就業人口の減少、残業時間の削減などの社会背景を受けて、企業として従業員がこの会社で働きたいと思えるような環境を整える必要性を感じていました。将来を担う人材を育成するために何に優先して取り組むべきかを考えていたときに、DX関連の業務に携わる知人から「今の時代、AIを活用して業務改善を進めることは決して珍しいことではない」と言われ、AI活用の事例などを聞き、AI活用がすでに日常的な業務の中にまで入り込んでいるのが当たり前な現状に気づかされました。
一方、社内を見れば、情報収集や調査報告書の作成の際に1つずつインターネットで検索していた他、メールの文章作成、申請書・報告書などの類似書類の作成にも多くの時間がかかっています。これらの業務をどうにか効率化できないかと考えていたところでもありました。

主に調査・情報収集・文章作成で活用しています。例えば、公共事業の入札では、公開された仕様書などに従って必要な書類をそろえる必要があります。こういった仕様書は、官公庁特有の用語や言い回しが多く、読み解くのにかなりの時間がかかっていましたが、Copilotで圧倒的に短縮できました。また、大量の文書から必要な情報を探す際も、「この内容はどこに書いてあるか」と質問すれば、すぐに該当箇所を示してくれるためかなりの効率化になっています。

Copilotを利用した文書の要約・読解や、文書の内容に対する検索のイメージ

他にも、緑化で扱う植物など専門的な問い合わせを受けたときに、以前は1つずつ調査して文章を考え、まとめるまで半日～1日かかっていましたが、Copilotを活用することで、わずか1時間ほどで完了しました。間違った内容も含まれていましたが、自分で確認して指摘すればすぐに修正された内容が生成されます。顧客にも驚かれるほどのスピードで返信でき、追加質問もCopilotを使ってスムーズに対応できます。自分の考えを文章として整理し、丁寧に整えて相手に伝えることが格段に容易になりました。
提示された図面に知らない工法や資材が含まれていても、Copilotで調べることができ、同業者に問い合わせて返信を待つ時間もかなり減りました。工法に関する問い合わせ先なども即座に提示してくれるため、対応スピードが向上しています。
また、質疑書の作成やメール返信では敬語や謙譲語などに気を遣いますが、Copilotで下書きを作成することで、10分近くかかっていたところを2分ほどで完了できるようになりました。1回ごとの効率化は小さくても、積み重ねると大きな効果になると思います。
ただ、質問（プロンプト）によって回答の質が左右されるところがあり、簡単な質問には浅い内容しか返ってきません。条件などを追加すると期待する回答に近づくので、そういった工夫は必要だと感じています。

Copilotを利用した返信メール作成のイメージ

まだ、社内でのCopilotの使い方は限定的で、「どう使えばいいのか」と試行錯誤している様子も見られますが、この業務で使えそうだと“ひらめき”が得られれば活用の量も質も上がってくるでしょう。例えば、月次で作成する業績データをまとめた会議資料の作成などもCopilotを活用できればかなり負担が減るはずです。さらに、経理業務でもどこかでうまく使えるところがないかと模索しています。Copilotの導入は、より働きがいのある環境をつくるために、業務を見直して改善や効率化を図るよいきっかけになりました。今後は社内での活用を徐々に浸透させ、将来的には工事部門に携わるメンバーも含めた全社導入も視野に入れていきます。
また、Copilotをより業務改善に活かすためにも、Copilotとあわせて導入したMicrosoft 365の活用を進めていきたいと思い、富士フイルムBIジャパンに相談しているところです。
富士フイルムBIジャパンとは長い付き合いになりますが、私たちの業務内容や意向、スタンスなどの情報も担当者間でしっかり共有し、意図を踏まえた営業・提案をしてもらえていると感じます。今後も、従業員が働きがいのある環境を整えるためのパートナーとして、当社の実務への理解を深めていただき、自動化など新しいソリューションやツールについても積極的な提案を期待しています。