このコンテンツは医療従事者向けの内容です。
1980年の開院以来、丁寧かつ安心な医療を提供し続け、地域医療を支えている豊田内科医院。医院長の豊田満夫氏に胸部X線画像病変検出ソフトウェアCXR-AIDおよびCARNACOREのオプションである小型拡張ユニット「EX-Mobile」を導入した経緯やプリペイドタイプの契約を選択した理由、使用感などについてお話をうかがった。
- *AI技術:AI技術のひとつであるディープラーニングを設計に用いました。導入後に自動的にシステムの性能や精度が変化することはありません。
豊田内科医院 医院長
豊田 満夫 氏

豊田内科医院の概要は。
当院は、私の父親で呼吸器を専門としている現・名誉医院長が1980年に開院して以来、地域の皆様に丁寧な医療、安心な医療を提供することを理念として努力を重ねています。その中で、2019年に消化器内科を専門とする私が継承し、現在は名誉医院長と共に診療にあたっています。また、地域の皆様がご自宅で安心して療養していただけるよう、24時間体制での往診・訪問診療にも積極的に取り組んでいます。
年間の胸部単純X線撮影数は。
自治体の健診や企業健診、一般外来の診察で日常的に撮影を行い、時期によって差はあるものの、年間で約1,400件の撮影を行っています。

小型拡張ユニット「EX-Mobile」を導入した経緯は。
胸部単純X線写真の読影では、専門・非専門にかかわらず見落としのリスクが常にあり、自治体の健診では二重読影が行われますが、一部の企業健診や当院の外来の患者さんについては、当院での読影がすべてになります。そのため、いつも不安を感じながら読影を行っていました。そうした中で、富士フイルムの営業担当者からAI技術を用いた胸部X線画像診断支援のことを聞き、ほぼ即決のようなかたちで導入を決めました。
導入にあたって懸念していたことは。
検出精度については、正直なところ、実際に使ってみないと分からないと思っていました。しかし、検出の得意・不得意のような“特性”は早い段階で理解できると思っていましたし、あくまで検出支援システムとして我々の読影を助けてくれるものだと理解していたので、敷居の高さを感じることはなかったですね。
使用回数1,000回までのプリペイドタイプの契約を選択した理由は。
導入後に、どのような症例で何件程度使用するのか分からないところがあったので、“お試し”のような感覚で、プリペイドタイプを選択しました。振り返ると、プリペイドタイプの価格面でのメリットも導入の後押しになったようにも感じます。
CXR-AIDを使用している症例は。
導入当初は、プリペイドタイプということもあり、二重読影が行われる健診では使用しないなど、症例を選んで使用していました。しかし、使用を重ねる中でシステムに対する信頼度が増し、読影の精度向上や心理的負担の軽減といったメリットを実感したため、導入後3ヵ月が経過した頃から全例で使用するようになりました。
CXR-AIDの使用感は。
ヒートマップやスコアの表示は、分かりやすくて良いと思っています。検出については、小さな結節や骨と重なっている病変候補、臓器の裏の病変候補もしっかりと拾ってくれるので安心感がありますね。実際に、もしかしたら見落としていたかもしれないような小さな結節を拾ってくれて、悪性腫瘍と診断がついた症例を経験しました。
導入後、撮影から読影までのワークフローに変化は。
症例を選んで使用していた頃は、手動で処理をかける必要がありました。しかし、現在は自動で処理がかかる設定にしているので、撮影後に診察室に戻るとほぼ処理が終わっているような感覚で、スムーズに使用できています。
CXR-AIDに対する患者さんの反応は。
私が読影して疑わしい箇所がなければ「大丈夫だと思います」とお伝えして、その上で、より分かりやすく説明するために画面を見せながら、疑わしい領域の検出が無かったことを説明すると、とても安心される方が多いですね。

今後の契約パターンについては。
導入から約2年半でプリペイドタイプを2回更新したので、次回は買取タイプへの変更も検討したいと考えています。プリペイドタイプの活用方法として、読影に自信があれば、悩ましい症例だけで使用するという方法もあると思います。しかし、私の現在の狙いは、「1例も見落とさない」ことにあるので、全件で使用することが重要だと考えています。
今後、CXR-AIDに期待することは。
ヒートマップやスコアに加えて、どのような異常所見が疑われるのかを提示してもらえると、さらに使いやすくなると思います。
今後、富士フイルムに期待することは。
今後もAI技術を含めた技術開発に注力して、我々医療従事者の負荷軽減や医療の質向上に貢献していただければと期待しています。
基本情報
EX-Mobile
- 販売名
富士画像診断ワークステーション CC-WS674型の付属品EX-M1
- 認証番号
22200BZX00909000
- 製造販売業者
富士フイルム株式会社
CXR-AID
- 販売名
胸部X線画像病変検出(CAD)プログラム LU-AI689型
- 承認番号
30300BZX00188000
- 製造販売業者
富士フイルム株式会社
CARNACORE
- 販売名
富士画像診断ワークステーション CC-WS674型
- 認証番号
22200BZX00909000
- 製造販売業者
富士フイルム株式会社
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