- 希望者ごとにChatGPTの有料プランの利用を許可していたため、運営管理やコストの最適化が難しく、組織としての統制が取れない状況が続いていた
- 総代会*の議案書や回答書作成、広報物チェックなど、少ないリソースで効率よく
行わなければならなかった - 各部署のデジタル化の取り組みを、DX推進部門にて全体統制する必要があった
- * 総代会:組合員から選ばれた総代によって構成される、生協の最高議決機関(民間企業でいう株主総会に相当)
- 組織統一の環境でガバナンスとセキュリティーが強化され、コスト抑制も実現
- 生成AI活用による議案書の素案作成や過去回答検索で、業務効率が大幅に向上
- 環境を整えるだけでなく、利用ルール策定やリテラシー向上施策によりAI活用が
加速
- クローズの環境で安全に運用でき、OpenAI(GPT, o Series)、Perplexity(ウェブ検索)、Claude、Geminiなど複数のAIモデルを用途に応じて使い分けることが
できる - 誰がどれだけ使っているか把握できるダッシュボード機能
- 初心者でも使いやすいUI(ユーザーインターフェース)や標準搭載されたプロンプト
- 当組合の状況を理解し、迅速に対応する富士フイルムビジネスイノベーションジャパンのサポート力
「エフりん」
「ともに生き、ともにつくる、くらしと地域」を基本理念として、福岡県内を拠点に事業活動を展開する生活協同組合です。配送トラックなどにも描かれた「りんごマーク」は広く知られており、昨年誕生した公式キャラクター「エフりん」も多くの方に親しまれています。スタッフはフルタイムスタッフ・定時スタッフ合わせて3,000名ほどで、食品や雑貨の宅配・店舗販売をはじめ、生活に関わるさまざまなサービスを展開しています。近年は、福祉事業にも力を入れており、高齢者介護や障がい者福祉、子育て支援を行うなど、約57万人の組合員の人生・くらしをトータルにサポートしています。
当組合では本部スタッフの人数が減少傾向にあり、組合員への対応や、「総代会」の準備・議案書の作成、広報物のチェックなど、多岐にわたる業務の効率化を図ることが求められてきています。例えば、組合員からの質問に対する回答作成においては、過去の資料の参照、複数部署へのエスカレーションなど、業務負荷が非常に高く、回答までに数日かかることも珍しくありませんでした。また、公式文書や広報物のチェックでは、膨大な量の資料を手作業で確認する必要があり、人的リソースの限界を感じていました。
各部署でデジタル化による業務効率化の検討が始まってきたため、エフコープ全体で統制をとるべく、選抜されたメンバーによる「チーム会」が発足。私たちデジタル推進課は事務局として、チーム会でまとめられた案を実現するための推進役を担っています。以前から生成AIにも注目しており、ChatGPTの有料プランの導入を徐々に進めていました。希望者からの申請を私たちが承認し、都度契約をするという形を取っていましたが、このやり方では組織としてのガバナンスやセキュリティーの点で懸念があります。また、活用状況の把握も難しく、費用対効果を検証することもできませんでした。
そうした課題が解決できないまま、ChatGPTの利用者は徐々に増えて20名近くになり、デジタル推進課としても今後の現実的な方向性を定めることが急務となっていました。
ChatGPT以外のサービスを模索し始めたころ、富士フイルムビジネスイノベーションジャパン(以下「富士フイルムBIジャパン」という)のフェアで紹介されたのが、スモールスタートが可能でシンプルな対話型生成AIサービスの「MANA Studio」でした。すぐに「これは使えそうだ」と強い関心を持ち、詳しい話を聞かせてもらったところ、ChatGPTの有料プランを個別に契約するよりも優れたメリットがいくつもあることが分かりました。まず、管理の面では、AIが学習した情報が外部に流出せず、かつ組織内の利用状況を把握できること。また、利用者には、UI(ユーザーインターフェース)が分かりやすいこと、すぐ使えるプロンプトが用意されていること、用途に合わせて複数の生成AIを切り替えながら使えること、「Buddy」というAIエージェントを簡単に作って活用できることなど、使い勝手や機能の点でもとても魅力的。加えて、コストパフォーマンスもよいため、できるだけ多くのスタッフに使ってもらいたいという私たちの方針に合致するサービスであり、ユーザーが増えれば増えるほどメリットが大きくなるだろうと感じました。
富士フイルムBIジャパンには、以前からDXに関する勉強会や、Microsoft 365の導入でもお世話になっており、当組合の状況をよく理解し迅速に対応してくれるため、今回も相談に乗ってもらいました。おかげで、本格的な打ち合わせから利用開始まで約1か月という、スピード導入ができました。
セキュリティー面でも外部への漏えいを心配することなく内部情報を蓄積・活用できるようになり、ITガバナンス向上につながっています。特に、IPアドレス制限によるアクセス管理や、利用状況のダッシュボード表示により、誰がどれだけAIを活用しているかを一目で把握できるようになったことは、組織運営上大きなメリットとなりました。また、これまではユーザーがプロンプトを考えて生成AIに指示する必要がありましたが、MANA Studioではあらかじめ用意されたプロンプトライブラリーが利用できるので、初心者にも使いやすいと好評です。以前はかなりの時間を要していた総代会での発言や質問への回答作成も、MANA Studio導入後は、AIが回答案を作成してくれるため、1日で完了できるようになりました。導入後すぐは、ヘビーユーザーにより利用できるクレジット上限に達してしまったこともありましたが、今はそういった人には上限設定のないMicrosoft 365の有償版Copilotの方を使ってもらうようルール化しました。
そのほか、文章中の用語や表記が当組合のルールに沿っているかを確認するBuddyも活用されています。広報物に限らず、組合員からの問い合わせへの回答など対外的な文章についても、このBuddyを通すことで、従来は膨大な用語リストを人の目で確認していた作業に比べ、業務効率と表記精度の双方が向上しました。そのほかにも、自身の知見や労働基準法を学ばせた「労基まもるさん」というBuddyを作って問い合わせ対応に役立てる人事担当者や、指示したことのアウトプットの最後に「○○さん頑張れ」という応援メッセージが出てくるBuddyを作る人もいて、アイデア創出やモチベーション向上にも寄与しています。導入当初は30名で契約しましたが、今は80名に拡大しました。属人的になりがちなノウハウや知識がBuddyの形で蓄積されていくのを、我々デジタル推進課は見守りつつ、組織全体で利用できるようにしていきたいと考えています。
また、利用者にとって使いやすい環境を整えるだけでなく、利用ルールの組織内周知やeラーニングによるリテラシー向上施策を並行して進めることで、全スタッフへのAI活用の底上げを図っています。こういった人財育成の面でも、富士フイルムBIジャパンのサポートが大きな助けとなっています。
部署の数やスタッフの数が多く、AI活用の裾野を広げたいと考えている組織には、比較的低コストで気軽に始められるMANA Studioが適していると思います。特に、表記チェックのように同じような作業を一人ひとりのスタッフがやっているような場合には、AIの活用で生産性を上げることができるのではないでしょうか。
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 井元 政徳
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン株式会社 大浦 健太郎
エフコープ生活協同組合 総務部 デジタル推進課 課長 氏福 麻里沙 様
エフコープ生活協同組合 総務部 デジタル推進課 畑中 宏斗 様
今回のMANA Studioの導入では、まず総務人事など管理系の部署が先行していますが、今後は各部署の課題や取り組みを共有し、デジタル化の裾野を広げていく方針です。そして、ゆくゆくは、業務改善や効率化にとどまらず、組合員への新たなサービスを生み出すために活用していきたいと考えています。組合員とフェイス・トゥ・フェイスの接点があることが当組合の強みですから、そこで受けた意見・要望などにきめ細かく応えていきたい。その際の分析や判断のためにもAIが使えるといいですね。
富士フイルムBIジャパンには、今後も、組合員の多様な声をAIの力でどのように生かしていけばよいかなど、当組合の課題に技術面でのサポートをよろしくお願いします。
- 業種
生活協同組合
- 事業内容
共同購入、店舗、福祉、葬祭、共済・保険、住宅、夕食宅配等
- スタッフ
3,131名(フルタイムスタッフ1,433名,定時スタッフ1,698名)* 2025年3月末時点
- 本部所在地
〒811-2495 福岡県糟屋郡篠栗町中央1-8-3
- URL
* 掲載内容は2025年12月時点の情報です













