日本

Al技術を活用した画像診断支援機能を搭載
進化した読影ビューワが画像診断の効率化をサポート

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

山門 亨一郎 氏(左)河中 祐介 氏(右)

兵庫医科大学病院
放射線医学教室主任教授 山門 亨一郎 氏
放射線医学教室助教・外来医長 河中 祐介 氏

主任教授の山門亨一郎氏が専門とするIVR(Interventional radiology)を中心に、高度かつ先進的な放射線診療を提供する兵庫医科大学放射線医学教室。Deep Learning技術を設計に用い画像診断ワークフローを支援する読影ビューワ「SYNAPSE SAI viewer*1」を導入した経緯や有用性についてお話をうかがった。

  • *1 SYNAPSE SAI viewerの機能の一部はAl技術(Deep Learning)を活用して開発されています。

「SYNAPSE SAI viewer(以下、SAI viewer)」を導入した経緯は。

山門氏 近年、高齢化や悪性腫瘍の罹患率増加等に伴い、CTの撮影件数および1件あたりの撮影枚数が増加し続けています。そうした中で、PACSの更新時期を迎え、病変の見落とし防止や読影の負担軽減に期待して、SAI viewerの導入を決めました。

読影ビューワ機能の使用感は。

河中氏 まず、画面レイアウトの自由度が高まり、個人個人に合わせてカスタマイズできる部分が広がりました。また、一つのウインドウ内で2Dと3D表示を組み合わせた読影が可能になった点も良いですね。例えば、動脈瘤検診等で頭部のMRI画像を読影する際、3Dを再構築して、2Dと並べて表示することで見落とし防止に役立っていると感じています。さらに、レポートシステムとの連携では、以前は3D画像をレポートに貼り付ける際に時間がかかっていましたが、SAI viewerでは瞬時に貼り付けられるので、かなりの時間短縮になっています。

山門氏 3Dの再構成が簡便かつ迅速に行える点も優れていると思います。これまで3Dの再構成は放射線技師にお願いしていましたが、医師が思い通りに操作して再構成できるため、特に外科の先生から喜ばれていると聞いています。

肺結節検出機能については。

河中氏 肺結節検出機能*2は感度が非常に高く、微小な結節候補まで検出するため、いかに人間の目でとらえられていないものが多いかを痛感しました。当院では、まず医師が通常通りに肺野を読影し、その後、補助的に肺結節検出機能を使用していますが、自分の目でも同機能でも結節候補が見つからなければ、ほぽ確信を持って「異常所見はなかった」と画像診断報告書に記載できると感じています。

山門氏 読影の件数、枚数が増えれば、当然、放射線科医は疲弊しますが、機械は疲れることがありません。その点でこの機能は、医師のサポートおよび見落とし防止の観点から非常に有意義だと考えています。

肺結節検出機能ツール使用によってGGN(すりガラス状結節)の拾い上げが容易に。

肺結節検出機能が有用な症例は。

河中氏 血管近くにある小さな結節や、他の臓器と重なりやすい縦隔近くの病変は、人間の目では特に見落としやすいのですが、そういった病変の検出や淡い濃度のGGN(すりガラス状結節)も拾ってくれると感じます。

また、肺結節検出機能は、腹部CTの撮影範囲内に入る胸部領域や熱源精査目的の胸腹部CTのスクリーニングなど、関心領域ではない場面でも有用だと思います。例えば、新型コロナウイルス感染症の流行に伴って増加している胸部の肺炎のスクリーニングでは、肺炎の有無や他の熱源の有無を中心に読影するため、肺結節の検出はどうしてもその次になってしまいます。そうした場合でも肺結節検出機能があることで、安心して関心領域に集中できると感じています。

  • *2 肺結節検出機能は肺結節の候補を画面上に表示することで医師の診断をサポートする機能です。

臓器セグメンテーション・ラベリング機能については。

河中氏 臓器を認識して体積まで表示してくれるので、牌腫や腎臓の腫大等を定量的にとらえられるところは非常に便利だと思います。また、椎体のラベリング機能は骨番号が一目で分かるのでとても重宝しています。

山門氏 IVRにおいては、腫瘍や血管の位置を血管造影上で確認する際に骨の位置が重要になります。そこで、CT画像で骨の位置を確認するのですが、ラベリングされていることで、腫瘍や血管の位置を簡便に血管造影上に反映できる点も便利だと思います。

骨経時サブトラクション機能については。

河中氏 特に椎体は、四肢麻痺や機能的予後に大きく関わるため、簡便に過去比較ができて病変を発見しやすくなることは大きいと思います。また、乳がんや前立腺がん等の骨転移を起こしやすい疾患では、骨硬化の拾い上げに有用だと考えています。

今後、SAI viewerに求めることは。

河中氏 肺結節の1~2mmの増大はほとんど変化がないように見えるので、骨経時サブトラクション機能のようなかたちで、肺結節の経時的変化の観察をサポートする機能を開発していただければと期待しています。

山門氏 今後、肝臓の病変やリンパ節の検出を支援する機能ができれば非常に便利だと思います。

通常時と比較して、発熱時の腎周囲の脂肪織濃度が上昇している。臓器をラベリングして体積を比較することで、腎の腫脹の評価が容易に。

放射線科領域でAl 技術が果たすべき役割は。

山門氏 人間の思考は非常に複雑で、同時に複数のことを考えられるという特性がある一方で、AIは一つのことに特化していくと人間以上の力を発揮することもあります。人間とAIのそれぞれの強みを複合していくことで医療の進化につながると思いますし、AIは医師をサポートするパートナーとして、非常に有効なツールになっていくと思います。

「SYNAPSE SAI viewer」は以下の医療機器を含む製品の総称です。