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高容量化を可能にする、独自開発した磁性体技術

バリウム・フェライト技術(BaFe)

BaFe磁気テープは、富士フイルムが平成23年に世界で初めて実用化した最先端の磁気テープです。
その優れた性能から、それ以降のデータテープ製品に採用され続けており、テープの高容量化に貢献しています。

「Barium Ferrite(バリウム・フェライト)磁性体技術」の特長

1. 磁性体の役割

磁気テープの表面には磁性体と呼ばれる無数の微粒子が塗布されています。
デジタルデータが0と1の配列で記録されるのと似た要領で、磁性体をS極とN極に磁化し、S極とN極の配列により、テープにデータを記録します。
この磁性体の磁力の強さ、磁気特性の良さが、テープ特性を左右します。

2. テクノロジーへの挑戦

テープ高性能化への3つの大切な条件

① 強い磁力を維持させながら、磁性体をより小さく
② 磁性体を、均一にそして高密度にテープ表面に塗布
③ 磁性体の超薄層塗布技術を極め、テープをできるだけ薄く

磁性層の断面図画像

[1] 長期保存性

テープが劣化する要因の一つは酸化です。テープを高容量化するためには磁性体の微粒子化が必要ですが、従来のMP磁性体は現行製品に使用されているもの以上に微粒子化した場合、時間の経過とともに酸化し徐々に磁気記録特性が劣化していきます。
これに対しBaFe磁性体は酸化鉄を主体とした材料であるため、酸化による劣化が起こりません。当社加速テストにおいてBaFe磁性体は50年相当の負荷を加えても安定してデータの読み書きができ、MP磁性体に対し優れた長期保存性を持つという実験結果を得ています。*1

  • *1 当社加速テストによる

加速温湿度試験:磁化量の変化比較

BaFe磁性体テープと最新のメタル磁性体テープを温度70℃、湿度80%及び低湿(~10%)の環境下に、自然経時50年間に相当する80日間*2置き、磁化量の変化を測定しました。その結果、BaFe磁性体テープでは、自然経時50年後も磁化量に変化は見られず、優れた磁気特性を維持することを実証しました。メタル磁性体テープにおいては、データの読み書きに支障が出るレベルではないものの、磁化量の減少が見られます。BaFe磁性体テープの磁化量が、時間が経っても全く変わらないのは、「BaFe磁性体」は、「メタル磁性体」とは異なり酸化物であるため、化学的に安定しており、外部からの影響を受け難い性質を持っているためです。

  • *2 80日間という実験の日数は、当社が1985年に製造したテープを実際に保存し、経年による磁化量の変化を測定したデータに基づき、設定。

[2] 記録安定性

繰り返しテープメディアを使用していくと、ドライブ内のヘッドが磨耗し、記録再生能力が徐々に弱まります。
しかし、BaFe磁性体を使用したテープはMP磁性体を使用したテープに比べ、周波数特性が優れ、ヘッドからの磁気信号の記録・再生精度が高くなります。
その結果、磨耗したヘッドを持つドライブでも、安定したデータの読み書きが可能になり、ドライブの長寿命化に繋がることが期待されます。

高出力・低ノイズ

BaFe(バリウム・フェライト)磁性体は、微粒子化され、かつ磁気異方性が垂直方向のため、磁性体として低ノイズで高出力な、優れた周波数特性を有します。

[3] 高容量化

LTO1~LTO5で採用されているメタル(MP)磁性体のサイズは、約40nm~100nm。これに対し、BaFe磁性体のサイズは約20nm。磁性体として小さくなった分、これまでのMP磁性体と比較して、より多くの磁性体を同一の表面積上に敷き詰めることが可能となり、その結果、データテープの飛躍的高容量化に成功しました。*3

  • *3 当社製品比較