当社グループでは働き方改革とセキュリティーガバナンスを両立させるべく、データレスノートPCを導入したのですが、社内ネットワークを有線LANで構築していたため、そのメリットが十分に活用できていませんでした。会議に参加する人数に合わせてネットワークケーブルを差し替えたり、オフィスのレイアウト変更を自分たちで行う際に接続を誤ることでネットワークダウンが起こったりとさまざまな問題があり、有線LANへの依存が現場の生産性向上・業務効率化の阻害要因になっていました。また、不具合があれば情報システム課に問い合わせが来て、その対応に多くの時間を取られることもしばしばで、限られた人員で対応する情報システム課には大きな負担になっていました。
一方、事業の性格上、組織変更や拠点の統廃合が頻繁で、そのつど大がかりな有線LAN工事が発生していました。しかも拠点ごとに地域の業者に工事を発注していたため、情報システム課で全国の拠点のネットワーク環境が完全に把握できていませんでした。さらに、機器の老朽化も進んでおり、ネットワーク環境の維持管理費用の増加傾向も大きな課題になっていました。
そこで、有線LAN工事については、全国どこでも対応可能な富士フイルムビジネスイノベーションジャパン（以下「富士フイルムBIジャパン」という）とともに、全社的な標準化・仕様統一を図ってきました。しかし、有線LANに伴うさまざまな問題はどうすれば解決できるのか。検討の結果、抜本的な状況改善のためには無線LAN環境を導入するしかないという判断に至ったのです。

全社的な無線LAN環境の導入に際しては、条件が大きく2つありました。1つは構築に関して、全国約900か所に及ぶ大小の拠点に1年間で導入を完了させること。もう1つは導入後の運用に関して、全拠点のネットワーク環境を東京本社の情報システム課で一元管理するとともに、全国一律の保守サポートサービスによって情報システム課の負担が軽減できることでした。
これらの条件で複数の会社から提案を受けた中で、最終的には富士フイルムBIジャパンを選びました。設計から保守まで全国で一貫して実施できる体制を有していることが、先の有線LAN工事の実績からも分かっており安心感がありました。また、全国の無線LANアクセスポイントを一元的に監視しながら、障害発生時には迅速なリモート対応や担当者の訪問によるオンサイト保守を行ってくれる「IT Expert Services」というサービスがあることも、大きな決め手になりました。
実際の構築段階においても、富士フイルムBIジャパンは、全国約900拠点への丁寧なヒアリングに基づいて工事スケジュールを確定した上で、建物によって条件が大きく異なる各拠点の課題を解決・調整しながら、1年間ですべて予定通りに完了してくれました。こちらから何か質問や相談をしたときにも技術営業の担当者が即座に対応してくれるなど、他社にはないレスポンスの速さも印象に残っています。

不動産業に限らず、全国に拠点を持ちながらIT管理部門の人員が限られているような会社が、全社的にIT環境の導入や切り替えを短期間でスピーディーに行いたい場合には、全国をカバーする体制を持つ富士フイルムBIジャパンに依頼するメリットは大きいと思います。また、単に導入して終わりではなく、運用保守段階でもIT Expert Servicesによって全国一律の保守サービスを提供してくれるのは強みと言えるのではないでしょうか。