやすくまとめたいのですが、どのようなプロンプトを使えば、見やすいレポート構成や分析視点を提案してもらえますか?
Copilot利用時の注意点とセキュリティーリスク

使いこなせば業務効率アップに役立つCopilotですが、利用時には注意点がいくつかあります。覚えておきたいCopilot利用時の注意点とセキュリティーリスクとして、以下の3つが挙げられます。
- 情報の正確性・最新性を確認する
- 個人情報・機密情報を入力しない
- 過度依存を避ける
情報の正確性・最新性を確認する
Copilotが生成した情報には、事実と異なる内容が含まれるリスクがあるため、必ず人間による事実確認と検証が必要です。
生成AIは、膨大な学習データから統計的に最も適切と思われる回答を生成しますが、その過程で事実に基づかない内容を創作してしまう「ハルシネーション現象」が発生します。
また、学習データが最新の情報や法規制の変更を反映していなかったり、そもそも間違った情報だったりするかもしれません。
たとえば、Copilotが「売上成長率15%」と回答したが、実際には5%だった場合、誤った経営判断を下してしまう可能性があります。
Copilotの出力は「有能だが経験の浅いインターン」からの回答として扱い、必ず人間の手により、情報源や情報の真偽、最新性などを確認・検証することが大切です。
個人情報・機密情報を入力しない
個人情報や企業の機密情報を個人Copilotに入力することは、重大なデータ漏えいリスクをともなうため、慎重な判断が必要です。
Copilotは、入力された質問や回答データを学習して、精度を高めていくサービスです。そのため学習した情報が他ユーザーへの回答に利用されることもあるため、機密情報や個人情報を入力すると、意図せず第三者に知られてしまうかもしれません。
個人向けCopilot(無料版およびCopilot Pro)では、商用データ保護機能が適用されないため、生成したコンテンツやプロンプトがMicrosoftによって使用される可能性があります。
一方で、法人向けCopilot(Microsoft Copilot for Microsoft 365)には、商用データ保護機能が適用されるので、機密情報や個人情報など重要なデータの機密性が確保されます。商用データの所有権が自社に帰属するため、ビジネスにおいても安心して活用可能です。
そのため社内のデータや顧客情報など機密情報を扱う場合は、必ず職場アカウントでログインしてください。職場アカウントであればデータが暗号化され、第三者へ流出しないような仕組みになっています。
組織内でデータ分類基準(公開・社内限定・部外秘・極秘)を明確に定義しておき、どの情報はCopilotへ入力しても問題ないのか、厳格なルールを策定しておきましょう。
過度な依存を避ける
Copilotへの過度な依存は、創造性や批判的思考力、問題解決能力などの低下を招く可能性があるため、あくまで補助ツールとして活用しましょう。
AIに依存し過ぎると、自分で考える機会が減少して、自分自身で問題を解決できなくなったり、スキルアップするチャンスを逃してしまったりするかもしれません。
また、AIの回答を無批判に受け入れる習慣が身についてしまうと、誤った情報を見抜く能力が衰え、重要な判断ミスにつながるリスクがあります。
たとえば、マーケティング担当者がキャンペーン企画を全てCopilotに依存すれば、市場の微細なニュアンスや顧客の感情的な反応を読み取る能力が低下するケースが考えられます。
Copilotは「第一稿の作成」「アイディアのブレインストーミング」「定型作業の効率化」に活用し、最終的な判断や創造的な部分は、必ず人間が担当することが大切です。
まとめ
Copilotは、無料版でも基本的なテキスト生成や画像生成が可能ですが、プロンプトのコツを把握していなくては真価を発揮することは難しいでしょう。
今回紹介した「Copilotを効果的に活用する6つのコツ」を参考に、自身の業務に合わせた使い方を試行錯誤することが大切です。
また、有料版Microsoft 365 Copilotを導入すれば、Office製品との連携により、さらなる業務効率化を実現可能。Excel・PowerPoint・Word・Outlook・TeamsとAIアシスタントが常時連携することで、データ分析からスライド作成、メール返信まで大幅に作業時間を短縮できます。
ペーパーレス化やDX推進など、業務効率化に関して、お困りごとがあれば、富士フイルムビジネスイノベーションジャパンがサポートいたしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。