このウェブサイトはクッキーを使用しています。このサイトを使用することにより、プライバシーポリシーに同意したことになります。

日本
ホーム ビジネスのお客さま 開発・製造受託 リポソーム・LNP(脂質ナノ粒子)・mRNAの開発・製造受託(CDMO) リポソーム リポソーム: 分析サービス
リポソームの図

リポソーム : 分析サービス

がん領域の創薬開発において、低分子を安定な脂質ナノカプセル粒子に封入するDDS(ドラッグデリバリーシステム*1)として確立された製剤です。この技術は、新たな低分子抗がん剤の薬物動態、生体内分布、安全性の課題を解決する可能性があります。

分析サービス
リポソームの分析能力

リポソームは複雑な製剤であり、専用の品質保証と分析法開発が必要です。

富士フイルム富山化学は、医薬品開発をサポートし、コンプライアンスを確保するためのあらゆる分析サービスを提供します。

  • リポソーム製剤、業界向けガイダンス(2018年4月、FDA)
  • ナノ材料を含む医薬品(生物学的製剤を含む)、業界向けガイダンス(2022年4月、FDA)
  • ICH Q6A(新薬の原薬および製品に関する国際規格)
分析設備
  • 粒子径と分布
  • ゼータ電位、pH、浸透圧
  • HPLCによる脂質・原薬分析(UV、CAD、TripleQ MS、TOF MS)
  • GC(FID)による残留溶媒分析
  • イオン分析(IC)
  • 金属分析(ICP-MS)
  • 分光法(UV、IR、蛍光、NMR)
  • 粒子特性分析(Accusizer®)
  • non-GMPクライオTEMイメージング
  • 無菌試験およびエンドトキシン試験
  • カールフィッシャー、旋光計
分析項目
  • 外観
  • 確認試験(API)
  • 確認試験(脂質)*2
  • pH
  • 浸透圧
  • 原薬関連不純物
  • 脂質関連不純物*2
  • 残留溶媒
  • 元素不純物
  • エンドトキシン
  • 無菌性
  • 粒子状物質(注射剤)
  • 不溶性異物
  • In-vitro放出性*2
  • 平均粒子径
  • 粒度分布
  • 容器完全性
  • API総量
  • API内包含量*2
  • 脂質含量*2
  • 脂質組成*2
  • *2 関連ガイドラインで要求されるリポソーム特有の項目
分析法開発

ガイドラインに記載されていない分析項目や分析法の場合でも、富士フイルム富山化学でこの技術的な課題を解決することが可能です。
リポソーム分析のための自社分析法開発の例としては、以下のようなものがあります。

リポソーム封入APIの高回収率分離法

APIの内包率測定やIVR(In Vitro Release)測定のサンプル調製において分離デバイスへのAPIやリポソーム粒子の吸着を制御します

  • 分析のためのサンプル調製中に内包化されたAPIと内包化されていないAPIを分離します
  • こうした分離操作には、限外ろ過フィルター(リポソーム粒子を除去し遊離APIだけを回収)や固相抽出(SPE)カートリッジ(遊離APIを除去しリポソームだけを回収)などの分離デバイスが使用されます
  • 限外ろ過フィルターにAPIが吸着し回収できない場合や、SPEカートリッジにリポソームが吸着し回収できない可能性があります
  • それぞれの回収率100%を達成する新しいデバイスコーティング技術を開発しました
Recovery study for separation by ultrafiltration
富士フイルム独自のコーティングを施した限外ろ過膜は、コーティングなしのフィルターを使用した場合の回収率0%に対し、100%±20%のガイダンス基準範囲内である約100%の原薬回収率を実現できることを示しているグラフ
Recovery study for separation by SPE cartridge
富士フイルム独自のコーティングをしたSPEカートリッジは、約100%±3%のガイダンス基準を満たしているが、コーティングをしていないSPEカートリッジでは、約90%の回収率となることを示しているグラフ
改良型IVR測定法の開発

目的-IVR測定法における回収率の改善により正確かつ再現性の良好な放出プロファイルを得る

リポソームからのAPIのin vitro release
IVR測定法における回収率の改善を示したグラフです。富士フイルム改良法では、85%以上の原薬放出を測定することができ、ガイドラインを満たしている
FDAガイダンスでは85%以上のAPIリリースが要求されます

リポソームから放出されたAPIがバッファー中で急速に分解する場合、適切な分離技術を選択しないと正確な放出プロファイルを確認できません

従来の方法(限外ろ過フィルターにより放出されたAPIを測定)

ガイダンスに適合しない:

  • 放出されたAPIがバッファー中で急速に分解する場合、真の放出率との乖離が顕著
富士フイルム改良法

ガイダンスに適合

  • リポソーム内ではAPIが安定であることを利用し、SPEカートリッジによる分離操作を選択
  • 独自のデバイスコーティング法によりリポソームの吸着を低減し、正確な放出率定量を実現します
  • 放出されたAPIは急速に分解しますが、放出されたAPI及びその分解物はいずれもSPEカートリッジで除去されるため、分解の影響を受けずに正確な放出率プロファイルを得られます
  • *1 薬剤の効果を最大限発揮させるための制御技術であり、必要な時間・場所に必要最小限の薬剤を届けることを目指しています。