「第61回 富士フイルムフォトコンテスト」に応募された計22,270点の作品の中から、土屋 幸子(つちや さちこ)氏(北海道)の『待ってよぉ~』を最高賞である「フジコン大賞」に決定しました。
フジコン大賞
『待ってよぉ~』 土屋 幸子
子ギツネがチョウと戯れる様子を写し止めていますが、このような一瞬をとらえるのは決して簡単なものではありません。偶然という要素もあったと思いますが、おそらく、かなり粘って撮影したのでしょう。そうしたシャッターチャンスを狙う姿勢が何より優れていると感じました。レンズワークも素晴らしく、望遠レンズの特性を生かしてキツネの姿を切り取っています。全体的に明るい仕上げも新鮮であり、作者の優しい視点がよく伝わりました。
自由写真部門審査員:水谷 章人
キタキツネの子どもが、チョウを追いかけている様子です。可愛らしさを感じるとともに、キツネもこうして遊ぶような動きをするのかと驚かされました。こうした一瞬の動きをとらえるには、シャッタースピードの選択がとても大切です。その点、この作品はシャッタースピードが実に的確だと思います。そして何より、画質の良さ、タイミング、被写体から伝わる印象が三拍子揃っているのが秀逸で、全作品の中でも群を抜いた完成度です。
ネイチャーフォト部門審査員:海野 和男
グランプリ
『めんこいな』 今野 広行
おじいさんの赤ちゃんを見つめる眼差しが素晴らしいと感じグランプリに選びました。作画・構成についても秀逸で、周囲の暗がりに対し中心部の畳には柔らかな光が差し込み、主題であるおじいさんと赤ちゃんを優しく浮かび上がらせています。情景とともにおじいさんの想いまでもが伝わってくる心温まる作品です。被写体の心が写し出された写真というのはやはりいいものですね。
自由写真部門審査員:水谷 章人
『プロポーズ』 久能 隆
ハトのオスとメスでしょうか。オスがメスに花をあげているように見えるシーンですね。実際はどうか分かりませんが、作品を見る人に「これはプロポーズだ」という見せ方がしっかりと伝わります。作者の意図が、タイトルと作品の両方から明確に感じられました。
ネイチャーフォト部門審査員:海野 和男
『生命』 河本 翔子
4枚それぞれの被写体や撮影場所、色合いなどが違っていて、幅広いイメージが伝わりました。一方で、主役を中央に配置しているなどの共通点もあり、それぞれの作品が互いに影響し合い、魅力を増しているように思います。逆光での表現や構図の考え方にも細かい工夫が感じられました。結婚をして、妊娠し、子どもの服を買い、出産する。そうした4枚で表現されるだけではない、さらに外へ続くストーリーの広がりが想像できる、素晴らしい表現の作品です。
組写真部門審査員:元田 敬三
『視線』 吉田 絵里子
背景にペンギンがいるので水族館でしょうか? 画面内には親子と思しき2人の人物が写っています。お子さんにハイライト、父親にシャドウと光の使い分けが秀逸で、まずそこに目を奪われました。コントラスト、色合いも絶妙です。設定を駆使して生み出されたこの空気感は作者独自の味わいとなり、記憶に残る心象的な作風にまとめられています。あえて親子の視線が交わらないタイミングを選んだ点も、ありがちな展開を避けて独自性を後押しすることに成功しています。
アンダー39部門審査員:辻 佐織
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