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マンモグラフィ検査における痛み軽減を目指した圧迫自動減圧制御“なごむね”

このコンテンツは医療従事者向けの内容です。

雨宮先生(左)内田先生(右)

山梨県厚生連健康管理センター
放射線部長
雨宮 良治先生
放射線部 放射線科長代理
内田 雅美先生

「つなげる、やさしさ。」を活動スローガンとして、受診者にやさしい人間ドック、巡回健診、外来診療、健康教育活動に取り組む山梨県厚生連健康管理センター。デジタル式乳房用X線診断装置「AMULET Innovality」と、そのオプション機能である圧迫自動減圧制御“なごむね”を導入した経緯や使用感、受診者の声などをうかがった。

高精度で負担の少ない保健・医療サービスを提供

山梨県厚生連健康管理センターの概要は。

雨宮氏 山梨県厚生連は、1986年に健康管理センターを開設して以来、公的医療機関としての特性を活かし、人間ドック、巡回健診、外来診療、健康教育活動に注力するとともに、より精度が高く、受診者の方々に優しい保健・医療サービスの提供をめざしています。

現在、厚生連は全国32の都道県に33連合会がありますが、その中で、山梨県厚生連は健診事業に特化した連合会として最大の事業規模となっています。

山梨県厚生連健康管理センター

〒400-0035 山梨県甲府市飯田1-1-26

山梨県厚生連健康管理センター
放射線部長 雨宮 良治氏

特徴的な取り組みは。

雨宮氏 健診活動以外に、健康教育や市民公開講座、健康相談、広報誌「しあわせ号」の発行などを通じた健康増進意識の啓発にも力を入れています。また最近では、小中学校において、外部講師として「がん教育」を実施するなど、高齢者向けだけでなく幅広い層に向けた活動にも取り組んでいます。

年間の健診数、マンモグラフィ検査数は。

雨宮氏 令和2年度の実績で、人間ドックが約2万8,000件、巡回健診が約5万3,500件、施設健診が約1万3,500件、特定保健指導が約2,000件、健康教育が7,500件、外来診療が約1万7,000件。マンモグラフィ検査数は、人間ドックで約1万件、巡回および施設健診で約1万2,000件となっています。なお、令和2年度は新型コロナウイルス感染症の影響で人間ドック、健診ともに例年よりも件数が減少しました。

AMULET Innovalityの導入では低線量、トモシンセシスが決め手になった

AMULET Innovalityを導入した経緯は。

雨宮氏 当センターに読影に来ていただいている山梨厚生病院の先生とお話をする中で、AMULET Innovalityの画質の良さをうかがっていたことに加え、以前からトモシンセシスの有用性に期待していたことから、AMULET Innovalityを含む複数社の装置を比較検討しました。その中で、線量の低さやトモシンセシスの2つのモードなどに魅力を感じ、2017年1月にAMULET Innovalityを導入しました。そして、実際に使用する中で、有用性や使い勝手の良さを実感したことから、2018年3月に2台目を導入しました。

AMULET Innovalityの使用感は。

内田氏 画質は良いと思いますし、トモシンセシスは撮影をしながらプレで確認できるので使いやすいですね。なお、導入当初は撮影台の大きさに慣れないところがありましたが、富士フイルムに相談して、指導をしていただいたこともあり、現在では問題なく使用できています。

オプションのデコレーションラベルを装着したAMULET Innovality。

圧迫自動減圧制御“なごむね”のアンケート調査を実施

“なごむね”に対する当初の所感は。

雨宮氏 機能のリリースに際して、富士フイルムから紹介があり、特に人間ドック・健診に良いのではないかと考えて、検討を開始しました。当初は、圧迫を緩めることで痛みは軽減すると思いますが、画質にも影響があるのではないかという不安もありました。

内田氏 私は正直なところ、「本当に効果があるのかな?」と半信半疑でした。また、初めて使用した時は、圧迫板が想像以上に戻ったので驚きました。

“なごむね”のトライアル*1を行った結果は。

雨宮氏 まず、画質については、読影医の先生にAMULET Innovalityで撮影した画像と、“なごむね”を使用して撮影した画像の比較をしていただき、「問題ない」という回答を得ました。

次に、痛みの軽減効果については、前年、当センターでマンモグラフィ検査を受けられている受診者さま200名に対して、了承を得た上で、片側の乳房のみに“なごむね”を使用して検査を行い、どちらに“なごむね”を使用したかは伝えずにアンケート調査を実施しました。その結果、58%の方が“なごむね”を使用した方の検査について「楽になった」「少し楽になった」と回答されました。また、検査前に自動で減圧されることについて説明を行ったのですが、この説明を聞いて気持ちが楽になったと回答された方が78%いらっしゃいました。

内田氏 この調査では、「左右両方とも楽になった」という方も一定数いらっしゃったので、「痛み軽減を目的とした機能を使用している」という安心感が、リラックス効果につながっているのではないかと感じました。そして、トライアルの結果から画質、効果ともに確認ができたため、現在は、人間ドック・健診では全例で“なごむね”を使用しています。

山梨県厚生連健康管理センター
放射線部 放射線科長代理 内田 雅美先生

“なごむね”使用での撮影への影響は。

内田氏 乳房が大きい方や柔らかい方でも乳腺全体を無理なく広げたままの状態で、しっかり圧迫ができているという実感が得られています。この点については、他の技師からも同様の感想を聞いています。

精中機構(日本乳がん検診精度管理中央機構)の施設認定への影響は。

雨宮氏 2021年の認定更新では、“なごむね”を使用した画像を提出し、問題なく認定を受けることができました。

“なごむね”をPRする取り組みは。

雨宮氏 現在は、レディースフロアのサイネージで紹介していますが、コロナ禍以前は、待合室や検査室に“なごむね”の機能や効果を説明するパンフレットなどを置いていました。トライアルのアンケート調査から、“なごむね”について知っていただくだけでも痛み軽減やリラックスにつながると実感していますし、施設全体としては“なごむね”が健診施設としての差別化のポイントになると思います。

更衣スペースにも“なごむね”を紹介するツールを設置。

今後、富士フイルムに期待することは。

内田氏 特に人間ドック・健診でマンモグラフィ検査を受ける方は“痛くない検査”を求めていますので、より痛みを軽減できる技術や装置を開発していただければと期待しています。

雨宮氏 当センターのような健診施設では、どれだけ安心して検査を受けていただくかが重要になりますので、“なごむね”のような機能やAMULET Innovalityの丸みを帯びたデザインのように、今後も受診者さまに優しい製品開発を続けていただければと思います。

  • *1 機能確認・評価をするために過去受診歴のある受診者200名に対してアンケート調査を実施。

 

 

本記事は取材日時点の情報であり、記事の内容や、施設名、所属、役職などは最新の情報とは異なる場合があります。