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一般外来診療、および入院による急性期・亜急性期・慢性期医療を行うとともに、救急医療にも注力し、24時間体制で救急患者に速やかな初期対応を行う神戸マリナーズ厚生会病院。マルチスライスCTシステム「FCT iStream」を導入した経緯や使用感、救急医療への対応力などについてお話をうかがった。
放射線科 主任 牧田 義章 氏

(左)牧田氏 (右)榎本氏
榎本氏 当院は、急性期から慢性期まで包括的な診療を行う199床の中規模病院です。同時に、救急医療にも注力し、365日・24時間体制で年間約2,000件の救急車を受け入れており、職員一同が常に「地域に根ざした病院でありたい」という思いを持って、日々の診療・業務に取り組んでいます。
牧田氏 当院では、内科、外科、整形外科、救急医療・救急科等の幅広い診療科からの依頼を受けて、年間平均3,500件のCT検査を行っています。また、内科、外科、整形外科で行う手術でもCTのデータを使用するため、日々の診療においてはCTを活用する場面がかなり多い状況にあります。

病院長 榎本 勝彦 氏
牧田氏 当院では、以前から富士フイルムの64列/128スライスCT「Supria Grande」を使用していました。しかし、導入から約7年が経過し、X線管の回転数も非常に多くなってきていたことからCTシステムの更新の検討を開始しました。その中で、手術で求められる3DやMIPの性能に加えて、直感的に使用できる操作性に魅力を感じて、FCTの導入に至りました。
榎本氏 検査スピードの向上や、AI技術を活用し設計*1した画像処理を含めた高画質化に期待していました。
牧田氏 使いやすさと検査スピードが向上することで、時間短縮、業務量の低減につながるのではないかと期待していました。
*1 AI技術のひとつであるMachine Learningを活用して開発した技術です。導入後に自動的に装置の性能・精度が変化することはありません。
牧田氏 全体的に技術の進歩が実感できていて、迷うことなく思った通りの操作がスムーズにできますね。
また、従来の装置ではワークステーションで対応しなければいけなかった処理が、FCTの解析ビューワでスピーディに完結させられるところも良いと思います。当院では非常勤の放射線技師も多く、普段は他メーカーの装置を使用している技師がCT検査を担当することがあります。FCTの解析ビューワは、SYNAPSE VINCENTと同じ感覚で操作できるため、非常勤の技師を含めて検査の効率化につながっていると感じています。
さらに、検査タブを活用して最大3被検者の撮影・解析の並行処理が可能なため、検査が立て込んだ際にも前検査の解析を行いながら現在の検査を続行できます。これにより、ワークフローが大きく改善し、検査依頼をした先生や患者さんにお待ちいただく時間の減少につながっています。

臨床画像

FCT iStream解析ビューワ
牧田氏 FCTの導入後、検査時間は半分程度になりました。具体的に、頭部CTでは、従来は1分程度かかっていましたが、FCTでは30~40秒で完了します。また、FCTは操作時のレスポンスが良く、検査条件などの読み込みに伴う待ち時間がほぼないので、その点も検査時間や操作ストレスの低減につながっていると感じています。
榎本氏 当院は救急患者の受け入れ件数が多く、例えば、交通事故による多発外傷のように、頭部、胸部、腹部と複数箇所のCT撮影が必要なケースも少なからずあります。特にそのような場面では、スピーディに検査が行えるFCTの価値を強く実感していますし、実際にCT画像を迅速に確認して、すぐさま次の処置に移ることができるので、とても助かっています。
榎本氏 十分に満足できる画質で、特に後頭蓋窩のアーチファクトがほとんどないところが良いと思います。また、高齢の患者さん等で息止めができない場合でも呼吸によるブレやアーチファクトがなく、診断能の高い画像が得られると感じています。
牧田氏 粒状性が良く、見やすい画質が得られています。何より回転速度を上げた場合でも診療に十分耐えうる画像が撮れるので、お子さんのような体動の激しい患者さんにも対応しやすくなりました。
牧田氏 従来の装置と比較して、かなり対応力が上がったと実感しています。まず、全身のCT検査が高速かつ低被ばくで行えるので助かっています。
また、救急においては、患者さんの状態によって腕の挙上や仰臥位、息止めが困難なケースもあります。そうした場合でも、榎本先生がおっしゃられたように、アーチファクトの少ない画像が得られるところも救急における強みだと感じています。
榎本氏 解像度の高い画像がスピーディに得られれば、CTの検査数が増加するだけでなく、患者さんの検査時の負担や待ち時間の低減にもつながります。また、患者さんへの説明においても解像度の高い画像をお示しすることで説明に納得していただきやすくなると思います。このような点で、FCTの導入は当院の経営にメリットをもたらしていると考えています。
牧田氏 当院では、ここ数年で複数の富士フイルム製品を導入していますが、導入するごとに使いやすさの改善やAI等の技術の進化を実感しています。次世代機においてもそうした改善や進化を期待していますので、今後も技術力と使いやすさを追求し続けていただけばと思っています。
榎本氏 これからも手厚いアフターサービスを提供していただくとともに、CT検査においても内視鏡のようなAIを活用した診断支援システムの開発に期待しています。

放射線科 主任 牧田 義章 氏




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