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聴診器を当てられる猫

猫がかかりやすい病気 : 慢性腎臓病

慢性腎臓病とは

腎臓の働きが徐々に悪くなり、長期間にわたって十分に機能しなくなる病気です。ねこちゃんが高齢になるにつれて増えていきます。
腎臓は血液をろ過して老廃物を取り除き、尿を作る役割を担っています。このため、「尿の量が異常に増える/減る」「尿の色が薄い」「飲む水の量が増えた」「食欲が落ちている」「嘔吐・下痢がある」といった症状が現れます。さらに病気が進むと命に関わる深刻な症状を引き起こすこともあります。
気になる様子が見られたら受診することはもちろんですが、初期の段階では症状はほとんど現れないため、早期発見には健康診断などで検査を受けることが重要です。

慢性腎臓病に見られる症状

15歳以上の猫の30~50%が慢性腎臓病といわれています。下記のような症状が見られたら「慢性腎臓病」かもしれません。
初期にはっきりと症状があらわれにくいため、年に1~2回は尿検査と血液検査を受けることをおすすめします。

  • 尿量が異常に増えるまたは減る
  • 尿の色が薄い
  • 飲水量が増えた
  • 食欲が落ちた
  • 元気がない
  • 体重が減った
  • 嘔吐がある
  • 貧血を起こす
  • 下痢をする
慢性腎臓病の猫のイラスト
血液をろ過し、老廃物と体に必要なものを仕分けして、
尿をつくるのが腎臓です
腎臓の役割
  1. 血中老廃物の除去
  2. ホルモンの分泌
  3. 血圧の調整
  4. 電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム、リンなど)の調整
尿の量・色に変化が出る理由
尿の量・色に変化が出るサイクル
進行すると、重篤な状態を引き起こします
腎不全の猫

腎臓が75%以上の機能を失った状態を「腎不全」といいます。

血液検査で腎臓の状態を把握することができます

ねこちゃんと楽しく豊かな生活を送るために、
年に1~2回は動物病院へ行き、健康診断を受けましょう!

  • *1 2018年に富士フイルムVETシステムズ株式会社の検査を受けた犬猫に対する調査結果より。
    Creの結果を使用。富士フイルムVETシステムズ参考基準範囲から外れた値を異常値としています。
    年齢上昇に伴い、腎臓検査異常値は増加します。異常値の場合は精密検査が必要です。
血液・尿検査で腎臓の異常が分かる理由
血液検査

正常な腎臓は血液フィルターとして、老廃物を尿中へ排泄しています。しかし腎機能が低下するとフィルターの網が目詰まりし、ろ過が十分にできなくなるため、老廃物である代謝産物が血液中に溜まってしまいます。
血液検査では尿素窒素・クレアチニン・シスタチンC・SDMAなどの濃度を測定し、腎機能低下の指標にします。また、リン・カルシウム代謝異常の検査としてFGF23・リン・カルシウムを測定します。

尿検査

正常な腎臓では、血液中の蛋白質は尿中へほとんど排泄されません。しかし腎機能が低下すると、尿中へ蛋白質が漏れ出します。
尿検査ではこの蛋白質(UPC・UACなど)の量のほか、比重などを測定し腎機能を確認します。

正常と腎不全の血液フィルターの比較イラスト
Q & A

A. 加齢・塩分の多い食事・飲水量不足などが主な原因です。

A. 腎臓は一度悪くなると、良くならないと言われています。さらに放っておくと徐々にではなく、一気に進行してしまいます。ただし、早めに腎臓病を見つけ、治療を開始することで、進行を遅らせ、状態を維持することができます。
日ごろから尿量・尿の臭いや色・飲水量のチェックを行いましょう。

A. 症状にもよりますが、内服薬や注射による対症療法や、リン・ナトリウム・蛋白質を制限した食事療法により、状態を維持します。

A. 血液検査、尿検査、超音波(エコー)検査、レントゲン検査などを行い、腎臓の状態を確認します。
主治医の先生へご相談ください。

A. 腎臓病用の食事へ変更する場合や治療薬の投与開始・変更する判断の指標となる検査項目です。

監修:日本獣医生命科学大学 獣医内科学研究室第二 准教授 宮川 優一 先生

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