当社が保管している各種契約書の数は4,100万枚を超えます。
とても社内に置いておける量ではないので、段ボール箱に詰めて社外の倉庫で保管していました。そのため、各事業所で契約書の原本が必要になったときは、箱ごと倉庫から取り寄せていたのですが、時間がかかるだけでなく、箱の中から目的の契約書を探し出すにもかなりの手間が掛かっていました。しかも、2021年に賃貸住宅管理業法が施行されたことで、原本が必要になる機会が増え、担当者の負担はさらに増加。加えて、この運用方法では、取り出した契約書が別の箱に戻されてしまったり、どこかに紛失してしまったりするリスクもありました。そこで抜本的な改革として、将来の電子契約への移行を見据えつつ、SDGsの観点も踏まえて、既存契約書のPDF化に取り組むことにしたのです。

複数のベンダーに相談したのですが、富士フイルムビジネスイノベーションの提案は、PDF化を行う「文書電子化サービス」と、PDF化した書類を閲覧するための「Canopy（検索）サービス」、PDF化作業中に原本が必要になった時、該当書類を取り寄せる「文書探索サービス」、物件単位で契約書をまとめる「文書集約サービス」を1社でワンストップサービスとして提供するというもので、サービスを複数の会社で分担する他社の提案に比べて信頼感がありました。
また、これまでの実績が豊富な上、担当者のレスポンスも迅速で、私たちの漠然とした要望を的確にサービスへ落とし込んでくれたことも評価のポイントとなりました。
さらに、スキャニングを行う施設を実際に見学したところ、PDF化の作業プロセスが効率的で、かつ書類の紛失を防ぐためのさまざまな工夫が凝らされており、カメラで常時監視を行っていることも安心感につながりました。これなら大事な書類を託すことができると考え、導入を決めました。

まだ全ての書類のPDF化が完了したわけではありませんが、移行済みの支店や事業所では、倉庫から箱ごと契約書を取り寄せたり、その中から目的の契約書を探したりということがなくなりました。以前はなかなか目当ての契約書が見つからないこともあり、探し出すまでに平均で30～40分もかかっていましたが、今ではクラウド上で瞬時に見つかるようになり、そうした無駄な時間がなくなりました。
また、PDF化のために預けている原本を、必要な時に「探索サービス」によって探し出し、送付してもらえる点も助かっています。今後は「集約サービス」により、複数の箱にバラバラに入っていた契約書を物件ごとにまとめてもらう予定ですので、より一層の負荷軽減が期待できます。