AIはどのような業務を効率化できる?中小企業の活用事例を紹介

2026.01.15

AIはどのような業務を効率化できる?中小企業の活用事例を紹介

AIはどのような業務を効率化できる?中小企業の活用事例を紹介

AIを活用することでさまざまな業務を効率化できます。しかし、AIができることは多様なため、自社にあった導入方法や、AIツールの選定が必要になります。

本記事では、AIで業務を効率化できる分野について解説します。業務効率化に活用できる代表的なAIツールや、生成AI導入時の注意点なども解説するので、業務効率化やDX推進に役立てられます。

AIで業務を効率化できる分野

AIによる業務効率化について、よく耳にするようになりましたが、実際のところ実務において、どのように役に立つのかわからない方もいるでしょう。

AIが、どのようなビジネスの分野で活用されているのか、業務効率化に効果的な分野・業務を紹介します。

  • 文書や資料の自動作成
  • データ分析のサポート
  • カストマーサポートの自動化
  • 生産・品質の管理
  • コンテンツの生成
  • プログラミング・コードの生成
  • 設備の保守・保全
  • 物流・倉庫の管理
  • 人事業務の効率化
  • スマート農業

日々の会議の議事録や提案書、報告書など、ビジネス文書の作成は生成AIの得意分野です。

資料作成を一から手作業で行うには、データの収集や分析、要点のまとめなどに時間・手間がかかる大変な作業です。生成AIなら営業データや売上成績、市場のトレンドなどを反映したレポートを短時間で生成できます。

テキストだけでなく、グラフやチャートの挿入も自動的に行えるため、視覚的に理解しやすい資料に仕上げられるので、業務の効率化とクオリティアップを両立可能です。

また、ただ文章を作るだけでなく、録音した音声データから文脈を理解して、自動で要約・議事録を作ることもでき、面倒な議事録作成の手間が省けます。

ゼロから資料を作る手間が大幅に削減されれば、担当者はより本質的な業務に時間を割くことが可能になります。反復的で負荷の高い文書作成業務へのAIツール導入は、効果を実感しやすいでしょう。

専門知識が必要で属人化しやすいデータ分析も、AIを使うことで効率的になります。

とくに競合調査や市場分析など、膨大なデータを扱う業務は、多くの時間と労力がかかる大変な作業です。しかし生成AIなら、インターネット上の公開データや報告書、SNSの投稿など、さまざまな情報を瞬時に収集・整理できます。

集めたデータから、どのようなことがいえるのかトレンド分析や将来予想も素早く行えます。膨大なデータの中に隠されたパターンや相関関係、異常値の発見が得意なため、人間よりも速く正確に発見できるのも強みです。

誰でもデータ分析が行えるようになることで、担当者が不在で進行が遅れるといった属人化による問題の解決にもつながります。

AIチャットボットなどを導入することで、顧客からの問い合わせ対応を24時間365日自動化し、オペレーターの負担軽減と顧客満足度の向上を同時に実現することが可能です。

AIは過去の対話履歴から学習して、より自然でパーソナライズされた受け答えが可能になっており、ユーザーの悩みを迅速に解決できます。これによりオペレーターの業務が効率化するのと同時に、回答の質・時間を均質化することにもつながります。

顧客対応にかかる負荷が減少すれば、より重要な業務への時間を確保できたり、人員の再配置が可能になったりと、企業全体に好影響をもたらすでしょう。

オフィスワークだけでなく、製造業の現場でもAIは有効活用されており、製品の外観検査や品質管理の精度を向上させてくれます。

たとえば、画像認識技術を活用すれば、人間の目では見逃してしまうような微細な欠陥や異物まで検知可能です。検品精度が向上するのはもちろん、検査員の能力に左右されにくくなったり、人手不足を解消できたりするのもメリットです。

また、生産管理業務では、蓄積データをもとに常に客観的で高精度な計画を立案でき、過剰在庫や欠品による損失を最小限に抑えられます。

従来のように担当者の勘や経験に依存する必要がなくなり、業務の標準化と効率化が進みます。

生成AIを活用することで、マーケティング活動に不可欠な広告コピーやブログ記事、SNS投稿、商品説明など、多様なコンテンツを短時間で大量かつ高品質で制作できます。

ターゲットの属性や過去データにもとづき、効果的と思われる文章・画像を複数パターン提案できるため、迅速なA/Bテストによる効果検証サイクルを回すことも可能です。

文章だけでなく画像や動画も作成でき、コラム記事のアイキャッチや広告バナー、SNS・YouTube向けコンテンツ、社内研修用動画など幅広く活用できます。

社内に専門のクリエイターがいなくても一定レベルのクリエイティブを作成できるようになり、ライター・デザイナーなどの業務効率を高めることにもつながります。

生成AIは、文章だけでなくプログラミングの支援も可能です。アルゴリズムの提案やフローチャートの作成、プログラミングコードの自動生成などを行えます。

他にも、完成したプログラムへのレビューや補完、リファクタリング、バグの修正、テスト作業なども行え、ソフトウェア開発における反復的な作業を自動化可能です。

プログラマーは、生成AIが出力した内容をもとに調整を加える形で業務を進められるため、全て手作業で行うよりもスピーディーに作業を行えるようになり生産性の向上につながります。

そして、システムの設計や問題解決、新たなサービスの考案といった、より重要な業務に集中できるようになるでしょう。

工場などの生産設備にAIを導入することで、故障の予兆を事前に検知する「予知保全」が可能になり、突発的なライン停止による損失やメンテナンスコストを削減できます。

AIは、設備に取り付けられたセンサーから収集される振動や温度、圧力といった膨大なデータを24時間監視し、人間では気づけないような微細な異常・兆候を捉えられます。機械の異常や金型の消耗など、発見が遅れると損失につながりかねない問題を早期発見可能です。

従来は人間の経験や勘に頼っていた改善点の発見が、データにもとづいて行えるようになることで、生産性の向上につながります。

AIは、配送ルートの最適化から倉庫内のピッキング作業の自動化まで、複雑な物流プロセス全体の効率化に貢献してくれます。

2024年問題をはじめ、物流業務の負担が増加傾向にあるにもかかわらず、運送ドライバーは深刻な人手不足が続いています。少ない人員でも、いち早く商品を正確に届けるために、配送ルートの最適化や積み荷の効率化などが、これまで以上に重要です。

AIなら、交通状況や天候、荷物量といった無数のデータを考慮して、効率的な配送計画を瞬時に計算できます。素早く届けられるのはもちろん、ムダな拘束時間の削減や燃料の節約にもつながります。

また、倉庫内では、ロボットと連携して在庫の配置を最適化したり、需要予測にもとづいて出荷準備を自動化したりすることが可能です。過剰在庫や在庫不足を防げ、利益率のアップにつながります。

AIは人事業務の効率化にも有効で、採用活動や人員配置計画の策定などの人事業務を自動化し、担当者の負担を軽減してくれます。

たとえば、採用選考の場面では、応募者の履歴書や職務経歴書から、自社が求めるスキル・経験を持つ候補者だけを効率的に抽出します。採用担当者が一つひとつチェックする必要がなくなるため、より重要な業務に集中する時間の捻出が可能です。

また、従来は担当者の経験や勘に頼りがちだった人員配置も、AIがデータをもとに客観的に行うことで公平性の高い配置ができるのと同時に、属人化防止や効率化ももたらします。

AIがドローン・センサーと連携することで、農業分野における生産性向上と省力化を実現します。

たとえば、カメラやセンサーからの情報をもとに、作物の生育状況や病気の兆候を特定して、最適な収穫時期や収穫量を予測したり、病害を早期発見して対策を施したりすることが可能です。

農作業を自動化することで、現場での巡回や目視確認の頻度を減らせるため、労働時間や作業負担を大幅に軽減できます。

また、AIに農業熟練者の技術・ノウハウを学習させ、可視化することで、経験の浅い人に農業スキルの習得を促進することも可能です。

業務効率化に活用できる代表的なAIツール6選

数あるAIツールの中から、中小企業でも導入しやすく業務効率化に貢献してくれる代表的なサービスを6つ紹介します。

それぞれのツールの特徴・得意なことなどを理解することで、貴社のニーズに合致したパートナーを見つけられるでしょう。

  • ChatGPT
  • Perplexity
  • Microsoft Copilot(旧Bing AI)
  • Gemini
  • Claude
  • Notion AI

OpenAI社が開発したChatGPTは、文章作成やアイデア出し、翻訳、要約、コード生成など、幅広い業務を効率化できる生成AIです。

ビジネスシーンでは、メールやプレスリリースの下書き作成、会議内容の要約、表計算ソフトの複雑な関数生成、プログラミングコードの生成など、多岐にわたる活用が進んでいます。

テキストだけでなく、ChatGPTに統合されたDALL-Eを活用することで、イラストの生成も可能なので、プレゼン資料作成などにも役立つツールです。

また、新商品のアイデア出しや企画の叩き台作成にも活用できます。

Perplexityは、情報の「検索」と「要約」に特化したAIで、最新情報にアクセスして、情報源を明示しながら回答を生成する生成AIです。

調査結果に対して情報ソースを示すURLを添えてくれるのが特徴的で、情報の信頼性を即座に検証可能です。従来のAIツールと違い、最新情報を参照してくれるので、正確性・信頼性が求められる情報収集タスクで活躍します。

たとえば、市場調査や競合分析で、特定の業界トレンドや競合他社の最新動向を迅速に収集・要約する際におすすめです。

日々の業務で情報収集やリサーチに多くの時間を費やしている部門の効率化に役立ちます。

Microsoft Copilotは、同社のOSやOffice製品と相性抜群の生成AIです。

Bing検索と連携して、Web上の最新情報にもとづいた回答を生成できるため、業界の動向・トレンドなど最新情報を踏まえた情報が必要な際に役立ちます。

また、有料版の機能としてWordやExcel、PowerPoint、Teams、Outlookなど、多くの企業が日常的に使用しているOffice製品と連動して動いてくれるのが大きな特徴です。

ユーザーはOffice製品とアプリを切り替えることなく、文書の要約や作成、データ分析、プレゼン資料の自動生成、会議の議事録作成などの作業をAIに任せられます。

Google社が提供するGeminiは、大量の情報を短時間で収集・整理する「ディープリサーチ」が特徴的です。Web検索を活用して情報収集し、必要なデータを抽出できます。

出典付きのレポートとしてGoogleドキュメントやGoogleスプレッドシートに自動出力できるため、市場調査などの時間を大幅に削減できます。

文章作成支援にも優れており、報告書や企画書、メール文などの構成案作成、校正、翻訳に対応可能です。

Googleアプリとの連携できるのも強みで、GoogleカレンダーやGmail、Keepなどとセットで使用できます。たとえば、長いメールの内容を要約したり、過去のメールから必要な情報を素早く探したり、適切な返信文を提案したりと、バックオフィスのサポートも行ってくれます。

ClaudeはAnthropic社が開発した対話型AIアシスタントで、大量のテキストデータを一度に処理できるため、研究論文や議事録などの長文を短時間で要約し、重要ポイントを抽出できるのが特徴です。

プログラミングコードの生成・理解能力にも優れており、PythonやJavaScriptなど複数の主要言語に対応。複雑なアルゴリズムの実装や既存コードのデバッグ、最適化提案が可能です。

また、対話の中でリアルタイムに図表やフローチャート、コードスニペットなど視覚的なコンテンツを生成できます。たとえば、マーケティング戦略のカストマージャーニーマップ作成や財務データのグラフ化などが容易になります。アイデアを具体的な成果物に素早く変換できるので、業務プロセスが効率化するでしょう。

Notion AIは、Notionワークスペースに完全統合された高度なAI機能です。文章の作成・編集、要約、翻訳、多言語対応、アイデア出し、データベースの自動作成など多岐にわたる業務を効率化します。

また、下記のようなビジネスで役立つ機能も備えています。

  • 会議音声をリアルタイムで文字起こしして、自動で要約・重要ポイントを抽出
  • 外部ツールとの連携可能で、複数プラットフォームにまたがる情報もNotion内で横断的に検索可能

社内で散らばりがちな情報を統合して、横断的に検索できるようになるため、社内のデータ類やマニュアルなどを探す手間が大幅に削減されます。

生成AI導入時の注意点

生成AIは業務効率をアップさせてくれる強力なツールですが、ただ導入すれば効率的になるものではありません。

業務効率化を成功させるためには、以下の導入時の注意点を理解し、対策を講じることで効果を最大限に引き出せます。

  • AIの導入目的を明確にする
  • 正確かつ整理された高品質なデータを確保する
  • データのセキュリティーとプライバシーを担保する
  • 過信によるヒューマンエラーのリスクに備える
  • AI導入後のフォローアップまで加味する

AI導入における重要な第一歩は、「AIで何を解決したいのか」という導入目的を具体的かつ明確に定義することです。

目的が曖昧なまま、「AIを導入すること」自体が目的化してしまうと、導入すべき技術の選定や評価すべき成果指標(KPI)ができず、結果的に自社の課題解決に合わないツールを導入してしまったり思うような成果が出なかったりするかもしれません。

「AIで何かできないか」ではなく「この業務課題を解決するためにAIは最適か」という課題解決志向が不可欠です。

たとえば、「顧客からの問い合わせに対する初回応答時間を50%短縮したい」といった明確な課題・目標があれば、適したツールを選択しやすくなります。

AIの性能は、学習に用いるデータの質と量に大きく左右されます。古い・偏りがある・不正確といった問題があるデータでは、誤った予測や判断につながりかねません。

たとえば、特需があった際の売上データだけを読み込ませていても、平時の売上予測を正確に行うことは困難です。

まず自社にどのようなデータが存在しており、どこにどれだけ保管されているのか、データに不備・誤りはないかなど、棚卸しすることから始めましょう。

生成AIの利用において、機密情報や個人情報の漏えいは懸念すべきリスクです。従業員が意図せず重要情報を入力してしまうことを防ぐため、明確な社内ガイドラインの策定・遵守が大切です。

一部の生成AIサービスでは、利用プランや設定によって入力データが学習に使用される場合があります。企業利用の際は、各サービスのデータ利用ポリシーを確認し、適切なプランを選択することが重要です。

つまり、もし従業員が顧客データや新商品の情報など、個人情報・機密情報を生成AIに入力してしまうと、外部に漏れてしまう可能性があります。

具体的には、セキュリティーが強化された法人向けプランで契約したり、ガイドラインで個人情報や機密情報の入力を禁止したりすることが大切です。全従業員向けに、情報セキュリティー研修を実施し、理解を深めてからAIを活用するのも良いでしょう。

AIの回答は常に正しいとは限らないため、過信するのは禁物です。AIは、もっともらしい嘘の情報「ハルシネーション」を生成することもあるため、鵜呑みにするのは大きなリスクがともないます。

あくまでも生成AIは、大量のテキストデータから学習し、文脈を理解して適切な応答を生成する仕組みのため、事実関係の正確性は保証されません。

そのため生成AIを過信して、チェックや修正を怠るようになると、間違った情報を顧客に送ってしまったり、誤ったデータを記載したプレゼン資料を作ってしまったりと、ヒューマンエラーが発生するリスクが高まります。

AIの生成物は、あくまで「下書き」と位置づけ、重要な場面で利用する際は、必ず人間によるファクトチェックを行うことが大切です。

生成AIツールは、導入して終わりではなく、導入後のフォローアップを行い社内に定着させることが大切です。

まず繰り返し学習の機会を設け、社員が自分のペースで継続的に学べる環境を作りましょう。社内での成果や活用事例を共有して、具体的な使い方のイメージや成功体験を広めて心理的障壁を下げることも大切です。

また、AI活用を業務の制度・人事評価に組み込み、全社的に「使うことが当然」という文化を根付かせるのも有効です。

こうしたフォローアップを継続的に行っていくことで、AIが自然と利用される環境を作っていくと現場社員に使い続けられるようになります。

AIによる業務効率化は、文書作成からデータ分析、カストマーサポートまで幅広い分野で実現可能です。

AIツールの普及や補助金の交付などにより、大企業はもちろん中小企業でもAIによる業務効率化・生産性の向上が実現しています。

ただし導入時は、目的の明確化やデータ品質の確保、セキュリティー対策などが不可欠です。過信によるヒューマンエラーを防ぐためのガバナンス体制も重要になります。まずは小規模から始めて効果を検証し、段階的に全社展開することで確実な業務効率化を実現できます。

自社だけではノウハウが不足する場合や、どこから着手していいか迷ってしまう場合は富士フイルムビジネスイノベーションジャパンにご相談ください。

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